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立体造形

高充填性・低温造型を両立する鋳型造型機により、鋳造の精度・生産性向上に貢献

福島県

株式会社キャスト白河工場

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 真球人工砂を用いた高流動低温造型プロセスの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、工作機械
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

低熱膨張性と高熱伝導性を有する真球状人工砂を選定又は開発し、これに水に溶けて炭酸ガスで瞬時に硬化する粘結剤を乾式に被覆する。この被覆砂を専用造型装置により均一高充填し、60℃以下で高速造型することで高充填性かつ高寸法精度の鋳型が生産性良くできる。この鋳型により究極の複雑形状・薄肉軽量化鋳物と押し湯削減等による高生産性が両立できる。さらに再生砂の歩留まり率も高いため、廃棄物が削減でき環境に優しい

開発した技術のポイント

高流動性と低温造型を両立させた鋳型造型プロセスを開発
・鋳型抗圧強度:100N/cm2以上、造型温度:40~60℃
→高流動性(高充填性)と低温造型を両立させる造型プロセスを開発
・鋳型寸法精度:±0.1%以内、造型時間:1分以内、コスト:1,000万以内の造型機
→高生産性かつ高寸法精度の鋳物の生産を可能に
(新技術)
・真球人工砂の開発・選定
‐優れた低熱膨張性を有し、かつ熱伝導性の良い人工砂の選定又は開発
・高流動低温造型瞬時硬化プロセスの開発
‐高流動性(高充填性)と低温造型を両立させる造型プロセスの開発
鋳型抗圧強度:100N/cm2以上、造型温度:40~60℃機
・高流動低温造型プロセス用の造型機の開発
‐乾式の砂を用いて、100℃以下の温度で造型できる高生産性かつ高寸法精度の鋳物の造型機の開発
鋳型寸法精度:±0.1%以内、造型時間:1分以内、コスト:1,000万以内の造型機

具体的な成果

・真球人工砂を選定し、粘結剤で混練被覆し、鋳型材料を開発
・充填密度が高い真球人工砂を選定
・シリカとアルミナから成り、球形度、熱伝導度、低熱膨張率に優れる真球人工砂を選定し、充填密度の向上を確認
・混練時のダマ率を1%以下に抑制
・プレヒート機での砂の予熱により、流動性(充填性)と強度が向上
・目標値の5倍の強度となる高流動低温造型瞬時硬化プロセスを開発
・低温で瞬時硬化に適した粘結剤と複数のガス吹き込みプロセスを開発
・その結果、充填率が向上し、目標値の5倍の強度を達成
・砂再生率:99.7%を達成
・ガス発生量:生型の1/2
・大型の鋳型では、ホルムアルデヒド捕捉装置が必要なことが課題
・100×100cmの鋳型に対応し、コストが1,000万円/台以内の造型機を開発・設計・鋳型寸法精度の測定結果:0.08~0.17%(100×100cmの鋳型)
・高流動低温造型プロセス用造型機は、50×55cmの鋳型で1分造型が可能。100×100cmでも、理論上は達成の目途がつく
・100×100cmの鋳型に対応し、コスト1,000万円/台以内の造型機を開発・設計

知財出願や広報活動等の状況

雑誌掲載:日本鋳造協会「鋳造ジャーナル」(2010年10月号P18~P26)(執筆者:旭有機材工業株式会社 技術部 副参事 小川文幸 記事名:平成19~21年 度戦略的基盤技術高度化支援事業「真球人工砂を用いた高流動低温造型プロセスの開発」

研究開発成果の利用シーン

充填性が高く、かつ低温造型により寸法精度が高い鋳型プロセスを開発することで、高生産性・高付加価値な鋳物を製造

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に向けて、顧客のニーズに合う造型機に改良設計・製造
・造型機は、客先毎で大きさや性能が異なるため、今回設計した造型機(100×100cm用)をベースとして設計・製造・販売する予定
・現在は、鋳型特性の評価、500×550mmサイズの主型の造型と鋳造の評価、砂再生検討、油圧バルブ等の中子(鋳物の中空部を作るための鋳型)の造型と鋳造の評価等を、ユーザーを巻き込んで実施
・2年間の補完研究で、開発成果を評価し、平成24年度の事業化を目標

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社キャスト
事業管理機関 一般社団法人日本鍛造協会
研究等実施機関 株式会社木村鋳造所
旭通商株式会社
旭有機材工業株式会社
学校法人早稲田大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社キャスト白河工場
事業内容 ダクタイル鋳鉄、特殊鋳鉄、普通鋳鉄、の製造販売
本社所在地 〒961-0302 福島県白河市東上野出島字笹久保2
ホームページ http://www.kkcast.co.jp
連絡先窓口 社団法人日本鋳造協会
メールアドレス takeda@foundry.jp
電話番号 03-3431-1375