立体造形
軽量かつ吸音性能を持ちながら必要な部分に強度を持たせる発泡樹脂ハイブリッド成形品の開発
岐阜県
DAISEN株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 発泡樹脂にかかるポーラス成形技術の確立 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、スマート家電、建築物・構造物、エレクトロニクス |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成20年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車産業では、燃費向上の為の軽量化とともに衝突時の安全性や車内快適性のニーズも高い。これらの課題に対応するため、発泡樹脂の特徴を生かして「車体の軽量化」と「高い耐衝撃性の維持」を図りつつ、「遮音・吸音機能による車内の快適性」を発揮出来るハイブリッド(ソリッド・ポーラス)成形体を世界で初めて開発する。また、これを実現するため、金型の設計及び、高速多軸加工技術の高度化を図るものである
開発した技術のポイント
「軽量化」と「耐衝撃性」、「快適性」を発揮できる世界初の発泡樹脂ハイブリッド成形体を開発
・同一金型内で温度を部分制御し、空隙率25%程度のポーラスと0%のソリッドを、同時に成形
・部分的に異なる温度制御を可能にするため、スチーム及び冷却エアを局所的かつ同時に流すキリ穴を適正に配置したハイブリッド成形金型を開発
(新技術)
<ソリッド&ポーラスのハイブリッドで強度向上>
・温度制御技術
・通気度計測技術
・金型設計技術
・金型加工技術の高度化
の4技術でハイブリッド性携帯の安定形成を確立
(新技術の特徴)
・ピーク吸音率60%以上確保
・従来のソリッド性携帯と同等の圧縮強度
・ウレタン成型体と比較して80%以上の軽量化
具体的な成果
・ポーラス部分のインプロセス制御方法によるハイブリッド成形技術の開発に成功
‐試作成形品(400×350×20mm)において製品寸法差が1.5mm以内、通気抵抗値バラつきが±0.4kPa・s/m以内、加熱条件の設定により通気抵抗値を任意に設定可能
‐ソリッド部分のインプロセス条件、評価方法の確立が今後の課題
・複雑3次元形状ハイブリッド用金型の製造技術の開発
‐自動車用部品を想定した複雑3次元形状のハイブリッド用金型を試作し、成形に成功
‐金型を昇温促進させる構造によって、金型薄肉化50%を達成
・成形体の吸音・強度性能評価技術の開発
・ハイブリッド成形イメージ
~発泡樹脂は加熱時間が長いとソリッド構造となり、冷却すると空隙率の高いポーラス構造となることから、ハイブリッド成形方法は上記工程を1成形サイクル中に行うことで、ポーラスとソリッド部位を混在させる~
知財出願や広報活動等の状況
・論文:「機能性材料を用いた音響特性チューニング手法の開発」(H23年春季音響学会)
・出展:中部ものづくり基盤技術展(H23.11)、新技術・新工法展示商談会(H24.2)
研究開発成果の利用シーン
自動車用の嵩上げ部材、下肢部衝撃吸収材、側突衝撃吸収材等に用いられ、ピーク吸音率が60%以上あり、従来吸音性能を有する部材と比較して20%の軽量化を実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度中の事業化を目指す
・試作サンプルの提供可能(要相談)
製品・サービスのPRポイント
・吸音性能:汎用原料を用いて専用機械、金型による成形方法でピーク吸音率60%以上の吸音性能と従来品と同等の部分強度を併せ持つ
・軽量化:従来150kg/m3の材料を嵩上げ部材として用いていたが、発泡樹脂にすることで80%以上の軽量化(30kg/m3)を実現
・強度・剛性向上:ポーラス成形体のみではカバーできなかった強度をハイブリッド成形することで、従来の無通気品と同等の強度を実現
今後の実用化・事業化の見通し
H24年度の事業化を目指し、
顧客の求める品質実現に向け補完研究中
・事業化に向けた専用金型等の耐久性能等を検証中。顧客と密な打合せ、試作等を行い、より事業化に近い視点での補完研究を継続
・現在、試作品を作製納品し顧客が試験を実施している。異なる形状の製品ごとの評価方法を継続研究中
・H24年度の事業化を目指している。顧客の求める品質体制をクリアすることで販路拡大を狙う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | DAISEN株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県研究開発財団 |
研究等実施機関 | 学校法人中央大学 岐阜県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | DAISEN株式会社 |
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事業内容 | 発泡樹脂における成形機械、金型、成形加工品の製造販売 |
本社所在地 | 〒508-0014 岐阜県中津川市駒場町2番25号 |
ホームページ | Http://www.daisen-inc.co.jp |
連絡先窓口 | 開発室 楯泰貴 |
メールアドレス | tate@daisen-inc.co.jp |
電話番号 | 0573-66-0555 |
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