表面処理
工程数や処理時間・コストを低減するパワーデバイス半導体の配線形成プロセスの開発
福井県
清川メッキ工業株式会社
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代パワーデバイス電極材料の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
キーワード | パワーデバイス、接合めっき、半田接合 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
半導体回路パターン形成技術では、従来真空スパッタ蒸着法が一般的である。スパッタ法は、消費エネルギーも大きく高コストな製膜方法である。今回、検討するインクジェット法はウエハ上に直接パターン形成可能となる。従来、ワイヤーボンディングによる接合が主流であったが、点接合で放熱効率の点により、湿式めっき法による半田接合が望まれており、本開発ではインクジェット法と湿式めっき法を組み合わせた技術を開発する
開発した技術のポイント
インクジェットヘッド開発とレーザー照射を通じて、高効率かつ環境に配慮した電極形成法を開発
・高精度プリンタヘッド開発:ヘッド上めっき皮膜硬度1000Hv以上50時間連続塗布後、ヘッド形状変化なし
・電極形成時の電気抵抗:6Ω/cm以内
(新技術)
<インクジェット+レーザー法>
(特徴)
・工程数、使用装置数が少なく、装置コストが小さい
・使用エネルギー、薬品量の低減
具体的な成果
・精度の高いプリンタヘッドを作成
-精密電鋳めっき技術を用い、2種類の高機能プリンタヘッドを作製
-プリンターノズル確認装置で精度を観察したところ、1.開口径55µm狙い品は平均開口径55.5µm、角度59.7°、2.開口径20µm狙い品は平均開口径20.4µm、角度59.2°となり、目標を達成
・開発したプリンタヘッドの高耐久性を確認
-金属粒子インクによる磨耗を抑制するため、電鋳皮膜上へのめっき皮膜を施し、インクジェットノズル部の耐久性試験を実施
-インクジェットヘッド硬度はビッカース硬度2218Hvを達成
-吐出時間50時間後も開口径、角度に変化がないことを確認
・高い精度での電極形成が可能になり、また電極の低抵抗化も確認
-インクジェットヘッドを用いて、インク液滴を吐出し、レーザー援用インクジェット技術を用いてシリコン基板上に配線を描画
-配線幅はプリンタヘッド1は最大でも±5%以内、プリンタヘッド2は±10%以内となり、目標を達成
-4端子法で金属電極上の抵抗率を測定。直流抵抗値は平均5.48Ω/cmとなり、目標値を達成
知財出願や広報活動等の状況
・出展:ふくい新技術・新工法展示商談会inHonda(H24.11)
・雑誌:月刊FLOM「技術開発部通信」(H23.6、H23.12)
研究開発成果の利用シーン
・パワーデバイス電極上に半田接合を目的とした、無電解Ni/Auめっき加工について、デバイスメーカーからの委託可能になり、車載パワーモジュールに搭載されている
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・一部技術の事業化間近
・パワーデバイス用半導体素子上への半田接合を目的とした、無電解Ni/Auめっきのサンプルあり(有償)
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
・新方式の実現:開発したパワーデバイス半導体配線プロセスは、めっき技術、表面改質技術とインクジェット技術により処理時間が従来比1/3以下に
・低コスト化:従来技術は真空プロセス中心のため装置が高額であったが、開発プロセスはオールウェット法のため使用装置費は従来比1/3以下に低減
・多品種少量生産:インクジェット技術によりマスクレスで配線パターンが形成可能なため、多品種少量生産に適している
今後の実用化・事業化の見通し
信頼評価と補完研究を実施、H26年1月より一部技術の事業化予定
・開発した接合用無電解Ni/Auめっき技術を用いて、パワー半導体素子上への半田接合用下地無電解めっき処理の事業化に向けて、国内主要メーカーで信頼評価を実施中
・シリコンウエハ上への配線技術については、レーザー援用によるインクジェット法の確立に向けて、シリコン表面のフッ素ガス修飾による改質や配線の精度向上に向けた検討を引き続き実施する予定
・車載用パワーデバイス半導体素子への接合用無電解Ni/Auめっき仕様が、H26年1月に事業化予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 清川メッキ工業株式会社 先端技術開発センター |
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事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人福井大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 清川メッキ工業株式会社(法人番号:9210001001059) |
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事業内容 | 1.各種電気めっき(クロム、亜鉛、銅、ニッケル、スズ、金、銀、プラチナ等)各種無電解めっき(銅、ニッケル、金、銀、パラジウム、プラチナ等)2.機能性めっき(金めっき、複合めっき、硬質めっき、耐食性めっき等)3.化成皮膜処理(リン酸、マンガン皮膜処理、黒染)4.アルミニウムの陽極酸化(アルマイト) |
社員数 | 290 名 |
本社所在地 | 〒918-8515 福井県福井市和田中1-414 |
ホームページ | http://www.kiyokawa.co.jp |
連絡先窓口 | 技術部係長 福岡清人 |
メールアドレス | infotech@kiyokawa.co.jp |
電話番号 | 0776-23-2912 |
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