情報処理
赤外線を利用した画像処理技術を用いて、熱間鍛造加工品の品質検査の自動化を実現
岩手県
有限会社イグノス
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 熱間鍛造向けインライン赤外線画像処理検査装置の開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
熱間鍛造加工品(建築構造用鉄筋などの製品)の品質検査は、人的による抜き取り検査のため生産効率性、品質保証上様々な問題が生じている。この解決のため、成形直後の加工品がその高温状態に発生する赤外線を利用した画像処理と全数検査が可能となる画期的な検査装置を開発するものである。これにより熱間鍛造加工品市場においての高品質、短納期、また、自動検査システムでの低コスト化が図れるものである
開発した技術のポイント
3つのサブシステムから成るインライン全数検査システムを開発する
・デュアルPCシステム:2台の汎用PCが自己監視、相互監視・補完をし合う
→平均故障間隔(MTBF);30,000時間(汎用PCの倍)
・赤外線による外観検査システム:成形直後の高温の加工品から発生する赤外線を利用して形状を認識する
→リードタイム:2割短縮、管理費:2割減、製造直接人件費:半減
・大容量高速3次元撮影・画像処理システム:3次元計測用データ変換アルゴリズム、3次元差分画像処理アルゴリズムから成る
→3次元データ容量:1,620×1,220×1,220pixel(従来比16倍)、処理時間:測定から差分処理まで約1秒
(新技術)
インライン全数検査による生産システム
(特徴)
・リードタイムが短い
・製造コスト低減
・不良在庫リスクがなくなる
具体的な成果
・デュアルPCシステムの開発
‐ソフトウェア・ハードウェアによる監視・補完を機能ごとに分担し、動作させることができた
‐システムの信頼性につき、目標とする約24倍の向上が可能となった
・赤外線による外観検査システムの開発
‐カメラ、フィルターの最適化により、赤熱状態Tヘッド工法鉄筋の形状を画像として撮影する技術を確立した
‐インライン全数検査用システムとして精度保証をするために、今後さらに実験データを積み重ね、検証を行っていく
・大容量高速3次元撮影・画像処理システムの開発‐データ数を大幅に縮小化できる3次元データ変換アルゴリズムを開発した‐3次元空間上で3次元計測結果と登録済みテンプレート探索を行い、その差分を3次元体積量として高速に計算できる、新たな概念の3次元専用画像処理アルゴリズムを開発した
研究開発成果の利用シーン
・鋼材部品・機械部品を高速に全数検査する装置(最大1,000個/分)に用いられ、従来の2倍以上の選別速度を実現する・従来ノギス・マイクロメータで測定していた抜き取り検査を画像処理で行う検査装置に用いられ、検査時間1/10以下を実現する
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度の事業化に成功
・冷間鍛造品用 1)全数検査装置、2)抜き取り検査装置として売上実績あり
製品・サービスのPRポイント
・管理能力向上:1)全数検査装置は、選別と同時に抜き取り検査表を自動作成できる、2)抜き取り検査装置は、従来特殊治具が必要であったのを汎用治具で共通化できる
・納期短縮:1)全数検査装置は、選別速度従来比2倍(最大1,000個/分)を達成、2)抜き取り検査は、検査時間従来(個別測定)比1/10を達成
・低コスト化:1)全数検査装置は、従来の1/2コストを達成、2)抜き取り検査装置は今まで世の中に存在しない装置なので、従来比較できない
今後の実用化・事業化の見通し
販売活動を継続し、売上拡大を目指す
・売上実績あり
・引き続き販売活動を継続中(OEM販促用カタログ作成中)
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社北上オフィスプラザ |
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事業管理機関 | 株式会社北上オフィスプラザ |
研究等実施機関 | 有限会社イグノス 公立大学法人岩手県立大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社イグノス |
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事業内容 | 画像処理システム・ソフトウェアの販売および受託開発 |
本社所在地 | 〒024-0051 岩手県北上市相去町山田2-18北上オフィスプラザ212号 |
ホームページ | http://www.igunoss.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 大和田功 |
メールアドレス | igunoss@igunoss.co.jp |
電話番号 | 0197-67-6396 |
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