複合・新機能材料
低コストで風車翼を製造する、RTM成形に最適な炭素繊維織物基材の製織技術を開発、自動車・土建にも応用可能
石川県
創和テキスタイル株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高性能炭素繊維織物基材の高効率製織技術開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 炭素繊維織物、高速製織、自動検査 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
炭素繊維複合材料では、省エネの観点からRTM成形が注目され、これに適した織物基材が求められている。一方で、極細ガラス繊維での製織速度向上や、よこ糸欠点の検知が可能な自動検査技術が存在しないという課題があり、実用化していない。このため、新たな高速製織技術および自動検反技術を開発し、プリプレグ材と同様の力学的特性を有し、基材の品位向上と検反自動化によるコスト低減を両立する新たな高性能基材の創生を図る
開発した技術のポイント
RTM成形法に適したコスト競争力が高く、かつ複雑形状形成が容易となる炭素繊維織物基材の高速製織技術及び製織後の織物の自動検反技術の確立により、基材の品質向上とコスト低減を目指す
(新技術)
現状のプリプレグ材と同等の力学特性を持つ素材を用い、新たな織物基材で高速製織する
(新技術の特徴)
繊維の真直性確保が可能であるプリプレグ材と同等以上の衝撃吸収特性を持つ
具体的な成果
高性能・高度製織技術の開発
‐一方向炭素繊維織物のたて糸の毛羽立ち発生を抑制しつつ、よこ糸挿入を安定させ、エアジェット製織を用いた新たな製織技術を確立した
自動欠点検査方法の技術開発
‐多種の織物構造の検査へ適用するための基礎検討を行い、炭素繊維織物検査装置を開発・導入した
知財出願や広報活動等の状況
特許出願:2件
研究開発成果の利用シーン
・RTM成形に適した炭素繊維織物基材
・プリプレグ材と同等以上の力学的特性を持つ高性能炭素繊維織物
・自動欠点検査装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・風車・自動車・土建用途における炭素繊維基材に関して、エアジェット織機による高速製織技術および自動検査技術を確立し、該技術を使用した炭素繊維機材の実用化の目処を得た。
・しかしながら、市場環境の変化により、現時点で事業化の見通しは立っていない。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
製織速度・生産効率が向上、量産が可能に
・高性能・高度製織技術の開発により、一方向炭素繊維織物のたて糸の毛羽立ち発生を抑制しつつ、よこ糸の挿入が安定し、製織速度がアップした(現行対比3倍以上)
・また、製織幅拡大(従来対比2倍)による生産効率化を実現した
自動検査技術の開発により、材料コストを低減、エネルギー効率化も実現
・RTM基材の自動欠点検査技術を開発、検査可能な装置を導入したところ、現在100m巻き織物で2時間かかっていた検査時間を1時間以下へ達成することができ、エネルギーの効率化や材料コストの低減が図られることが判明した
・更には、粒子量測定や目隙・目曲がり測定においても、効率的に測定できるようになった
今後の実用化・事業化の見通し
・本事業によって開発した高性能製織技術で製造した構造部材用炭素繊維織物について、市場環境の変化により、現時点で事業化の見通しは立っていない。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 創和テキスタイル株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人中部科学技術センター |
研究等実施機関 | 東レ株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 創和テキスタイル株式会社(法人番号:6220001016042) |
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事業内容 | 繊維工業 |
社員数 | 210 名 |
本社所在地 | 〒925-0623 石川県羽咋市本江町ヌ部8番地 |
ホームページ | http://www.sowatextile.jp |
連絡先窓口 | CF部門 CF生産部 |
電話番号 | 0767-23-4884 |
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