文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 新しい整経システムの開発により、小ロットに対応し、作業時間の大幅な削減を実現

複合・新機能材料

新しい整経システムの開発により、小ロットに対応し、作業時間の大幅な削減を実現

兵庫県

株式会社片山商店

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高生産性・短納期対応・廃棄物削減を目指した整経システムの開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護、自動車
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成21年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車内装材・衣料・生活資材分野から、少量・低コスト・短納期とともにデザイン性に富み環境に配慮した織物供給が求められている。織物製造現場では、手間のかかる整経工程がネックになり、熟練者の高齢化と後継者不足も深刻である。従来、連動していない整経準備工程と整経工程との連動システムを開発するすることで、整経工程を未熟練者でも作業時間が従来の1/10・納期1/3・廃棄物90%以上削減を目指す

開発した技術のポイント

整経工程の作業時間を大幅に削減するとともに、小規模生産時に大量に生じる廃棄物を削減
・縞割工程の作業指示書から巻糸用のデータを作成する工程を自動化:従来は熟練オペレーター2名で16時間の作業→1名で1.6時間の作業に短時間化
・整経クリールへの糸装着を自動化→作業を効率化し、取り違えミスを排除
(新技術)
<自動化された整経工程>
・縦割り工程:デザインから現場指図書並びに小割工程、整経工程へもデータ送信
・自動小割工程:糸を経糸パターンに合わせて繋ぎ数十個の巻糸を自動作成。バンド間に通常繊維とフィラメント加工糸とを繋ぎセンサーの役割
・クリールへの巻糸供給:従来の1/10の供給で可能とし、Icタグ管理によりミスを防止。残す糸数を減らすことにより廃棄物を減少
・糸繋ぎ工程:従来の1/10の手間で可能
・整経:無人運転が可能

具体的な成果

・巻糸を個別に管理する技術を開発
-多くの部分が手作業であった整経加工を自動化するために、様々なソフトウェアを開発
-色糸数が給紙数の限界(18個)を超える場合に、クリールへの配置や供給する糸数等を自動計算できるようソフトウェアを開発
-従来熟練者が16~24時間かけて行っていた作業を、10分で行うことに成功
・クリールへの巻糸装着の自動化による、装着ミスの防止
-コーン(クリールにセットする巻糸、またはその糸を巻くユニット)をクリールに装着する際のミスを防止するため、巻糸にIcタグを装着し、個別の番号を付与
-クリール側の巻糸装着にセンサーを取り付け、Icタグと連携し、誤装着を防止
-巻取りコーンにIcタグを装着し、クリール装着時のミスをゼロに削減
・糸長を管理し、安定した整経を実現
-各種繊維の強伸度特性等を確認し、データベース化により、異なる番手、異なる染色された糸を繋いで整経する場合にも、糸の特性のばらつきや張力のばらつきの影響を低下させ、整経ロスの減少が可能

知財出願や広報活動等の状況

・論文:高生産性・短納期対応・廃棄物削減を目指した全自動部分整経システムの開発(日本繊維機械学会誌第65巻第9号:H24.9)
・出展:日本繊維機械学会春季大会(口頭発表、パネル展示:H24.6)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

H27年度の実用化に向けて補完研究中

製品・サービスのPRポイント

・多品種少量生産に対応→開発システムは、市場の少量・低コスト生産の要求に応えることを前提にしている
・ロス削減→少量多品種生産対応した上で残糸量を減らし、廃棄物90%削減できる
・納期・製作時間短縮→開発システムは、従来システム比で、作業時間1/10、納期1/3

今後の実用化・事業化の見通し

サポイン事業における積み残しを解決するとともに、更なる改善をめざして補完研究を実施。今後の事業化に向け、活用方法の検討・提案を実施
・サポイン事業において積み残した(あるいは改善の余地のある)実用適用に向けての最適化検討、高精度・ミス低減・適用範囲向上、ソフトウェアの適用性向上、装置間の連携確認、マニュアルの整備、事業化に向けた検証・評価のための補完研究を継続中である
・今後、事業化に向け、産地での活用方法を検討・提案を行っている

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社片山商店
事業管理機関 公益財団法人新産業創造研究機構
研究等実施機関 兵庫県立工業技術センター
株式会社丸萬
兵庫県立工業技術センター 繊維工業技術支援センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社片山商店
事業内容 繊維機械の開発、販売、メンテナンス
本社所在地 〒677-0015 兵庫県西脇市西脇1130-6
ホームページ http://www.katayama-s.co.jp
連絡先窓口 代表取締役 片山象三
メールアドレス katayama@katayama-s.co.jp
電話番号 0795-22-2613