精密加工
液晶パネルや太陽電池パネルからのレアメタル、貴重金属の効率的な回収を可能にするリサイクル技術を確立
神奈川県
株式会社エスアンドデイ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 液晶、太陽電池パネルの再利用に対応した、新しいレーザー切削加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、化学品製造 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
液晶、太陽電池パネルからレアメタルや有害物質を切削除去・回収する技術において、従来の切削刃を用いる切削・粉砕・回収工程に変わり、レーザー加工技術を用いて除去・回収を低コストで効率良く行う技術を開発する。新たなレーザー切削加工技術の確立により、レアメタルのより円滑な回収、再利用を促進するとともに環境負荷の低減を実現する
開発した技術のポイント
液晶パネルや太陽電池パネル等に含まれている貴重金属や有害物質などの資源を低コスト、低環境負荷で効率良く分離・回収する技術を開発する
(新技術)
レーザーを用いて金属膜を切削加工(剥離除去)する方法により、金属薄膜を基板から剥離させる
(新技術の特徴)
・設備費、ランニングコストが大幅に下がり、大幅に設置スペースが小さく、又電力も少なくてすむ
・資源の回収、リサイクルが低コストで実施できる
具体的な成果
・加工時間の短縮及び加工効率向上
‐レーザー加工装置の開発により、レーザー出力に比例する加工速度の向上(加工時間の短縮)を確認した
‐加工材料に適した加工性能の向上と加工条件の適正化により、条件最適化に関する基礎的手法を確立した
・様々な加工対象への適用検討
・レーザー切削加工部材の照射表面層の高精度分析・評価
‐レーザー走査顕微鏡評価や不純物分析評価、及びモデル化分析等を行い、高性能の加工機システムを構築するための切削加工された表面層、切削加工物の材質変化等を検証した
研究開発成果の利用シーン
・開発技術を活用したリサイクルサービス・リサイクルに必要なレーザー加工装置(製造・販売)・レアメタルもしくは貴重金属の回収・販売協力
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・今後、増加が予想される液晶フラットパネル関係の廃棄物からの希少金属、有害物の回収やパネルガラスの再利用にむけて、事業化に関して多くの課題が残っている
・ガラス基板、金属、有害物、それぞれターゲットとなる売り先が異なるので、将来的には個別の対応が必要になる
製品・サービスのPRポイント
・新たなリサイクル技術の提供により、貴重資源等の低コストでの回収と再利用が可能
‐省資源国日本のニーズに合わせ、省エネルギー・環境負荷低減の新しいレーザー技術を開発した
‐従来のリサイクル法に比較し、粉塵・騒音・廃液・有害物がなく、作業環境が改善される
‐ガラス基板もリサイクルが可能になる
・開発された技術の特徴
‐設置スペースが小さく、設備コストが低減
‐ユーティリティーは電気とDRYエアーのみ
‐ランニングコストは10分の1
‐消耗品は回収物用のフィルターのみ
‐剥離された膜は粉体で回収され再処理が容易
今後の実用化・事業化の見通し
・本格的実用化がなされると期待される有機EL照明、有機ELディスプレイについて、関係業界と具体的な話し合いを進め、一年以内に事業化を計るべく計画を進めている
‐特に、レーザー加工装置の実用機の開発は、個別ユーザーニーズに合わせた開発を行うために相応の開発資源が必要とされるため、大手企業と連携することを計画中である
・中長期的には、技術の継続的ブラシュアップ(基礎技術のブラッシュアップと、各応用対象における個別の技術的課題解決のための研究開発)、経営資源の確保、営業展開の3点からの取組みが必要であり、今後行う予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社エスアンドデイ |
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事業管理機関 | よこはまティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社エスアンドデイ |
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事業内容 | 液晶パネル、太陽電池パネル製造装置の製造販売 |
本社所在地 | 〒223-0057 神奈川県横浜市港北区新羽町925 |
ホームページ | http://sandd.jp/top |
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