立体造形
透明、カラー、形状検査に対応可能なプラスチックペレット検査装置
山形県
テクマン工業株式会社
2020年4月8日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | プラスチックペレット品質管理システムの高度化開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | 樹脂成形、樹脂ペレット、画像処理、検査、異物除去 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
プラスチック製品の歩止まりや品質向上のためには、ペレット(樹脂原材料)時点での品質管理が重要である。特に、医療、光学、外装材用途の透明、有色プラスチックでは異物に対する要求が厳しい。従来、複雑な光学特性により検査が実現できなかった透明ペレットや様々な色合いでの検査の条件出しが困難だった有色ペレット検査及び形状検査にも対応する異物除去可能な検査装置を開発し、成形品の高品質・低コスト化に寄与する技術を開発する。
開発した技術のポイント
【透明ペレット、カラーペレット、形状検査に対応できる検査装置の開発】
・透明プラスチック品質検査システム→分解能40μm、処理能力1t/hr
・カラープラスチックペレット品質検査システム→分解能40μm、処理能力1t/hr
・プラスチックペレット形状計測品質検査システム→分解能20μm、処理能力0.5t/hr
具体的な成果
【透明プラスチック品質検査システムを開発】
・ドーム照明を自由落下方式ペレット検査システムへ導入し、透明プラスチック品質検査システムを開発(ドーム照明には特許技術を使用)
・高速・高分解能のラインスキャンカメラによる撮影画像をモニタ可能
・計測分解能は原理的には約40μm、処理能力1t/hr。現在のところ、処理能力1t/hrで300μmの異物検出率が約50%
【カラープラスチックペレット品質検査システムを開発】
・従来のペレット検査装置をベースに、高分解能カラーラインスキャンカメラへ置き換えを進め、カラープラスチックペレット品質検査システムを開発
・計測分解能は原理的に約40μm、処理能力1t/hr
・モノクロカメラタイプでは困難だった再生材などでの評価は良好
【プラスチックペレット形状計測品質検査システムを開発】
・イジェクタ制御を行うための外部I/O制御基板をCPLDベースで開発、プラスチックペレット形状計測品質検査システムを開発
・処理能力は装置ベースで1t/hr、ペレットの長径短径計測程度の画像処理はこれに応じる処理速度が実現可能
・計測分解能は原理的に約40μm、測定値は端点の画素間距離で計算するためそれよりも高分解能で算出
知財出願や広報活動等の状況
【展示会出展】
・国際プレスチックフェア(IPF) : 2011(H23.10)、2014(H26.10)、2017(H29.10)
・エヌプラス2015 : 2015(H27.10)、2017(H29.9)、2018(H30.9)
・メッセナゴヤ2015 : 2015(H27.10)
・高機能フィルム展 : (2019.12)
研究開発成果の利用シーン
電子部品や自動車部品などあらゆる樹脂製品の高品質の要求が加速すると同時に、その原材料である樹脂ペレット状態での高品質が要求されていました。開発した検査装置の装置化によって、今までは人手で検査していたコスト高の解消やより安定した高品質な原材料の供給が可能となり海外製との差別化ができた。
また、この装置に搭載している画像処理技術をキーコンポーネントとして、医薬品や食品といった分野への展開が期待できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度に事業化に成功し、某国内大手自動車メーカーや多くの大手樹脂製造メーカーへの販売実績あり(継続販売中)
・樹脂タイプに応じた各装置にて、立ち会いを含めたテスト評価を実施
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・品質管理向上→各種樹脂ペレットの品質検査を実現することにより、成形時の投入材料品質の安定化と、日常の品質管理及び不良要因解析に寄与
・歩留り向上→投入材料品質を向上することで成形工程での直行率の向上に寄与
・多品種少量生産→品種変え柔軟に対応可能な検査システムにより、多品種少量生産における品質確保に寄与
今後の実用化・事業化の見通し
装置性能の改善を行い、事業展開につなげる
・透明機については検出能力の改善、カラー機については色分析システムの改善、形状計測機については処理能力の把握を行い、どの様な検査ニーズに対応可能か引き続き研究を行う
・平行して、客先毎に対象となる材料が異なることから、都度評価を行い、客先毎に最適化して導入に向けた営業活動を行う
・現在、透明樹脂メーカー数社及び樹脂リサイクル業界からの引き合いがあることから、要求性能を満たすべく装置性能の改善を行っており、これらの客先に対する販売に繋げて行く
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | テクマン工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまがた産業支援機構 |
研究等実施機関 | 株式会社相田商会 山形県工業技術センター |
アドバイザー | ・住化カラー株式会社 千葉工場 理事 生産本部 副本部長 千葉工場長 白藤 孝文 ・株式会社カワタ 執行役員 営業部門統括兼東日本営業部長 柴 孝幸 ・高野技術士事務所 技術士 高野 菊雄 ・東北大学大学院情報科学研究科 教授 青木 孝文 (当時の所属、役職です) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | テクマン工業株式会社(法人番号:1390001008399) |
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事業内容 | 省力化機械、プラスチック射出成形機 及び、色彩選別機等の開発設計、製造・販売 |
社員数 | 34 名 |
本社所在地 | 〒997-0845 山形県鶴岡市下清水字内田元74-17 |
ホームページ | https://tecman-kk.com |
連絡先窓口 | マスプロ事業部取締役部長皆川力 |
メールアドレス | minagawa-c@tecman-kk.co.jp |
電話番号 | 0235-23-0007 |
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