製造環境
半導体・薄膜産業を支えるタフな真空計
茨城県
株式会社アンペール
2020年3月24日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 有機性ガスによる汚染や腐食性の雰囲気に耐えられる信頼性の高い電離真空計を開発して、真空機器の生産性の改善と生産コストの低減を図る研究 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
事業実施年度 | 平成19年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
生産工程で不可避な汚染・腐食に対して、既存品より遥かに耐性のある高信頼性の冷陰極電離真空計を開発する。真空圧力計測の信頼性を劇的に改善することにより、真空を利用する薄膜製造業、半導体製造工程に用いられるステッパ、イオン注入機、スパッタ装置などの製造装置における歩留まり向上、故障率の低減やメンテナンス性の改善による生産性の向上、および電子顕微鏡、表面分析装置などの分析機器の性能向上に貢献する
開発した技術のポイント
CCTG(Cold Cathode Tough Gauge:新技術の真空計)
(1)セラミックス陰極を常時加熱して汚染を防止(特許申請中)
(2)脱ガス、セルフクリーニングできる。
・タフモード(300℃~900℃に任意設定可)により、陰極を常時クリーンに保ち、脱ガスも可能
(3)高信頼、ワイドレンジ、低漏洩磁束
・確実なスタート⇒高い信頼性
・圧力測定範囲1×10-8~1×10-1Pa
・精度±25%以内(1×10-5~1×10-2Pa)
・低漏洩磁束周囲200G(20mT)以下
(4)圧力計測に最適な電圧に最適制御(特許申請中)
・スパッタリングによる電極のダメージを最小限に保ちながら、高いリニアリティと高速レスポンスを両立した。
CCTGは、従来の真空計では計測不能なエッチングガス(CF4+O2混合ガス、0.01Pa)環境において、100日間以上経過しても感度低下は全く生じない。
他社の真空計の比感度は5日目で半分以下に低下したが、CCTGは従来比で10倍以上の耐久性を示した。
(新技術)
<開発目標>
・汚染・腐食性ガス中でも感度低下せず動作可能
・信頼性が高く、長期間メンテナンス不要(経済的)など
知財出願や広報活動等の状況
特許出願数:2件
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
既に事業化を開始して若干の売上があり好評である。
実用化・事業化にあたっての課題
陰極加熱回路とセラミックス電極は、従来のCCIGにはない部分であり、他社製品とのコスト比較では、この点でやや不利である。ロングライフ化によるユーザーのコストメリットは大きいが、製造コストを従来品の2倍以内に抑えなければ、普及させることは難しい。このコストに関する課題は量産効果で達成可能である。製品の普及を進め、コストダウンの要望に答えられるようにしなければならないと考えている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アンペール 真空技術センター |
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事業管理機関 | 株式会社つくば研究支援センター |
研究等実施機関 | 有限会社真空実験室 |
アドバイザー | 独立行政法人産業技術総合研究所、株式会社シンクロン、株式会社SIINT |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アンペール |
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本社所在地 | 〒300-0045 茨城県土浦市文京町3番地6号遠山ビル |
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