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研究開発された技術紹介

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精密加工

新世代軽量高強度・高剛性複合材料

長野県

株式会社イーアンドエフ

2023年2月22日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 CNT強化チタン基複合材料の製造技術開発と高機能化
基盤技術分野 精密加工
事業実施年度 平成18年度~平成20年度

プロジェクトの詳細

事業概要

低コスト新粉末冶金法と精密型鍛造法を組み合わせた複合プロセス技術により、カーボンナノチューブ強化チタン基複合材料の製造技術を開発する。この開発により、自動車エンジン等の運動部品の薄肉軽量化が可能となり、エンジンの高出力化、低燃費化、低排ガス化を達成することができる

開発した技術のポイント

CNTへの特殊コーティングにより、焼結及びその後の熱間加工、熱処理中のチタンとカーボンとの反応を抑え、優れた機械的性質を有する軽量高強度・高剛性CNTチタン材料を得ることができた。また、各種塑性変形パラメータを採取し、塑性変形挙動の計算シミュレーション技術を確立するとともに、電子顕微鏡観察により、CNTチタンの微細なミクロ組織変化を解明した。
(新技術)
<開発目標>
・特殊プロセスにより、チタン合金粉末にCNTを混合
・低温焼結により、微細な焼結体を製造
・熱処理により高硬度化

具体的な成果

開発CNTチタン材料は、焼結後、熱間加工、熱処理により以下の室温特性を達成した。
・引張強度1、885MPa(Pa:圧力単位)
・ヤング率123GPa・硬度53HRC(HRC:ロックウェル硬さ)
また、熱間圧延により板材を、スウェージング加工及び押出加工により棒材の製造技術を確立した

知財出願や広報活動等の状況

特許出願数:2件、論文数:1件

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

・次期大型民間航空機の機構部品
‐当共同体のアドバイザー企業によって、次期主力旅客機に搭載する機構部品の試作及び可否検討をエアバス社とともに進めている。
・ゴルフクラブへの適用について‐本材料を用いた高機能ゴルフヘッドの試作と試験を実施している。さらに並行して大手ゴルフメーカーへの材料サンプル提供を実施する。
・高性能自動車エンジン部品について
‐エンジンバルブ用素材に用いる棒材の量産方法を検証しており、2010年後半には棒材サンプルを出荷する。
・軽量化に伴う燃費向上、CO2削減。

実用化・事業化にあたっての課題

機械的性質、剛性(ヤング率)を更に高めるための材料開発を進めるとともに、より最終製品に近い形状への鍛造技術開発、航空機部品等への適用を考えた非破壊検査技術の確立等に取り組む必要がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社イーアンドエフ 長野研究所
事業管理機関 JFEテクノリサーチ株式会社
研究等実施機関 JFEテクノリサーチ株式会社
長野鍛工株式会社
日本クロス圧延株式会社
長野県工業技術総合センター
国立大学法人香川大学
学校法人加計学園岡山理科大学
アドバイザー 株式会社本田技術研究所、ミネベア株式会社、メイラ株式会社、多摩川精機株式会社、JFE精密株式会社、川崎重工業株式会社、神奈川県産業技術センター、信州大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社イーアンドエフ
本社所在地 〒380-0928 長野県長野市若里1-18-1