立体造形
部品点数の削減、設計・組立コストを低減!ELシートの3次元一体成形によるキー操作パネル
北海道
株式会社セコニック電子函館事業所
2020年3月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 3D-EL;無機ELシートの3次元一体成形による操作パネルの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、情報通信、スマート家電 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
情報家電等の操作パネルは、部品点数低減、設計・組立コストの低減、省電力化、薄型化、新しいデザイン、ユーザビリティ向上などが求められている。本事業では、ELシートの構造などを検討して成形性を高めながら、3次元一体成形に適した金型形状・クリアランスなどの金型設計技術、加熱・冷却システム等を備えた成形装置と成形条件を見出し、さらに品質保証できる検査技術を確立し、3D-ELの量産化を目指す
開発した技術のポイント
キー操作パネルとELシートを一体成形する3D-ELの開発、量産化
・インサート成形→押圧で変形、損傷しない剛性、30万回程度の打鍵耐久性
・電極端子の確立→温度衝撃試験:-40℃・30分~+85℃・30分:100回
・100枚以上の量産化→成形時間:3分以下、信頼性:60℃、90%RH×240Hr
(新技術)
【新技術】
<操作パネル/EL一体成形品>
特徴
・照光部品不要、組立、設計のコスト小
・軽量、薄型化が可能
・均一発光で、目に優しい
・照光が容易でデザイン性が高い
・省電力で均一発光、環境に優しい
具体的な成果
・インサート成形型を設計・製作し、実用性を検証
‐3D-EL成形装置及び周辺機器の仕様、金型機構と最低限必要な設計の基礎を見出した
‐インサート成形型を設計・製作し、射出成形装置と組み合わせて、3D-ELのインサート成形品を試作
‐結果、ソリや発光欠陥等の品位問題はあるが、インサート成形に耐え、異常無く点灯、張出し成型品と同等の信頼性を満足していることを確認
・電源回路を実装した3D-ELの最終製品形態を試作、信頼性を確認
‐実際の製品をイメージして、3D-ELを成型した凹部に電極端子部で接続して電源回路を実装
‐モールド樹脂で固定し一体化した電源回路を実装した3D-ELの最終製品形態を試作、信頼性検証
‐結果、高温高湿点灯試験、温度衝撃試験で点灯することを確認し、電極端子の接続信頼性を確認
・量産検証の結果、成形不良が無いことを確認
‐量産検証で100個製造した結果、成形不良は無く、既存品と同等の歩留まりとなった
‐一方、成形タクトについては、成形加熱冷却時間は3分未満でも、成形製品を金型に脱着する時間が1分26秒程かかり、目標の成形時間3分以下に至らなかった
・量産検証品の高温高湿点灯試験結果
~量産検証品の高温高湿点灯試験の結果、輝度減少の試験時間依存性は、「多面張出しインサート成形品の信頼性確認」の高温高湿点灯試験で評価した結果と同等で、量産検証品の信頼性、品質は確保されていることを確認~
知財出願や広報活動等の状況
雑誌:日刊工業新聞社型技術「無機ELシートの3次元成形(3D-EL)に関する研究開発」(H23.10)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化に向け、補完研究を継続
・3D-EL操作パネルSW成形品(電源一体型)のサンプルあり(無償)
・3D-EL成型用印刷シート(成型前品)のサンプルあり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・複雑形状化→LED照明に実現が難しい、均一照光デザインが可能
・省スペース化→従来は照光が難しかった狭い部分に組み込まれている、成型品と一体化して、均一照光を実現
今後の実用化・事業化の見通し
H27年度の事業化に向け、共同研究を実施
・川下企業に試作品を提供し、量産化に向けた研究を継続。また、3D-EL構成材料の一部が生産中止になり、同等材料品を選定、成型性の向上を研究
・成形メーカの協力の元、真空成型方式について、コスト、成型限界、精度を確認。また、成形性と塗膜物性の相関条件を研究し、塗膜の成形性向上を目指す
・部品メーカからの引き合いもあり、共同研究という形でH26年度の商品化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社函館セコニック |
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事業管理機関 | 公益財団法人函館地域産業振興財団 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 公益財団法人函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社セコニック電子函館事業所 |
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事業内容 | 無機EL及びその周辺機器の開発、設計、製造、販売 |
本社所在地 | 〒042-0958 北海道函館市鈴蘭丘町3-91 |
ホームページ | http://www.h-sekonic.co.jp |
連絡先窓口 | 製造部部長 山田俊一 |
メールアドレス | shunichi.yamada@sekonic.co.jp |
電話番号 | 0138-32-3434 |
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