精密加工
歩留まりの向上と設備の省力化を実現!複動ダイセットを用いたニアネットシェイプ技術の開発
岐阜県
まこと工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 機械設備類の省力化・小型化を可能とする複動ダイセットを用いたバリなし鍛造による複雑形状部材の低コスト量産化技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界におけるコスト削減のニーズに対し、材料歩留まりの向上は有効な手段である。複雑な投影形状の鍛造は現在バリだし鍛造で生産されており、材料歩留まりはおよそ55~70%と非常に悪い。そこで金型材料の検証、金型の表面処理材の検証による金型寿命の向上と、材料歩留まり95~100%とするネットシェイプ成形を可能とする熱間高速閉塞鍛造による量産化の開発により、従来のものより約30%コストを低減させる
開発した技術のポイント
複動ダイセットによるニアネットシェイプ技術を開発し、歩留り向上や省力化を実現
・鍛造時荷重→600t以下
・歩留まり→95~100%
(新技術)
<複動ダイセットを用いたバリなし鍛造>
特徴
・荷重が小さく、省力化可能
・バリ出し鍛造に比べ、歩留まり向上
具体的な成果
・4種の部品を製作する複動ダイセットを製作
‐鍛造用金型・複動ダイセットの設計において3Dモデルを作成し、CAE(ComputerAidedEngineering)解析ソフトを用いて流動や型応力を解析
‐部品4品種について、それぞれ健全な鍛造品が製作可能であることを証明
‐結果を基に、それぞれの部品について、複動ダイセット計4基を製作
・鍛造部品試作において、荷重の減少、歩留まり率改善を達成
‐開発した複動ダイセットをプレスに実装し、鍛造試作を実施
‐全4種の部品を荷重600t以下で製作し、目標を達成
‐全4種の部品について、従来工法よりも優れた歩留りを達成(うち3種類の部品については、歩留り100%)
・鍛造品の材料強度や硬さを評価し、従来製法と同等の性能を確認
‐成形検証実験を行って得た成形品から試験片を切り出し、材料強度および硬さを評価
‐従来工法と比較して異常は見られないことを確認
‐1品種については、量産品社内規格に基づいた製品評価試験を実施し、強度耐久性に異常がないことを確認
・製作した4部品の荷重・歩留まり
〜全4部品について、荷重600t以下で製作可能。うち3種類の歩留まりは100%を達成した〜
知財出願や広報活動等の状況
出展:新技術・新工法展示商談会(H23.2、H24.2)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度に実用化成功、事業化間近
・川下企業において評価中のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→開発した複動ダイセットの効果(プレスの低荷重化による省エネルギー、ニアネットシェイプ鍛造実現)により、従来工法と比較して約30%のコスト削減を実現
・歩留まり向上→従来工法のハンマー鍛造では歩留まり55~70%であるのに対し、今回開発した工法では95~100%を実現
・複雑形状化→複雑な投影形状品においてもニアネットシェイプ鍛造を実現
今後の実用化・事業化の見通し
課題解決に向けた設備の整備が進捗中、H25年4月から部品を販売開始予定
・事業終了時点で明らかとなった課題(歩留まり未達成(1種類)と形状バラツキ・欠肉不良(各1種類)について課題抽出と解決策立案策定を進め、課題解決・実用化に向けた補完研究を継続中
・既設の機械での試作は完了しているが、課題解決の為には適切な設備の整備が必要であり、サーボプレスの購入を検討中
・成果の一部が自動車部品メーカーで採用され、H25年4月に販売開始予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | まこと工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | まことEG株式会社 国立大学法人名古屋工業大学 岐阜県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | まこと工業株式会社 |
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事業内容 | 鍛造品の製造 |
本社所在地 | 〒501-3307 岐阜県加茂郡富加町大平賀488 |
ホームページ | http://makotokogyo.co.jp |
連絡先窓口 | プレス部部長 各務嘉恭 |
メールアドレス | y_kakami@makotokogyo.co.jp |
電話番号 | 0574-54-2211 |
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