接合・実装
センサ用のチップサイズパッケージの小型化・高信頼化を実現し、自動車へのセンサ適用を推進
神奈川県
株式会社ザイキューブ
2020年4月9日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 三次元実装技術を使った車載用イメージセンサ用CSPの開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
車の安全性向上の対策として、複数のイメージセンサを搭載して運転手に死角エリアの情報をモニター上で提供することの重要性が高まってきている。このために、イメージセンサモジュールの小型化、低コスト化の強いニーズが出てきた。本研究は、三次元実装技術を使ったイメージセンサ用チップサイズパッケージ(CSP)をベースに耐湿性・耐温度ストレス性構造に改善し、車載用イメージセンサ仕様に合う小型・低コスト、高信頼性イメージセンサ用CSPの実現を目的とする
開発した技術のポイント
従来は困難であった、耐水性を有するCSPを実現・耐水性→温度60℃、相対湿度95%以上、放置時間500時間の耐湿性試験に耐える
・二次接続部の信頼性→-55℃、室温、125℃の条件下で、1,000サイクルで半田クラックによる導通不良なし
・車載用半導体の評価方法をベースにした耐湿性試験、耐マイグレーション試験、温度サイクル試験に合格
(新技術)
新開発するCSP
従来技術の特徴を生かしつつ、課題を解決し高信頼化
・新たな特徴
‐耐湿性が高い
‐耐温度ストレス性が高い
‐従来技術と同程度の製造コストで製造が可能
具体的な成果
・耐湿性を確保するための気密封止技術を開発
‐市販の車載用センサに対する耐湿性試験では、リークが生じてしまい、特に回路基板からのリークが大きい
‐シールリングの無い場合、3/5でリークが発生、またPCT試験では5サンプルすべてで水滴は発生
‐カバーガラスとセンサLSIの接着に使われる有機系の接着剤、若しくは接着フィルムを覆うように導電膜でシールリングを形成することにより、機密封止構造を実現
・高信頼性接続技術の開発
‐従来構造ではバンプとLSIの間には配線と無機絶縁膜しかないため、ストレスがバンプに直接加わり、温度サイクル試験で破断してしまう
‐対策として、バンプ/配線と無機絶縁膜の間にストレス緩和剤を挿入。ストレス緩和層の構造については複数を試作し評価
‐CSPチップ単体での特性を測定するため、着脱可能なICソケットを試作し、接続抵抗評価を実施
‐CSPチップの消費電力約100mAより、電圧降下は約5mVに留まり、問題ないレベルであることを確認
‐実装による半田接合の平均寿命は1,000サイクル程度、また応力緩和層にあるものはその数倍になるものと見込まれ、充分なスペックとなる
・高品質の加工を実現する装置の開発
‐貼り合わせ装置を導入したが、ガラスとウエハを貼り合わせた後、ウェーハエッジ部での欠けやプロセス中にチップ飛びが発生
‐ステージの平面度を常温で研磨した場合、貼り合わせ温度でステージに凹凸が生じることが判明したため、貼り合わせ温度条件下で研磨ができるよう装置を改造
‐改造した装置を使用することにより、ウエハ全面をムラなく貼り合わせることに成功
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H26年度の実用化に向けて補完研究中
・実物での検証評価を実施中。検証評価を経て、サンプル提供が可能になる見込み
製品・サービスのPRポイント
・小型化→CSPの小型化に成功
・その他→CSPの小型化により、デザイン性を向上させることが可能
今後の実用化・事業化の見通し
耐久性を向上させる補完研究を実施中。量産品への導入を目指して活動を進める
・評価完了次第、H25年4月より量産する製品の次世代センサとして川下メーカへのプレゼンを継続実施中
・サポイン事業では未実施の耐久性改良策の試作を実施しており、H25年1月より川下メーカへ評価を依頼予定
・H24年9月より補完研究を実施しており、この成果を踏まえて実用化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ザイキューブ |
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事業管理機関 | よこはまティーエルオー株式会社 ジェコー株式会社 |
研究等実施機関 | ジェコー株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ザイキューブ |
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事業内容 | 半導体素子の研究・開発・製造他 |
本社所在地 | 〒226-0026 神奈川県横浜市緑区長津田町4259-3 東工大横浜ベンチャープラザ E109 |
ホームページ | http://www.zy-cube.com |
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