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接合・実装

貫通配線基板を低コストかつ高品質で実現する製造技術を確立

宮城県

株式会社メムス・コア

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 MEMS用貫通配線基板の製造技術とその利用技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 医療・健康・介護、ロボット、スマート家電、半導体
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 貫通配線基板、3次元実装、低抵抗配線、金属ボール配線、気密保持
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車、情報、環境・エネルギー、医療等、様々な産業分野に係る、電子機器の小型・高密度化の進展により、LSIやMEMSの3次元実装化が求められている。この3次元実装化で最も困難な製造技術が貫通配線であるが、いまだ有力な技術が確立されていない。本研究では、従来の生産性の低いめっき法に代り、新たに金属ボールの挿入、加圧・連結による「金属ボール配線法」を開発し、多用な製品、産業分野の競争力強化に寄与する

開発した技術のポイント

金属ボールによる貫通孔への金属配線の形成技術を確立
・セラミックス基板への微細加工→加工速度30秒/個以下
・金属ボールの操作→50μmのボールに対応し、ウエハ上で100%回収
・金属ボールによる配線形成→めっき法と同等の気密性で、めっきの場合に比べ工程数を削減
(新技術)
金属ボール配線法
・金属ボールに振動を与えることで貫通孔に挿入
・ボールとプレス金型をアラインメント
・ボールを圧熱/軟化変形
(特徴)
・貫通配線の形成工程が短時間で可能
・空隙のない高品質の貫通配線基板を実現
・工程が少なく、従来に比べ低コスト
・金属ボールを使用することにより高耐熱

具体的な成果

・セラミックス基板における微細加工
‐高硬度で脆性材料ではあるものの機械的特性、化学的安定性、高周波特性に優れた単結晶サファイアを、基板材料に設定
‐穿孔加工実験により、最もチッピングの大きさが小さくなる回転数や切削送り速度、ステップフィード量を探索
‐厚さ300μmのサファイア単結晶基板に孔径100μmの貫通孔を加工する技術を開発
‐1本のドリルで加工可能孔数50個、チッピング大きさ約18μm、加工時間600秒/孔を達成
・貫通孔への金属ボール挿入装置の開発
‐貫通孔への金属配線製造用に金属ボール挿入実験装置を開発
‐金属ボールの挿入だけでなく、過剰に放出した金属ボールを回収するための機能を付与
‐金属の挿入~余剰金属の回収までの時間は約10分であり、従来工法全体の1/3程度と大幅に削減
‐金属ボールの溶融・加圧の形成条件を最適化し、気密性のよい貫通孔配線を実現
・貫通配線基板の利用技術の検討
‐光素子(LEDやVCSEL)のウエハレベルパッケージングの調査及び製造プロセスの検討をおこない、本開発の貫通配線基板技術が小型化、高性能化に対応できることを確認

知財出願や広報活動等の状況

特許化:配線構造物及びその製造方法(特願2010‐118421)、実装体及びその製造方法(特願2010‐137560)

研究開発成果の利用シーン

自動車、情報、環境・エネルギー、医療等、様々な産業分野で、開発した貫通配線技術により、LSIやMEMSの3次元実装が可能となり、電子機器の小型・高密度化に利用可能である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

貫通配線を必要とする分野は、主にLSIやMEMSの開発分野に共通しているが、これらの生産技術に共通して、あらたな生産技術と低い製造コストの改善が求められている。現状の課題として、寸法精度の高い金属ボールの入手が困難であること、貫通孔に挿入された金属ボールを、ウェハ前面に均質の圧着・変質技術の実現が難しいことなどの課題がある。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

ウェハレベルで低コスト化、小型化、省エネルギー化により、貫通配線の製造技術を用いることが可能になれば、製品の付加価値が向上し、川下ユーザーの開発、製品化が加速される。

今後の実用化・事業化の見通し

今後の実装形態として、LSIウェハの形態状態で、MEMSがウェハやチップの形態で、LSIの上に部分的に積層接着で接続される用途が拡大している。この技術は、究極的に信号配線と小型実装を実現させ、従来のパッケージを必要としない高度化の有利なデバイス開発が目的である。この開発のためには開発人材と装置開発資金が必要であり、引き続き注目している。

実用化・事業化にあたっての課題

課題解決のためには開発資金を必要とし、貫通配線を必要とする川下メーカーの動向を調査・検討し、実用化・事業化に向けた連携を模索する。

事業化に向けた提携や連携の希望

今後の事業化に発展しそうな分野が存在するか否かの見通しを調査し、必要に応じて川下メーカーとの連携を検討したい。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社メムス・コア
事業管理機関 公益財団法人みやぎ産業振興機構
研究等実施機関 宮城県産業技術総合センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社メムス・コア(法人番号:1370001012246)
事業内容 MEMSデバイス(センサー、スキャナー、超小型部品等)の受託開発、量産生産
社員数 30 名
本社所在地 〒981-3206 宮城県仙台市泉区明通3-11-1
ホームページ http://mems-core.com
連絡先窓口 技師長 宮崎勝
メールアドレス miyazaki@mems-core.com
電話番号 022-777-8717