複合・新機能材料
精細なデザインを実現する次世代ニードルパンチ技術を開発し、布製品の付加価値を向上
山梨県
山崎織物株式会社
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代ニードルパンチ技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
繊維産業では、常に新たな素材が求められているが、新たな原料には限界があり、ファッション性を追求した新たな加工技術の確立による新素材開発が注目されている。現在の織物加工技術の一つであるニードルパンチ加工は、固定針で加工するため絵柄の自由度が極めて低い。本研究では特殊針を個々に上下させるためにジャカード機構を応用し、高感性な任意の絵柄を表現できる世界で初めての次世代ニードルパンチ加工装置を開発する
開発した技術のポイント
無地・ストライプだけでなく任意の絵柄を表現可能な新しいニードルパンチ技術を確立
・絵柄を表現するための工夫→特殊針を個々に上下させる機構を導入
・絵柄の精度の確保→1,000mm幅の布帛に対し、0.5mmピッチで2,000本の針をセット可能に
・メンテナンスのしやすさ維持→従来のニードルパンチ加工装置と同様、特殊針の交換作業が容易
(新技術)
・高密度で針が独立駆動するニードルパンチ加工機構
‐1,000mm幅の布地に対して0.5mmピッチで2,000本以上のニードルを配置。針が個々に駆動する機構を持ち、絵柄や写真の表現を行うことが可能
‐針交換が容易で、保守性が高い
‐さまざまな布地に適した加工条件を確立
具体的な成果
・高密度にニードルを配したパンチ加工機構を開発
‐電子ジャガード方式を応用して、ダイレクト駆動方式(耐久性が充分な糸を使用する前提で、構造を単純化)を採用
‐アルミ製のニードルパンチカセットで軽量化を図り、1,000mm幅に対して合計2,048本のニードルを配置
‐需要等に応じて更に640本の針を配置する拡張エリアを確保
・ニードルの交換を容易にする機構の導入
‐摩耗や折損の発生したユニットを特定して取り替えることを前提に、横16列×縦16列×8ユニットで2,048本のニードルを配することを設定
‐ニードルとブッシュが離れてしまうことが無いように、ブッシュ形状を改造
‐特定のユニットのみを取り外して、ニードルを交換後位置合わせピンにより取り付け、位置のずれがなく継続して加工ができることを確認
・適切な加工条件の探索
‐ニードル加工深さ、上下回転速度、布送り量、加工密度、加工する布の種類、リピート柄の加工といった様々な条件を試験し、最適な加工条件を検討
知財出願や広報活動等の状況
特許:「装飾的なニードルパンチ加工装置」(特願2011-283032)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・平成25年に実用化に成功、事業化間近
・サンプルは、依頼者との個別交渉の上で開示
製品・サービスのPRポイント
・新製法の実現→ファッション界は常に新素材、新加工技術を求めている。開発したデザインニードルパンチ技術は、織物加工において世界唯一の技術である
・複雑形状化→開発したデザインニードルパンチ技術を用いることにより、従来は難しかった、高感性の絵柄を表現することができる
今後の実用化・事業化の見通し
実用機の開発に向けて耐久テストを実施、課題を抽出しており、解決に向けてテストを継続中
・サポイン事業終了後は、定期的に会議を行い事業化に向けて補完研究を行っている。現在は、試作テストを終え、実用機開発に向け耐久テストを実施する他、川下企業にサンプルを提供し製品開発を行っている
・耐久テストで課題が確認されており、これを解決するためにテストを重ねているところである
・コレクションに使いたいと言うトップブランドもあるが、装置の誤動作がみられるため、現段階では量産は不可能であり保留にしている。事業化においては、耐久性、誤作動の解消ができれば、すぐにでも可能である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 山崎織物株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 富士吉田商工会議所 |
研究等実施機関 | 株式会社昭栄技研 山梨県織物整理株式会社 有限会社富士ウィーブ 山梨県産業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 山崎織物株式会社 |
---|---|
事業内容 | 服地・ネクタイ・ストール・雑貨地の製造販売 |
本社所在地 | 〒403-0022 山梨県南都留郡西桂町小沼1697 |
ホームページ | http://yamazaki-fabric.com |
連絡先窓口 | 代表取締役 山崎泰洋 |
メールアドレス | ym-tex@peach.ocn.ne.jp |
電話番号 | 0555-25-2010 |
研究開発された技術を探す