情報処理
色の品質管理を官能検査から定量的な評価へ 色高忠実カメラと色データベースが実現する作業効率とトレーサビリティの確保された品質管理
静岡県
ノブオ電子株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 忠実色再現手法による画像色管理システムの開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 情報通信、スマート家電、印刷・情報記録、光学機器 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
業務用のプロジェクタ及びインクジェットプリンタ製造企業では、投影面やポスターの色むらや色合いについての検査を、一度に1点しか計れない装置や官能検査で行っている。効率が悪く数字による管理が不十分であり、出荷製品のトレーサビリティも充分でない。そこで熟練技能者の代替となりかつ短納期・低コスト化に寄与する、色について人の同じ感度のカメラと色データベースを組み合わせた色管理測定装置を開発する
開発した技術のポイント
人の眼と同じ色感度を持つカメラ(色高忠実カメラ)と色データベースを組み合わせて画像による色管理システムを開発する
・色高忠実カメラ→視覚色域で平均色差1.0以下、ダイナミックレンジ60dB以上(画像合成時90dB以上)
・色再現性評価装置→視覚色域:70%以上、シェーディング測定精度±1以内
・自動色構成装置→校正時間15分以内
・色データベース→熟練者データの数値化と保存・検索機能の付加
(新技術)
色忠実カメラによる面計測
・数値で管理
(特長)
・人の目の感度で画像計測(正確な色情報)
・したがって数値による管理が可能
・検査データを画像としてデータベースに記録→トレーサビリティの確保
・熟練者の代替が可能→人件費の抑制、工程の短縮化が可能
具体的な成果
・色高忠実カメラの開発
‐色再現性では、視覚色域で平均色差1.0以下を達成
‐撮像装置としてのダイナミックレンジで68dB、画像合成により94.5dBを達成
・撮像装置評価装置と自動色構成装置の開発
‐撮像装置評価装置の電子色票である12色LEDカラージェネレータで、視覚色域の70%、シェーディング測定精度で±0.7%を達成
‐自動色構成装置で出力安定性±0.5%以内、出力再現性±0.3%以内を達成
・色データベースの開発、熟練技能の数値化
‐液晶ディスプレイの表示色で、熟練技能の数値化に成功し、色情報(a*b*頻度分布)で検索可能な色データベースを作成
知財出願や広報活動等の状況
出展:「画像センシング展」(H24.6)、「国際画像機器展」(H24.12)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H26年度の事業化を目指し、研究開発を継続中
・デモ希望客先には必要に応じて無償で試作機を提供
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→自動色校正の改良により、色度x, yを±0.005以内、測色再現性x, y±0.0015以内を実現
・管理能力向上→熟練技能者の数値化。検査対象として印刷された印画紙の色ムラ及び液晶ディスプレイの表示色、輝度、彩度、色相等の色管理等を可能に
・統合化→色高忠実カメラ、自動色校正、色データベースを画像色管理ソフトで統合運用することにより、熟練技能者と同様な色評価が可能に
今後の実用化・事業化の見通し
さらなる性能向上に努めるとともに、販売戦略では民間企業から大学・官公庁にシフト
・人間の視覚との対応性で従来技術との品質トレービリティによる差異と優位性の調査を継続中
・デモを行った企業の声に応え、迷光補正技術に取り組んでいる
・H24年5月から受注活動を開始したが、予定顧客(大手家電メーカー)が軒並み事業縮小にあり、大学及び公官庁の研究開発部門を主体にする販売戦略へと変更
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ノブオ電子株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人静岡大学 |
研究等実施機関 | 国立大学法人静岡大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ノブオ電子株式会社 |
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事業内容 | 色忠実再現システムの開発・販売、電子応用機器の開発・製造・販売 |
本社所在地 | 〒431-0102 静岡県浜松市西区雄踏町宇布見4004 |
ホームページ | http://www.nobuo.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 中村信夫 |
メールアドレス | bio_optroniks@nobuo.co.jp |
電話番号 | 053-592-9292 |
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