精密加工
高強度アルミ合金の軽量化素材としての用途を拡大する熱処理高度化技術
静岡県
株式会社協栄製作所
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高強度アルミニウム合金のハイドロフォーミング技術高度化開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
二輪車・四輪車の軽量化ニーズに、溶接可能な高強度アルミ部材で達成させるため、7000系合金のハイドロ成形品で構成される車体部品を提供している。しかし、7000系アルミ合金は加工性が悪く、加工前焼鈍後にハイドロ成形し、その後T6熱処理するため、寸法安定性とコスト上の課題があった。そこで、ハイドロ成形とT6処理を一体化した工法を開発し、超高強度鋼の比強度を上回る500MPA級部材を寸法精度良く供給し、且、製造時CO2を30%以上削減する
開発した技術のポイント
工程におけるアルミニウム形状を安定化させ、生産リードタイム短縮を目指す
・最適なハイドロフォーミング成形条件の設定
ハイドロフォーミング成形拡管率:最大56%(現行A7N01TE-O材同等以上)、形状寸法精度、肉厚精度:現行7N01TE-O材同等以上
・T6相当の素材性能評価
引張り強さ:500MPa以上、溶接部引張り強さ:350MPa以上
・熱処理のインライン化
溶体化処理からハイドロフォーミング工程を連続して実施。総エネルギー量が、現行のバッチ熱処理よりも少なく、社外物流廃止と併せて製造時発生CO2を30%以上削減
(新技術)
<ハイドロフォーム成形とT6熱処理を一体工程とした工法>
・熱処理の外部委託を行わない社内一貫生産
(新技術の特徴)
・形状凍結性良好→強制不要
・焼鈍、溶体化削減→CO2減
・生産リードタイム短縮(5日以下)
・500MPa級引張強度
具体的な成果
・ハイドロフォーム成形シミュレーションの研究開発
‐ダメージ値が小さくなるように(今回の条件においては約0.3)成形条件を決定することによって、成形トライ数を大幅に削減でき、効率的に製品を製造できることを確認
・7N01系アルミ合金の新プロセスにおける熱処理条件とハイドロフォーミング性の研究開発
‐T6処理後の強度確保とハイドロ成形品の再結晶抑制の観点から、溶体化処理温度はT+30℃~T+40℃が最適であることを確認
‐熱処理とハイドロフォーム成形を連続して行うことに成功し、新プロセスの見通しが立った
・溶接可能な500MPa級アルミニウム合金の溶接性の研究開発
‐500MPa級アルミ合金の溶接品質は、従来材に比べて有意差はなく、従来材と同様の溶接が可能であることを確認
知財出願や広報活動等の状況
・論文:三田陽介「高強度Al-Zn-Mg合金の溶接継手の強度特性」第121回軽金属学会(H23.11)、新川真人「高強度アルミニウム合金の薄肉パイプのハイドロフォーミングとFEM解析による成形限界の研究」塑性加工連合講演会(H23.11)
・雑誌:プレス技術「高強度アルミニウム合金のハイドロフォーミング高度化技術開発」(2011vol49,No.7)
・特許:「疲労強度に優れたアルミニウム合金中空異形材およびその製造方法」(特願2011-33483)、「疲労強度に優れたアルミニウム合金中空異形材およびその製造方法ならびに自動二輪車用スイングアーム」(特願2011-33484)
研究開発成果の利用シーン
高張力鋼(ハイテン鋼)に代替する高強度アルミ合金。自動二輪車部品をはじめ、自動車の足回り部品、鉄道保線機材、福祉機材などへの活用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化成功を目指し、補完研究を展開中
・補完研究にてサンプル作製を計画中
製品・サービスのPRポイント
・高強度化:比強度でウルトラハイテン鋼を上回る、溶接可能な500MPa級の高強度アルミ合金
・低コスト化:熱処理と一体化したハイドロフォーミングの新プロセスによって生産性を高め、コストを削減
今後の実用化・事業化の見通し
軽量化の研究をさらに進めるとともに、成果を用いて事業化を目指す
・合金の薄肉化を追求し、従来比20%の軽量化を目標に取り組む
・成形性を改良した新合金を用いて、新プロセスでの事業化を目指す
・自動二輪車メーカーの開発スケジュールに合わせて試作サンプルを提供し、評価に合格すればH25年度から採用される予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社協栄製作所 |
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事業管理機関 | 株式会社協栄製作所 |
研究等実施機関 | ヤマハ発動機株式会社 住友軽金属工業株式会社 国立大学法人岐阜大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社協栄製作所 |
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事業内容 | 輸送用機器製造 |
本社所在地 | 〒435-0026 静岡県浜松市南区金折町1417-10 |
ホームページ | http://www.kyoei-seisaku.co.jp |
連絡先窓口 | 開発部部長 平口與志継 |
メールアドレス | hiraguchi_y@kyoei-seisaku.co.jp |
電話番号 | 053-425-2511 |
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