機械制御
静音・長寿命・高追従性を実現するCPAP用ブロア・システムの開発
滋賀県
草津電機株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 睡眠時無呼吸症候群治療用持続的気道陽圧ユニット(CPAP)の静音・長寿命・高追従性を実現するブロア・システムの研究開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(操作性・ホスピタリティの向上) |
キーワード | CPAP、ブロア・モータ、静音化処理、快音化処理、 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
持続的気道陽圧ユニット(CPAP)には、更なる静音化、長寿命化、高追従性に対するニーズがあり、殆どが海外製である。静音化技術等の開発やこれまでのモータ技術を活かしてCPAPに最適な国内製ブロア・システムを開発・事業化することで、それらの課題を解決させると共に新規に医療機器産業に進出する。
開発した技術のポイント
・静音化・快音化課題への対応
-CPAP装置から漏れるブロアによる騒音に対して、PNC手法とANC手法の消音機構を作成し騒音値低減
-騒音の不快感低減を、臨界帯域のみマスキングする手法と騒音のピーク成分を和音の1音として活用する協和音手法の研究を実施
・CPAP装置の長寿命化
-ブロアの寿命に対して支配的な軸受に流体動圧軸受けを選定し、軸受けと回転するシャフトの間に十分な油膜が形成されることを確認
・ブロア回転数の指令値に対する高追従性
-小イナーシャの回転子部を作成するため、材質をABS樹脂材を使用することと、軸受けを固定子部に設けることで、軽量化を実現
-トルク/電流比の高いステータ構造を検討するため、スロット付ステータとスロットレスステータを試作し比較評価
具体的な成果
・静音化:
CPAP本体より距離1mで17.5dBを実現(目標値20dB以下)
・快音化:
2種類の快音化手法に取組み、効果を確認
・長寿命化
ブロアの寿命に対して支配的な影響を持つ軸受けにおいて、シャフトと動圧軸受けの物理的接触を回避する油膜の形成率100%を確認
ブロアの連続運転寿命2万時間については継続評価中
・高追従性
競合製品に比べて30%の小イナーシャ化を実現(目標値20%)
スロット付きステータ仕様において、スロットレスステータ仕様に比べて同じ電流におけるトルクが15%大きく得られることを確認。
研究開発成果の利用シーン
開発したブロアシステムを搭載したCPAPにより、無呼吸症候群に苦しむ患者がより快適に装置を利用できること、また装置の製品寿命が医療機器としての信頼性の向上に寄与する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
耐久評価や製品化を見据えた金型製作以外の技術開発は完了。唯一、目標値を実現出来ていない寿命時間20,000時間を確認した後に、川下企業が試作品を評価。事業化展開に向けた合理化設計、設備投資などの取り組みを行う。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・騒音の低減→利用者・同居者の不快感低減
・流体動圧軸受けを採用したことによる長寿命化(実機試験継続中)→製品信頼性の向上
・他社に比べ30%の小イナーシャ化と、発生トルク増大によるブロアの高追従性→ブロアの小型化、使用感の向上
今後の実用化・事業化の見通し
・完了していない要求寿命20,000時間達成の確認試験を継続
・製品化を見据えた部品加工金型の製作
・製作した金型で作製したブロアで最終的な寿命評価
・試作品を川下企業へ提出し、事業化展開に向けた取り組みを行う
実用化・事業化にあたっての課題
・川下産業の要求寿命20,000時間に対して、報告書作成時点で1,500時間しか経過していないため、継続して寿命評価確認が必要。
・製品化を見据えた部品加工金型を作製し、その金型で作成したブロアで最終的な寿命評価を実施
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 草津電機株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ |
研究等実施機関 | 草津電機株式会社 技術部 ケーピーエス工業株式会社 技術部 滋賀県工業技術総合センター 電子システム係 |
アドバイザー | 立命館大学教授 音情報処理の専門家 医療機器メーカー技術統括者 元大手家電メーカー研究所 開発者 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 草津電機株式会社(法人番号:5160001012783) |
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事業内容 | 小型モータ・ポンプの製造販売 |
社員数 | 132 名 |
生産拠点 | 本社工場(滋賀県)、栃木工場(栃木県) |
本社所在地 | 〒525-0033 滋賀県草津市東草津二丁目3番38号 |
ホームページ | http://www.kusatsu.jp/ |
連絡先窓口 | 草津電機株式会社 執行役員 下村徹 |
メールアドレス | t-shimomura@kusatsu.co.jp |
電話番号 | 077-563-5115 |
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