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精密加工

切削加工でしか実現できなかった複雑性の高い筐体部品をプレス加工のみで実現する

鳥取県

株式会社田中製作所

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 プレス多層筐体成形技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、情報通信、スマート家電、光学機器
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

情報機器メーカは高性能PCやスマートフォン等の高付加価値製品で競争力を高める必要があるが、このために薄型で複雑かつ、高強度の筐体部品が必要である。従来は切削加工が必要で、低生産性、高コストとなり、巨大資本でしか実現が不可能。技術難度が高い多層一体成形プレス工法を技術開発し、複雑・薄型の筐体製造を切削加工から置換する。高生産性と複合材で機能性を実現、筐体概念を革新して国内メーカの国際競争力を高める

開発した技術のポイント

切削加工でしか実現できなかった複雑性の高い筐体部品をプレス加工に置き換え、生産コストを劇的に下げる
・絞り度:取付用ボス部のプレス深絞り成形加工にて5mm以上の立ち上げを持つボス形状を形成する
・強度:Mac Book Airと同等以上
・耐熱性:環境試験における85℃以上をクリア
・精度:平面度0.2mm以下

(新技術)
<多層貼り合わせ+アルミプレス加工>
・基本はプレス工法で短サイクル
・異種素材の組み合わせを生かした物理特性
特徴
・部品コストが安い
・素材の組み合わせで特性を現出
・部品加工、一体化ともに困難

具体的な成果

・目標を達成深絞りベースプレートのプレス加工
-増肉加工とバーリング加工の試作金型を製作。条件検証の結果、ボス成形高さ5mm以上を達成
-外観意匠面実現のため金型跡を残さない加工法を検討。携帯電話部品の高品質化を目指し、5.6mmの絞り高さの条件で目標の品質を達成
・プレスによる3ピース貼合せ工法
-接着剤が塗布してある高機能材料を貼り合せるための試作金型を製作。試作した3ピース貼り合わせプレートは、平面度0.2mm以下、耐熱性85℃以上と目標を達成
・1ピース化後の後工程処理
-貼り合わせプレートの穴抜き時のバリを抑制する金型を製作し、バリ高さ30m以下を達成
-穴抜き後の断面に接着樹脂被膜漏れがないことを確認
・多工程プロセス設計
-3次元工程設計技術による各工程からアッセンブリ工程・検査までのラインバランスの設計を行い、全工程を5分20秒のサイクルタイムを達成

知財出願や広報活動等の状況

特許:「部品の製造方法及び部品」(特開WO2011/099543)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功。H25年度の事業化を目指す
・パソコンキーボード多層筐体の無料サンプルあり

製品・サービスのPRポイント

・低コスト化 → ダウンが可能 従来の切削品比50%以上のコスト
・強度・剛性向上 → 切削品と同等以上の性能
・軽量化 → 内部にアルミ、外観にステンレスを使用でき、軽量化を実現できる

今後の実用化・事業化の見通し

実用研究、試作品作製を同時並行で進め、H25年度中の事業化を目指す
・サポイン事業で積み残した課題である異種材多層筐体の実用研究を継続。タブレットの多層筐体サンプルを製作し、問題解決に向け研究中
・アルミとステンレスの貼付筐体の試作品を作製。貼り付けに使用する樹脂被膜材料の開発も同時に実施
・H25年度中の事業化を目指す。サンプル作製後、国内外の大手情報通信機器メーカーへの販売促進活動を行う予定

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社田中製作所 NICERA先進技術開発研究所
事業管理機関 公益財団法人鳥取県産業振興機構
研究等実施機関 ニッシンエイピーエム株式会社
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社田中製作所
事業内容 金属プレス金型の設計製作による情報通信機器用金属プレス部品の製造、情報通信用コネクタの製造
本社所在地 〒689-0216 鳥取県鳥取市気高町宝木1562-132
ホームページ http://www.heart-tanaka.co.jp
連絡先窓口 営業本部部長 林良平
メールアドレス hayashi@heart-tanaka.co.jp
電話番号 03-6402-7272