機械制御
低浸襲な外科手術を可能にする、動力伝達機能の高い手術用ロボットハンドの開発
栃木県
株式会社スズキプレシオン
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高効率伝達システムによる極小径先端外科手術ロボットハンド実用化の研究開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究は先端外科手術法である腹腔鏡及び単孔式内視鏡手術で使用される高機能極小径ロボットハンドの実用化・販売を目指し、歯車等微細要素部品切削加工の高精度化と、熱変形の少ない堅牢で確実な精密レーザー溶技術研究開発を行う。また、これらの要素技術を応用し、微小径で効率的な動力伝達方法の研究開発を行うものである
開発した技術のポイント
切削加工、溶接加工の高度化により、高精度かつ動力伝達機能の高いロボットハンドを開発
・精密切削加工技術高度化→動力伝達要素部品の加工精度5μm
・微細溶接技術高度化→溶け込み深さ500μm
・高強度・高機能動力伝達→屈曲角度:80°、回転角度:360°、把持力:200g
(新技術)
・切削加工
‐伝達要素部品が微小かつ高精度で、高い伝達能力を実現
・溶接加工
‐入射エネルギー等の条件を設定により、要素部品結合力を高め、高い伝達能力を実現
具体的な成果
・動力伝達機構の部品を作製・検証し、高精度化を達成
‐動力伝達機構を検討し、3Dモデリング化、設計を通じて伝達要素部品のサンプル加工を実施
‐加工精度を検証した結果、動力伝達機構部品の円寸法・円の中心寸法ともに誤差の平均は4μm以内となり、目標を達成
・動力伝達機構の組立てに必要な溶接の最適条件を確認
‐2枚のステンレス板材(0.8mm厚)に対して突合せ溶接を実施し、断面サンプルを作製した後、マイクロスコープで撮影し、寸法計測機能を用いて計測を実施
‐入射エネルギー、焦点位置を制御することで、溶接溶け込み深さ500μm以上の溶接が可能なことを実証
‐ピン穴付き平板を用いてレーザ溶接実験を行い、せん断試験を行うことにより、最適な溶接条件を確認
・高精度な回転、屈曲が可能な動作機構を実現
‐微細歯車等の部品の加工を実施し、具体的にロボットハンドの組み立てを実施し、360°回転、80°屈曲が可能な機構を完成
‐完成したロボットハンドを用いた動物実験により、実用に耐え得る把持力を有していることを確認
知財出願や広報活動等の状況
出展:MEDTECJAPAN(毎年4月)、MD&M:WEST(H24.2)など
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に実用化に成功、事業化間近
・サンプルなし
製品・サービスのPRポイント
・小型化・微細化→小径φ3mmのリユーザブル手術用デバイスとして、より「低浸襲」な外科手術が可能に
・強度・剛性向上→微細部品をアセンブリするためのレーザ溶接技術が確立され、0.3mm厚ステンレス鋼板への溶接でも、せん断強度160Nが確保可能
・低コスト化→ドクターをアドバイザーとした自社開発と自社技術を駆使した自社生産によりコストハーフを実現、手術用デバイスを医療機関へ安価で提供可能
今後の実用化・事業化の見通し
商品化に向けた新たなデバイスを開発中、H25年度商品化の見通し
・川下企業からの共同開発の引き合いがあり、現在商品化に向けての新たなデバイスの開発を共同で実施中
・川下企業との共同開発案件はH25年度には商品化できる見通し
・川下企業とのパートナーシップにより、他の類似案件の開発・生産共に受託していく見通し
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社スズキプレシオン |
---|---|
事業管理機関 | 鹿沼商工会議所 |
研究等実施機関 | 株式会社橋本精機 栃木県産業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社スズキプレシオン |
---|---|
事業内容 | 医療機器設計・製造、産業用機器部品受託加工、その他金属製品 |
本社所在地 | 〒322-0251 栃木県鹿沼市野尻113-2 |
ホームページ | http://www.precion.co.jp |
連絡先窓口 | 製造部 ゼネラルマネージャー 小林栄 |
メールアドレス | s.kobayashi@s-precion.com |
電話番号 | 0289-65-6001 |
研究開発された技術を探す