精密加工
次世代工法、新保持具、新工具、新設備等の開発により無人化の連続加工を実現し、コスト半減を目指す
兵庫県
株式会社ナサダ
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ガスタービンエンジンの難削材複雑形状部品の加工技術の高度化の研究 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
航空機ガスタービン及び発電用ガスタービンのタービンブレードは、重要部品であるために従来工法からの変更が難しくコスト低減が進みにくい。また形状が3次元の複雑形状で難削材が使われており加工方法の変更はネックになっている。このタービンブレードを次世代工法、新保持具、新工具、新設備等を研究開発し無人化の連続加工を可能にして、コストを1/2にする事により、圧倒的競争力を付けて、川下企業ニーズに答える
開発した技術のポイント
次世代工法、新保持具、新工具、新設備等の開発により無人化の連続加工を実現し、コスト半減を目指す
・航空機用タービンブレードはクランプ歪みなしの新保持具を開発して研削を高効率化(加工時間を30%短縮)し、品質向上とコスト低減を実現する
・発電用タービンブレードは高効率切削工法と翼面の磨き加工を機械化して、品質を安定させつつ無人化を図り、コスト低減を実現する
(新技術)
<新加工法:固定媒体は高強度、簡易剥離の樹脂を使用>
特徴
・固定媒体(樹脂)の使用量を最小にできる治具の開発
・ワークの保持力を向上させかつ歪なしクランプ法の開発
・加工後の樹脂剥離が簡単である新樹脂の開発
・高能率研削法の研究(ハイパー研削法)
<横型マシニング+複合加工機>
特徴
・翼面の片側を樹脂固定治具で保持し、根部及びシュラウド部、翼面を横型マシニングで加工する
・加工完了した根部、シュラウド部をピラニア治具で保持し、複合加工機で新開発アタッチメントによる翼面研削仕上げする
具体的な成果
・タービンブレード用の円筒治具固定法の開発
-水崩壊樹脂によるブレード固定技術を開発し、加工応力に対し十分な保持力を確保
-航空機用ブレードの翼面を歪みなく樹脂で固定して研削できる治具を開発。高精度保持が可能に
-高効率ハイパー研削技術により、大型タービンブレード翼面研削加工法を確立
-従来の切削加工法を研削加工で行うことを実現。翼面粗度向上、手仕上げ廃止が可能に
・ブレード両端固定とサポート工法の研究開発
-翼面サポート平面治具の開発を行い、歪みなく保持し、加工応力に十分耐えられる治具構造を確立
-ブレード翼面を水崩壊性樹脂で治具に固定し、両端部(ルート部、シュラウド部)を切削・研削する治具構造を確立
-平面治具に基準ピンを設け、その周りに樹脂を流し込む構造により、ブレード固定で歪みが起きない治具を開発
-翼面加工中のブレードの撓み及び加工中のビビリ防止のためのサポート工法を開発。歪み削減の効果を確認
-研削アタッチメントにハイパー研削を可能にする、内部クーラント供給構造を開発。重研削加工を実現し、高能率研削技術を確立
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「ブレードの樹脂充填保持装置、ブレードの樹脂充填固化方法、ブレードの樹脂充填固化加工方法、長尺ブレードの樹脂充填固化加工装置、長尺ブレードの樹脂充填固化加工方法」(特願2009-257496)
・新聞:日刊工業新聞「『基盤技術で勝ち抜く』新タービンブレード加工技術」(H24.9.3)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
実用化に成功。H25年度の事業化を目指す
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→現状の加工精度公差の半分以下の精度、表面粗度公差の1/2以下の粗度の製品を実現
・新製法の実現→機械化により精度のバラツキをなくし、機械加工工程への統合による工程削減を実現
今後の実用化・事業化の見通し
量産化に向けたテスト加工、設備仕様検討を実施
・川下企業と守秘義務契約を結び、図面等のデータを用いて、新技術によるサンプル品を製作して、評価をしてもらった
・サンプル品に対し、さらなる表面粗度の向上への要望があり、量産化を目指したテスト加工と設備仕様の検討を実施中
・H25年3月頃までに量産に向けた試作品を製作。H26年4月からの量産品販売を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナサダ |
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事業管理機関 | 公益財団法人新産業創造研究機構 |
研究等実施機関 | 株式会社ニートレックス 本社 国立大学法人東京農工大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナサダ |
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事業内容 | 航空機エンジン部品、航空機機体部品、ガスタービンエンジン部品、油圧機器部品等の製造及び付帯サービス |
本社所在地 | 兵庫県姫路市阿保甲1-1 |
ホームページ | http://www.nasada.co.jp |
連絡先窓口 | 常務取締役工場長 進藤茂實 |
メールアドレス | nasada@nasada.co.jp |
電話番号 | 079-223-1765 |
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