複合・新機能材料
高効率化・高機能化が望める有機ハイブリッド結晶を活用した有機ハイブリッドELの開発に成功!
岩手県
有限会社エフアンドディ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 有機ハイブリッドELを活用した自動車用次世代照明シートの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 自動車、スマート家電、光学機器 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車用照明として、重金属を含んだウェッジ球からより長寿命なLEDが主流になっており、近年では薄膜・軽量を特徴とした有機EL照明の開発が進んでいる。しかし、レアメタルの使用低減や可撓性や耐熱性の確保・発光効率の向上等による高効率化・高機能化が求められている。本研究開発では、ホストとして無機材料-ゲストとして有機材料を最適に組合せ、更に酸化亜鉛を活用し、有害金属を排除した高機能・高効率の自動車用“有機ハイブリッドEL”照明シートの実用化研究を行う。
開発した技術のポイント
レアメタルの使用低減や可撓性、耐熱性、耐候性の確保・発光効率の向上等による高効率化・高機能化が望める有機ハイブリッド結晶を活用した有機ハイブリッドELの開発を行う
(新技術)
・単色ではあるが、極めてシンプルな電極/発光層/電極構造をもつ構成を開発する
・塗布方法による簡単な製造方法を開発する
(新技術の特徴)
・インジウムフリーが可能となる
・柔軟性があり、衝撃、振動に強い発光体である
具体的な成果
・塗布条件の最適化に関する研究の実施
‐単層成膜速度10~50mm/sと凝集しない架橋プログラム形成と成膜速度にあわせた有機ハイブリッド結晶、ZnOナノ粒子生産量が向上した
・隣接層間の電子・ホール移動最適化に関する研究の実施
‐量子効率が良い条件がDC12V以下、隣接層間の電子、ホール移動障壁、界面欠損の除去、インジウム使用率0%を達成した
・有機ハイブリッドEL発光性能、機械強度特性、フィールド耐久特性に関する研究の実施
‐発光性能:輝度:1,156cd/m2、外部量子効率11%、半減発光寿命:5.2万時間、照明色:青赤を達成した
‐機械強度特性:組み込み時に必要な可撓性(フレキシブル性)屈曲半径100mm、加速度5G耐久を達成した
‐フィールド耐久特性:耐環境温度-40~130℃を達成した
研究開発成果の利用シーン
イベント用イルミネーション、暗所で足元や手すりを淡く照らす補助照明、スイッチなどの位置を案内する表示灯、自動車屋内用表示灯(初心者マーク発光や後付する足元やドアコック位置などを案内する薄型表示灯)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
安全な使用条件を外した場合の耐久性低下が考えられるため、耐久性の更なる向上が必要であり、そのための補完研究を行い、事業化へ向けた改良を進めていく予定である
製品・サービスのPRポイント
・従来の面状発光体よりも安価
‐塗装による簡単な製造方法により、製造コストが大幅に圧縮でき、従来の面状発光体よりも安価に提供できる予定である
・電池駆動が可能であるとともに、電源とELの一体化により後付け製品にも使用可能となり、多種の商品に活用可能
‐制御電源の小型化によって、電池駆動が可能であるとともに、電源をELと一体化することで後付けする製品に使用できる
・ガラス基材の硬いEL以外にも、PETフィルム基材のELも提供可能であり、多様な活用が可能
‐ガラス基材を使用した硬いELのほか、PETフィルム基材を使用した衝撃に強い軟らかなELを提供できる予定
今後の実用化・事業化の見通し
・有機ハイブリッドELは改良点を残しているが、多くの方々に多くの用途に使用頂ける可能性を持った製品になる展開を進めている
・ELサンプルの供給とサンプル販売から具体的な製品の共同開発、独自開発を進める
・大型や特殊な条件で本プロジェクト関連企業だけでは対応できない場合など条件によってはライセンス供与することも検討する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ニュートン |
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事業管理機関 | 公益財団法人いわて産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岩手大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社エフアンドディ |
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本社所在地 | 岩手県八幡平市大更2-154-17 |
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