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立体造形

CVD-SiC成膜・加工・成形技術の高度化によって、ガラスレンズの高精度化と量産性向上し、車載用センサーの高性能化・信頼性向上に貢献

愛知県

株式会社東海エンジニアリングサービス

2025年1月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 車載用センサーの高性能化・信頼性向上に貢献するCVD-SiCの超微細・極厚高速成膜技術を用いた高精度光学ガラス素子成形金型並びに成形技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、情報通信、スマート家電、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 金型,レンズ成形,CVD,SiC型,成膜技術
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

車載用センサーの高性能化と信頼性向上に向けたCVD-SiCを用いた光学ガラス素子の成形金型とその成形技術の開発を目的としている。特に、CVD-SiCの高速成膜技術を確立し、その物性を活かした非球面レンズ金型の加工技術、レンズ成形技術の研究に焦点を当てた。この技術により、品質向上と成形時間を短縮によるレンズの生産コストを低減の両立を実現した。

開発した技術のポイント

・CVD-SiCの膜質制御技術
微粒子化と成膜速度の向上を実現。微粒子化により、到達面粗度の向上。
・SiC円柱の加工技術
高精度かつ高能率なSiCのくり抜き加工技術を開発。加工時間を従来の2時間から1時間以下に短縮し、精度も向上。
・SiC 型の超精密切削技術
切削工具を開発し、加工時間の短縮と、面精度の向上を実現。
・SiC金型を用いた成形技術
CVD-SiCの物性に最適な成形条件を確立し、従来材料に比べて成形時間を短縮。

具体的な成果

・CVD-SiCの成膜技術において、成膜速度20%増、膜厚最大7mm、粒子径5μm以下の目標を達成した。
・SiC円柱のくり抜き加工技術では、加工時間を1時間以下に短縮し、加工精度も20μm以下を達成した。
・非球面型の切削技術では、形状精度0.05-0.1μm、面精度10-20nmを達成し、高精度なレンズ成形が可能となった。
・SiC高い熱伝導率を活かした成形条件を確立した。

知財出願や広報活動等の状況

既存の主要取引先に対して提案活動を進めており、開発と平行して評価用サンプルの提出を継続的に行っている。さらに、提案活動を主要取引先以外にも広げ、さらなる拡販を目指している。また、海外展開については、北米の光学系展示会「フォトニクスウェスト」への出展や学会発表を行い、引き続きアピール活動を継続している。

研究開発成果の利用シーン

自動運転や高度運転支援システム(ADAS)に搭載される車載用センサーの光学ガラス素子の成形に活用される。具体的には、高精度な非球面レンズの量産化が可能となり、車載センサーの信頼性向上に貢献する。また、SiC型を用いたレンズ成形技術は、金型の長寿命化によるランニングコスト削減と成形時間の短縮を実現し、センサーに搭載されるレンズの生産効率を向上させることが期待されている。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

既存ユーザーを中心に、次世代高精度レンズ向け金型材料として、開発部隊へ販売を行った。評価は良好であり、量産採用に向けてフォローをしている。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

本技術は、CVD-SiCを用いた超精密ガラス光学素子(レンズなど)用金型および成形技術を活かし、次世代自動車の安全性・信頼性向上に寄与する。特に、高温硝材の成形を得意とし、従来金型材料では対応が難しかった高屈折・高硬度ガラスにも対応しセンサーの小型・高性能化に貢献する。さらに、金型が長寿命なうえ、高熱伝導を活かしたタクトタイムの短縮を実現し、コストパフォーマンスにも優れている。

今後の実用化・事業化の見通し

高度運転支援システム(ADAS)搭載車の普及に伴い、それに搭載される車載レンズが増加している。一方、コスト競争も激化しており、成形時間が短く、長寿命なSiC型は注目されつつあり、既存ユーザー以外からも問い合わせがある。SiCは難加工材であるため、加工技術の指導を行いながら、量産採用へ向けてフォローする。また、トータルコストではメリットあるが、イニシャルコストの高さが問題となることから、さらなるコスト削減に向けて、CVDの効率改善を進める。

実用化・事業化にあたっての課題

CVD-SiCの成膜コストが依然として高く、製品価格への影響が大きい。また、SiCは難加工材であるため、川下企業への加工技術の指導も重要である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社東海エンジニアリングサービス
事業管理機関 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター
研究等実施機関 学校法人中部大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社東海エンジニアリングサービス(法人番号:9200001008253)
事業内容 超精密光学非球面レンズ用金型及び金型材料の製造・販売
社員数 21 名
生産拠点 岐阜工場
本社所在地 〒462-0841 愛知県名古屋市北区黒川本通2-27-4
ホームページ https://tes2001.com/
連絡先窓口 営業・技術部 技術課長 伊藤 公一
メールアドレス k-ito@tes2001.com
電話番号 058-337-0402