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立体造形

高機能フェライト材の開発により、小型軽量で高効率なコモンモードラインフィルタを開発

山形県

株式会社ウエノ

2020年4月8日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 電気自動車車載用コモンモードラインフィルタの生産技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 高透磁率、粉末冶金技術、高キュリー温度フェライトコア、一体ロの字型コア、高速自動巻線システム
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

電気自動車に搭載されるコモンモードラインフィルタにおいて、業界のニーズで小型軽量による高機能化、生産能力向上及びコスト低減がある。それに応えるためには、高機能フェライト材の開発、高速巻線による自動化が必須であるが、未だ各社全てのニーズに対応する製品開発はされていない。本提案はそのニーズを解決すべく、粉末冶金技術の高度化を軸とした高機能フェライト材の開発及び新巻線手法を軸とした高速自動巻線技術を確立する

開発した技術のポイント

粉末治金技術の高度化を軸とした高機能フェライト材の開発により、コモンモードラインフィルタを小型軽量化・高機能化
・小型・軽量化→製品体積については現行製品よりも35~40%低減、重量については現行製品よりも10%低減
・高透磁率・高キュリー温度フェライトコアを開発→透磁率μ:7,000以上、キュリー温度:140℃以上
・高速自動巻線システムの開発→巻線工数:10秒以下
(新技術)
エッジワイズコモンモードラインフィルタ
(特徴)
・高速自動巻線を可能とし、一体型に直接巻線するため後工程も不要
・新フェライト材を使用し、また閉磁路のため、インダクタンス、インピーダンスが高く、直流抵抗も低い
・1層巻きのため高周波インピーダンス特性も良好

具体的な成果

・透磁率μ7,000、キュリー温度140℃以上の新しいフェライトコアを開発
‐現行製品であるトロイダル型コモンモードラインフィルタや分割ロの字型コモンモードラインフィルタより小型軽量化を実現
‐新しいフェライトコアの能力を最大限に活かすため、磁性特性向上のための主成分組成・機能性添加物等の材料設計、造粒条件の検討、焼成テスト等を行い、フェライトコア及び製品形状の最適化を図った
・コイリング技術の開発により巻線工数を1/30に低減
‐密着巻き、整列巻きを実現するための成形ローラーの最適形状、最適制御技術を確立
‐巻数制御を確実にするセンシング技術、送り装置等の制御技術を確立し、手巻きのトロイダル型コイルに比べ、巻線工数の1/30を実現
・先端末端処理技術の確立
‐R付けされた電線の末端を引き伸ばして直線にするためのガイド、治具形状を検討し最適制御技術を確立
‐巻き上がりの電線を末端のエアチャックでつかみ、引っ張ることで直線にすることが出来た。平角線を掴むフィンガーはガイド溝を設けることで常に同じ姿勢での移動を可能とした

知財出願や広報活動等の状況

・受賞:山形県産業賞(平成23年)
・新聞掲載:「コイル生産で労働集約の限界を窮め、自動化機械の開発にシフト」(商工ジャーナル平成24年12月4日)、「次世代コイル普及目指す」(日刊工業新聞(平成24年6月12日)

研究開発成果の利用シーン

小型・軽量化・高機能化という特長を活かし、新型電気自動車への利活用が可能である

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・事業の成果物は、実用化に成功し事業化は令和3年度を予定している
・派生技術により、低電流、小型の製品(コモンモードラインフィルタ)を開発し、事業化まで終了している(テレビ、ACアダプタ、プリンタ、LED照明電源等用)

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・小型化→現行トロイダルコイルに対し体積比47%低減
・新製法等の実現→現行フェライトコアの特性と同等で、自動車用規格140℃を超えるキュリー温度を実現
・納期・製作時間短縮→現行トロイダルコイルに対し、巻線工数で1/30以下を達成

今後の実用化・事業化の見通し

川下企業からの要求を受け、ニーズに応えるための補完研究を実施
・試作品を川下企業に提供、製品ラインナップの拡充をはかっている。磁性特性の更なる向上や量産化システムの補完研究を継続実施
・川下企業からの様々な要求形状に対して、磁気特性を維持しながら形状を実現するための研究を実施
・令和3年の電気自動車車載用の製品開発に向け、設備投資、販売体制の構築を推進

実用化・事業化にあたっての課題

更なるコスト低減、販売力強化

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ウエノ
事業管理機関 公益財団法人庄内地域産業振興センター
研究等実施機関 日本重化学工業株式会社
株式会社グローバルマシーン

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ウエノ(法人番号:2390001008002)
事業内容 ノイズフィルタコイル、平滑用チョークコイルの設計、製造
社員数 95 名
生産拠点 本社工場(山形県鶴岡市)他国内に2工場、中国に2工場、タイに1工場
本社所在地 〒999-7634 山形県鶴岡市三和字堰中100
ホームページ https://www.uenokk.co.jp
連絡先窓口 設計技術2課武田陽志
メールアドレス h-takeda@uenokk.co.jp
電話番号 0235-64-2254