文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 熱伝導性フィラーの改良による高熱伝導性であり同時に高耐熱性を有する新しい放熱材料

立体造形

熱伝導性フィラーの改良による高熱伝導性であり同時に高耐熱性を有する新しい放熱材料

佐賀県

株式会社PAT

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 熱可塑性フッ素樹脂に熱伝導性フィラーを高密度・高充填したパワーエレクトロニクス機器用高耐熱性放熱シートの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、情報通信、半導体
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮
キーワード 耐熱性、放熱、フッ素樹脂
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

車載機器等のパワーエレクトロニクス化進展に伴い増大する発生熱に対処する為、高熱伝導性に加え高耐熱性を有する放熱シートを開発する。その構成母材であるポリマーを従来のシリコーン系からフッ素樹脂へと置き換える技術開発により高耐熱性を獲得する。このため連携体保有の粉体表面改質技術をベースとし、フッ素樹脂に対する熱伝導性フィラーの分散、充填、結合等の成形技術の高度化を図り、更に拡大サイズ製作技術を確立する。

開発した技術のポイント

高耐熱性を有する熱可塑性フッ素樹脂のディスパージョンと混合してシート状に粗成形し、乾燥後、熱圧着法により高熱伝導性及び高耐熱性を有する新規な放熱シートを作成

(新技術)
高耐熱性を有する熱可塑性フッ素樹脂による放熱シート

(新技術の特徴)
パワーエレトロニクスの実用化による発熱量増大による温度上昇に対応する高熱伝導性及び高耐熱性

具体的な成果

・熱伝導率の目標値5W/m・Kに対し、実績最高値では4W/m・Kに到達したが、当該試料はフィラー充填率が高過ぎて強度、柔軟性が劣るためシートとしては不完全で、実用的な試料の実績最高値は3.32W/m・Kであった
・放熱特性向上のための素材に関する課題では、九州大学による組織解析により、フィラーばかりでなくフッ素樹脂の組織形態が大きな熱伝導率影響因子であることが判明した
・プレス盤損傷防止では、株式会社AQUAPASSの的確なプレス板材質の選定により、当該防止技術が完成した
・密着性付与では、佐賀県窯業技術センターの丁寧な研究により十分な密着性を有しかつ熱伝導率が低下しない粘着膜が形成されたシートが完成した

研究開発成果の利用シーン

・現時点で提供可能な製品仕様:アルミナ放熱シート(川下産業の装置等に使用される電子部品用放熱シート)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

フッ素樹脂放熱シートの基本的技術は実用段階間近であるが、高性能化、高機能化、量産化を目指し研究継続中(補完研究、派生研究)

提携可能な製品・サービス内容

技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・自動車業界でパワー半導体の放熱シートに求められる熱伝導率5W/m・K以上(補完研究の後)
・耐熱温度250℃以上、耐電圧10kV/mm以上
・薄膜シートサイズ100±15μm
・放熱シートの派生物:電気的特性を改善したフッ素樹脂成形物(シート含む)

今後の実用化・事業化の見通し

・サンプルワークは顧客ニーズの正確な把握、販売を主目的とする
・補完研究では、特性向上、他のシート作製方法の検討、高熱伝導のメカニズム解明などを実施する
・サポイン事業の共同研究各機関に協力を仰ぎ、高耐熱性シート作製技術の完成、商品価値の追求などを行う
・生産体制は、生産設備の整備と品質保証システムの構築をする必要がある
・大量生産の車載用途など株式会社PATの能力を超える案件はライセンス生産や技術供与で対応し、設備の整備は株式会社PATの能力範囲内で検討する
・今後の見通しの中で、高耐熱性を必要とする次世代型半導体素子(SiC,GaN)の本格的上市への対応、熱的特性以外(電気特性等)の用途の開拓にも注力する

実用化・事業化にあたっての課題

量産対応(設備投資能力、生産技術確立、品質保証体制構築及び市場開拓(調査・分析))

事業化に向けた提携や連携の希望

有力放熱部材メーカーとの連携を模索中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社PAT
事業管理機関 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター
研究等実施機関 株式会社AQUAPASS
国立大学法人九州大学 産学連携センタープロジェクト部門
佐賀県窯業技術センター
アドバイザー 富士高分子工業株式会社
産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社PAT(法人番号:4300001009015)
事業内容 その他製造業 (粉体の表面改質処理)
社員数 5 名
生産拠点 佐賀県に2つの向上を保有 (山内工場、有田工場)
本社所在地 〒849-2305 佐賀県武雄市山内町宮野91-115
ホームページ http://pat-x.com/
連絡先窓口 担当者: 一瀬正信、 村江弘実
メールアドレス m.ichinose@pat-x.com
電話番号 0954-45-3540