接合・実装
マイクロバブルの洗浄力で、半導体製造工程の酸・アルカリを大幅カット、環境に優しいプロセスを実現
茨城県
瀬戸技研工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マイクロナノバブルによる環境対応型半導体ウエハ洗浄装置の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、電池、工作機械、光学機器 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
先端LSI製造プロセスではナノレベル微細加工が要求されており、微細汚染物が品質及び歩留りに大きな影響を及ぼしている。このため洗浄工程では多量の酸、アルカリや有機溶剤が使用されているが、環境負荷が大きく、排液処理が重要な問題となっている。そこで、マイクロ・ナノバブルの酸化力と洗浄力を活用して、薬剤を使用しない、もしくは微量に抑えた洗浄技術を確立し、環境対応型洗浄装置の開発と企業化を実現する
開発した技術のポイント
マイクロ・ナノサイズの微小気泡を用いた環境対応型の半導体ウエハ洗浄装置の開発と事業化を実現する
(新技術)
マイクロ・ナノサイズの微小気泡を用いた超純水ベースの洗浄装置を導入する
(新技術の特徴)
多量の酸・アルカリ、有機溶剤が不要、もしくは少量ながら新たな機能を付加できる洗浄工程が実現する
具体的な成果
・マイクロバブル発生ユニット装置の開発
‐半導体分野向けとして、量産可能で、水温変化にも対応できるノズルの開発に成功した
・マイクロバブルによるウエハ洗浄技術の開発
‐実証試験により、高ドーズなどの難洗浄性ウエハを超純水ベースで洗浄できた
・マイクロバブル洗浄装置の開発
‐試作洗浄装置により、実使用条件に近い状態での洗浄試験を行った
研究開発成果の利用シーン
・半導体製造工程で利用できるマイクロバブル発生装置
・マイクロバブル発生装置を装備した環境対応型枚様式洗浄装置
・半導体関連治具や各種電子部品の洗浄
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・半導体製造工程で利用できるマイクロバブル発生装置の開発に成功した
・製造現場に近い環境下での条件について検討し、十分な洗浄能力を達成した
・今回開発したマイクロバブル発生ユニットを装備した環境対応型枚様式洗浄装置を製作し、レジスト等の除去能力を確認した
製品・サービスのPRポイント
・マイクロバブルで半導体製造の洗浄工程をスリム化、環境にも優しく、コスト削減を実現
‐超純水中にオゾンのマイクロバブルを導入することでフォトレジストの洗浄に成功した
‐従来の硫酸過水などの薬液を利用しないため、生産コストの削減や環境に優しいプロセスが可能となった
・薬液との併用も可能、洗浄効率を向上
‐薬液中に空気のマイクロバブルを導入することで薬液自体が持っている効果を大幅に高めることにも成功した
‐これにより洗浄効率が上がると共に薬液自体の削減にも有効である
・高ドーズインプラントなどの難洗浄対象物を湿式処理のみにより洗浄、市場を拡大
‐高ドーズイオンインプラント処理後のフォトレジストやポリシリカエッチング後の変質レジストなどを超純水ベースのオゾンマイクロバブルのみで処理することに成功した
今後の実用化・事業化の見通し
・当初は環境に優しい洗浄技術として、フォトレジストの除去に利用されている硫酸過水の一部を代替することを目的として開発をスタートしたが、技術開発を進めることでこれら薬液単独では難しいとされた高ドーズイオンインプラント処理後のウエハなども洗浄できることが明らかになった
・また、洗浄速度に関しても優れた結果を得ており、ポリシリカエッチング後のウエハについて従来は5分以上かかっていた洗浄時間を2分程度で処理することが可能なった
・薬液に頼らないため非常にクリーンな仕上がりとなることから半導体の微細化にも対応可能な技術である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 瀬戸技研工業株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社ひたちなかテクノセンター |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 茨城県産業技術イノベーションセンター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 瀬戸技研工業株式会社 |
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本社所在地 | 茨城県稲敷郡阿見町星の里13番1 |
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