製造環境
冷凍機用新冷媒に対応した、高性能で加工性に優れた安価な複合化絶縁材料が地球温暖化の防止に貢献
三重県
株式会社アドウェル
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 冷凍機用新冷媒【HFO-1234yf】&【HFC-32】対応、耐加水分解性に優れた複合化絶縁材料の開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮 |
キーワード | 表面処理、ラミネート |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
地球温暖化防止の観点から、カーエアコンやルームエアコンに代表される冷凍機用の冷媒には地球温暖化係数の低い物への代替が求められている。代替冷媒が各種提案されているが、使用される電動機用の絶縁材料には現行品(PET)以上の耐加水分解性が要求される。現行技術で対応可能な絶縁材料(PEN)は価格が高く、代替冷媒普及の障害の一つとなっている。代替冷媒の普及のために安価で高性能な複合化絶縁材料を研究開発する
開発した技術のポイント
冷凍機用新冷媒である「HFO-1234yf」および「HFC-32」に対応した、高性能で加工性に優れた、安価な複合化絶縁材料を研究開発する
(新技術)
外層材に耐熱性と耐加水分解性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、靭性に優れ安価なPETフィルムを用い、無接着剤3層構造とする
(新技術の特徴)
・耐熱性と耐加水分解性を確保しつつ、比較的安価で加工性に優れる
・無接着剤のため、不純物溶出がない
具体的な成果
・PPS/PET/PPSフィルムの無接着剤複合化技術の開発
‐プラズマ表面処理と熱ラミネートによるPPS/PET/PPSフィルムの積層技術を開発した
‐冷凍機製造工程での加工を想定した強度テストに合格した
・高効率連続生産工法の研究開発
‐R-to-R(ロールtoロール)方式でプラズマ処理速度6m/min、ラミネート速度2.5m/minを達成した
新冷媒に対する性能確認
‐耐新冷媒性能の指標として、48時間PCT試験後の強伸度保持率50%以上、絶縁破壊電圧8.5kV以上を達成した
研究開発成果の利用シーン
・冷凍機用新冷媒向け絶縁材料
・各種プラスチックフィルム同士やプラスチックフィルムと金属箔等の無接着剤接合品
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・冷凍機用新冷媒向けの絶縁材料としての要求特性を満足し、エンドユーザーへサンプル提供・求評ができるレベルの試作品が完成した
・生産性に関しては、開始当初よりも4倍以上向上した
提携可能な製品・サービス内容
技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・冷凍機用新冷媒に対応した絶縁フィルムの性能向上と低コスト化を実現
‐冷凍機用新冷媒の運転温度である140℃に対応した、
‐PPS/PET/PPSの3層構造からなる高性能な絶縁フィルムの開発に成功した
‐プラズマ表面処理と熱ラミネートによるR-to-R方式での生産が可能なため、低コストかつ加工性に優れた特性を持つ
・新冷媒の普及を促進し地球温暖化防止に貢献
‐冷凍機向けに地球温暖化係数の小さい冷媒の利用を促進し、結果的に地球温暖化防止に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・品質の安定や、無接着剤ラミネート加工速度に代表される生産性の向上をはかっていく
・エンドユーザーであるエアコン業界へ開発品のPRとサンプルの実装評価の依頼を行なう予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アドウェル |
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事業管理機関 | 公益財団法人三重県産業支援センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人三重大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アドウェル(法人番号:7190001014065) |
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事業内容 | フィルム表面改質、ワイヤーハーネス加工、コネクタ製造・検査 |
社員数 | 410 名 |
本社所在地 | 〒515-0041 三重県松阪市上川町大西山2500 |
ホームページ | www.adwel.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 芝原卓也 |
メールアドレス | shibahara.takuya@adwel.jp |
電話番号 | 0598-28-7788 |
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