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接合・実装

摩擦攪拌接合技術を活用したアルミニウム合金の接合によって、軽量化と低価格化を同時に実現!

大阪府

株式会社エムジェイテック

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 摩擦撹拌接合を適用した航空機構造部品の製作
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 航空・宇宙
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

航空機構造の製造に摩擦攪拌接合を適用することで、突き合わせ接合を可能にし、10~15%の重量軽減および20%以上の原価低減を行える技術を確立する。薄板による閉じたボックス構造が多い航空機構造に適用するため、低圧力で板厚の変化に対応できる摩擦攪拌接合法開発する。また、主に動翼の部分を対象として代表的な航空機構造の試作を行い、FAA認証のためのデータベースの蓄積およびプロセスの確立を行う。

開発した技術のポイント

従来の溶接では接合できなかった2000系、7000系のアルミニウム合金で、かつ接合時の圧力によって座屈し易い薄板が多用されている航空機構造に適用できる摩擦攪拌接合技術を確立する

(新技術)
溶接が不可能なアルミ合金を、摩擦攪拌接合により突合せ結合で接合する技術を開発する

(新技術の特徴)
突合せ接合により重量軽減を実現し、安価な材料を用いることで適用構造の原価低減を達成する

具体的な成果

・FSW構造に則した航空機構造の策定
-構造様式を検討し突合せ接合を基本とした構造案を作成した成果の生産に要する設備
・汎用工作機械縦型フライス・低圧力のFSW技術の構築と、板厚変化に対応可能な技術を構築
・閉じた構造に適用できるFSW技術の構築
-回転数、送り速度についての最適領域を明確化した
・汎用工作機械に装着可能なFSWツールの開発と、部分構造の試作
・代表的な航空機構造サンプルの試作

研究開発成果の利用シーン

・複合材料と同等程度の重量での安価な航空機部材
・現状の溶接構造では歪みが大きいため、より歪みを小さくすることが期待されている業界の部品製作
・高価な摩擦攪拌接合の専用設備への投資が出来ない企業へのツール提供(汎用工作機械用ツール)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・この3年間の取り組みにより、ある程度の要素技術の達成と達成見通しは立った
・事業化についての第一歩としてFSWツールのブランド化、標準化を推進するとともに、展示会等を通してFSW技術を紹介している(2014年夏ごろを目途に、事業化を図る予定)

製品・サービスのPRポイント

・大幅な原価低減の実現
-航空機構造に摩擦攪拌接合を適用することで従来のアルミ合金構造の約15%の重量軽減が可能となる
-また、複合材料に対してはるかに安い材料を用いることで、適用対象とする構造部品の60%以上の大幅な原価低減が実現できる
・重量軽減による燃費向上
-航空機構造に多用されている2000系、7000系のアルミ合金は溶接が不可能な材料であった
-摩擦攪拌接合を適用し、上記アルミ合金の薄板の突合せ接合を可能とすることによって、複合材料に対抗できる重量軽減が可能になる
・汎用工作機械に装着可能なFSW新ツールの提供
-摩擦攪拌接合を自社製品へ適用するには高価な専用設備が必要になる
-設備投資のできない企業、設備費の回収が見通せない企業に対し、汎用の工作機械に装着可能な摩擦攪拌接合用ツール(特許取得)の提供ができる

今後の実用化・事業化の見通し

・2013年11月にローンチが発表されたボーイングの次期開発機777xへの摩擦攪拌接合の適用化研究がスタートしており、今回の研究成果の反映が期待され、近い将来の実用化が見通される
・将来的な実用化、事業化に向けて以下の課題を継続して検討し研究開発を進めていく
1.接合品質のさらなる向上と安定
2.修理方法の確立
3.航空機構造に対するFAR(FederalAviationRegulation)への合致

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社エムジェイテック
事業管理機関 国立大学法人大阪大学
研究等実施機関 川並鉄工株式会社
野田金型有限会社
国立大学法人大阪大学
国立大学法人大阪大学接合科学研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社エムジェイテック
事業内容 FSWツール製作・販売、FSW接合サービス
本社所在地 〒589-0001 大阪府狭山市東野西3丁目693番地1
ホームページ http://www.mjtec.co.jp/
連絡先窓口 FSWツール・FSW接合サービス営業 田頭、技術 中村
メールアドレス info@mjtec.co.jp
電話番号 072-365-9036(代)