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精密加工

CFRPのプレス技術開発により、強度を維持したまま部材の軽量化と歩留まりの向上を実現!

広島県

株式会社デルタツーリング

2020年4月8日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 CFRP軽量部材の革新的プレス成形技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護、農業、産業機械、工作機械
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

輸送車両用座席の50%軽量化を実現するため、軽量材であるが難加工材のCFRPのハイサイクルプレス成形技術を確立する。量産車へ適用するため、成形時間5分以内とし、かつ、モデリング技術により、最適繊維配向設計と一体成形による部品点数減で組立てコスト低減を図る。高価な素材を有効活用するため、成形品の後工程を削減し、材料歩留り90%以上を達成させ、生産性を飛躍的に向上させる技術を開発する

開発した技術のポイント

難加工材であるCFRPの成形時間を短縮させ、生産性を飛躍的に向上させるだけでなく、従来のフレームの強度を確保しつつ軽量化を図った加工技術を開発する

(新技術)
・炭素繊維強化熱可塑性樹脂を用いたハイサイクル成形技術を開発する
・プリフォームの3次元形状を決定するモデリング技術を開発する
・最適な強化繊維配向シミュレーション技術を開発する

(新技術の特徴)
・部品を一体で成形することで材料歩留まりを向上させ、生産性が向上する
・部品の軽量化が可能になる

具体的な成果

・最適製品形状(構造)設計技術を確立
‐鉄系薄板材でCFRPを挟持した3層構造において、自動車用座席背部フレームの45.5%軽量化に成功した
‐50%軽量化を目標に研究継続、効率の良い3層構造材の配置部位・方法を明確にし、製品形状を設計した
・CFRPのハイサイクルプレス加工技術を確立
‐トリムレスプレス加工により材料歩留まり90~98%を達成した─目標値を大幅に上回る1.5~2分でプレス成形が可能な加工技術を確立した
‐複雑な断面形状の製品成形が可能なプレス技術を確立した
‐材料歩留まりの高いCFRP成形品の量産化技術を確立した
・CFRPの特性評価の実施
‐試作品の強度試験を実施し、強度アップの度合いを確認した
‐異方性設計技術の高度化を図った

研究開発成果の利用シーン

・(短期的には)自動車用シート部材製造メーカーへの要素技術
・(将来的には)自動車用シート部品だけではなく、高規格救急車用防振架台、生体信号用センサー部品、列車・航空機等の乗物用座席部品

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・サポイン事業の実施終了時点では成形技術の開発を実施する予定である
・また、成形技術を用いた具体的な試作品の提供は今後の実施を予定している

製品・サービスのPRポイント

・歩留まりの向上による材料コスト削減等
‐従来のCFRP成形方法は、製品の歩留まりを高く保つことが困難だったが、今回開発したCFRP成形方法では、生産性の高いハイサイクルプレス成形により、製造コストを下げて製品を提供することが可能になった
‐また、CFRPと鉄系薄板材との3層構造材により、高強度の製品を低コストで提供することが可能である
・成形時間の短縮による製造コスト削減
‐従来は製品強度を保つ上で、構成部材の成形には時間がかかっていた
‐製品強度を維持したまま成形時間の短縮を実現したことにより、製造コストの削減が実現可能である

今後の実用化・事業化の見通し

・補完研究では、非破壊検査技術開発、自動車用座席背部フレームの軽量化、シートバックフレームのエネルギー吸収構造開発を実施し、基本的な要素技術を開発予定である
・ターゲット部品抽出、顧客へのサンプル出し、目標コスト設定を行い、具体的な製品を絞り込むことを想定している
・また、量産化に向けた生産設備投資を行い、プリプレグ関連装置、自動加熱・搬送装置の導入を予定しており、上記の事業化に向けた展開を実施し、将来的には量産を開始する予定である

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社デルタツーリング テクノフロンティア東広島F棟
事業管理機関 公益財団法人ひろしま産業振興機構
研究等実施機関 株式会社YDテクノ
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社デルタツーリング
本社所在地 広島県東広島市田口研究団地3番1号