機械制御
高齢者や患者の移動を安全・正確に誘導する電動アシスト型の台車
神奈川県
株式会社ミヨシ・ロジスティックス
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 人間共存空間における移動台車の高度安全誘導機構及びシステムの開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
介護施設や病院等の特定施設における移動台車(ロボット等)の制御・位置決めにおいては、同一空間に共存する人間等の安全確保が最も重要な課題であり、オペレータのスキルに左右されない操作性と低振動化等への対策が求められる。従来のアシスト台車技術等を活用し、さらなる安全性・信頼性の向上を図ることにより、障害者等にも操作可能な移動台車として、高度な安全誘導を実現する方向操舵機構及びシステムを開発する
開発した技術のポイント
目的とする場所まで安全・正確に誘導する電動アシスト型台車の開発
・信頼性が高く低振動・低騒音で安全に移動できる装置の開発
→安全に食材を運搬できる台車
・目的地に正しく導く制御アルゴリズムの開発
→従業員、患者・施設入居者が自らの力で操作可能
(新技術)
電動アシスト型台車
・指定された走行経路の方向操舵制御を行い、正しい走行経路を移動できる
・人の押す力が推進力となり、自走しないので安全
・危険な場所や停止しなければならない場所では、自動的にブレーキが作動し安全
・モードの切替で通常の手押し台車と自動方向操舵の台車とが変更でき、健常者と患者の使い分けが可能
具体的な成果
・安全誘導機構、低騒音の台車を開発
‐目的とする場所まで、使用者を安全かつ正確に誘導する食材運搬用の電動アシスト型台車を開発
‐車輪の操舵角の制御をモータによって行う安全誘導機構を開発
‐台車は3輪タイプ(1輪を操舵用)、ラジアルベアリングとスラストベアリングを併用する構造で滑らかな操舵を実現
‐樹脂型の車輪を採用し、走行時や旋回時の騒音を低減
・目的地まで安全に誘導する誘導システムを開発
‐「可能なかぎり操作者の意志に基づいて移動ができるシステム(従業員向け)」と「指定ルートのみ走行」の2つの操作モードを持つ操舵制御アルゴリズムを開発
‐期待する機能を開発し実機に搭載
‐台車に搭載し実証実験を行った結果、安全に指定された場所に台車を誘導できた
・振動評価、EMC評価、ともに問題なし
‐振動、EMCについて実システムを用いた評価を実施
‐機械的振動の評価の結果、移動時の振動は小さく、実用上問題がない
‐EMC評価(電磁ノイズの影響を受けない、発生しないかどうかの評価)の結果、問題なし
研究開発成果の利用シーン
介護老人ホーム等において、厨房から各階にある食堂までの食事運搬の負担を軽減し、目的地への移動を正確、安全に誘導できる電動アシスト台車
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化は停滞中・食事運搬車のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・省エネルギー化:介護施設等の職員の労力軽減
・精度向上:安全な誘導機構を持つので、職員が入所者に運搬を安心して託せる
・低コスト化:市価より安価な価格設定にできる可能性あり
今後の実用化・事業化の見通し
実用化に向け、引き続き研究を継続
・台車の2軸制御のハードウェア及びソフトウェアについては、今後も研究を継続
・川下企業からの要請に応じて、壁や天井等に設置されたランドマークによる誘導を可能とするための技術について研究中
・また、新しい企業参加を探している
・誘導が磁気テープ式から画像処理情報に基づく方式に変更になったことで、事業化の推進に時間を要している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ミヨシ・ロジスティックス |
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事業管理機関 | JFEテクノリサーチ株式会社 |
研究等実施機関 | 株式会社昭和電業社 JFEテクノリサーチ株式会社 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 職業能力開発総合大学校 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ミヨシ・ロジスティックス |
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事業内容 | 輸送用機械器具製造、製造業務請負 |
本社所在地 | 〒252-0254 神奈川県相模原市中央区下九沢58-1 |
ホームページ | http://www.miyoshi-log.co.jp |
連絡先窓口 | 社長室長 白石信人 |
メールアドレス | shiraishi_n@miyoshi-log.co.jp |
電話番号 | 042-779-6619 |
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