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複合・新機能材料

「高硬度」「高屈折率」「帯電防止性」の3つの機能を併せ持つ表示装置用コーティング剤

兵庫県

ケーエスエム株式会社

2020年3月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 次世代表示装置用コーティング剤の新規開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 情報通信、スマート家電、印刷・情報記録
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化
キーワード 高屈折率化、高硬度化、帯電防止化
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

情報通信方式や機器の精度向上に伴い、テレビを初めとした薄型表示装置は再度急激な普及が広がっているが、液晶テレビ等の表示装置において「低電力化」、「低価格化」、「ダウンサイジング」が求められている。本研究では、この鍵技術の一つとして、従来の紫外線硬化型樹脂に代わる、高屈折率化、高硬度化、導電性等の複合機能を付与した新しい素材を創製し、次世代表示装置用コーティング剤を開発する

開発した技術のポイント

「高硬度+帯電防止性+高屈折率」の機能を付与したコーティング剤の開発
・鉛筆硬度従来:2~3H→3~4H
・電気抵抗率:1.60→1.62
・屈折率従来:10*10Ω
(新技術)
コーティング剤の多機能化による表示装置製造のコスト削減・ダウンサイジング

具体的な成果

・高屈折率性化合物を創製
-高屈折率、高硬度の両方の性質を示す高屈折率性化合物(OH005、OH008、OH004、Ga004、Ga024)を設計・創出
-合成化合物3種(OH005、OH008、OH004)について、屈折率及び熱安定性では市販品と同等の機能であり、硬度の点では改善が認められたが、設定目標値に達成できなかった
・有機無機ハイブリッド組成物を調整し、目標値達成
-今回新たに合成した高屈折率性化合(OH005,OH008,OH004)に重合性基含有アルコキシシランと金属酸化物を組み合わせ、高屈折率、高硬度、電気的抵抗性を示す複合素材を創出
-有機無機ハイブリッド組成物(MH021,MH023,MH024)を調製し、それらの特性評価を実施
-新たに合成した高屈折率化合物を有機無機ハイブリッド組成物にすることにより、屈折率、鉛筆硬度、表面抵抗値の目標値を達成

知財出願や広報活動等の状況

特許:「フルオレン化合物」(特願2010-095188)、「硬化性組成物」(特願2010-107442)

研究開発成果の利用シーン

紫外線硬化型コーティング剤を高機能化し、液晶テレビ等の表示装置に導入することで、ダウンサイジングを実現

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・顧客テーブル評価用コーティング剤のサンプルあり(無償)、顧客ラインテスト評価用コーティング剤のサンプルあり(有償)実用化に成功、    
・事業化に向け活動したが、顧客での採用に至っていない。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・耐久性・耐摩耗性向上:従来のコーティング剤(鉛筆硬度H)と比べ、3Hの硬さを持つ
・精度向上:従来のコーティング剤1.60と比べ、1.62以上の屈折率を持つ
・低コスト化:コーティング剤の多機能化による表示装置製造のコスト削減、ダウンサイジングを実現

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に向け、性能評価、改善研究を実施し、川下企業へ試作品を提供し、性能評価等を行った。しかし性能評価は適合したものの製品価格において採用に至らなかった。 コストダウンに向けて改善研究を実施中。

実用化・事業化にあたっての課題

主原料の価格が高価なため、安価な主原料の切り替えの改善研究を実施

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ケーエスエム株式会社 研究所
事業管理機関 国立大学法人大阪大学
研究等実施機関 国立大学法人大阪大学 大学院工学研究科応用化学専攻

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ケーエスエム株式会社(法人番号:7140001031445)
事業内容 接着剤、粘着剤、コーティング剤の基礎原料の開発、製造、委託製造管理及び販売
社員数 24 名
生産拠点 兵庫県神戸市中央区港島南町3-3-16
本社所在地 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町3-3-16
ホームページ http://www.k-s-m.co.jp
連絡先窓口 総務部工藤章
メールアドレス k-akyland@globe.ocn.ne.jp
電話番号 078-302-3838