接合・実装
新しい電荷量測定センサを開発!低コストで高精度な静電気非接触可視化システムを実現!
和歌山県
阪和電子工業株式会社
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | MEMS技術を応用した静電気非接触可視化システムの実用化 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙、産業機械、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 静電気、可視化、帯電 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
情報関連、自動車、電機産業をはじめとして半導体の需要業界は、年々伸長しており、半導体の高精度・低価格化のニーズが高まっている。この中で、静電対策機器に対して、検査の高速化、問題個所の把握方法など、性能向上が求められている。本研究開発では、MEMS(微小電子機械システム)技術を活用した静電気非接触可視化検査技術を開発し、この技術を応用した新たな静電対策機器の実用化を目指す。
開発した技術のポイント
静電気センサアレイと表示機能を組み合わせた静電容量結合方式センサの非接触可視化検査装置を開発し、現状の表面電位計に替わる新たな電荷量測定型アレイ静電センサを実現した。
(新技術の特徴)
センサー :サイズ=10mm角、ピッチ=12mm
計測時間の短縮、測定面積の広範囲化、精度向上を実現する。
(装置の主な仕様)
測定距離:10mm, 30mm *校正により左表以外にも変更可
測定範囲:0~±2.5kV(距離25mm)、0~±5kV(距離50mm)
測定インターバル: 100ms~2550ms
測定精度:±10%
保存形式:CSVファイル
具体的な成果
□MEMS技術の開発
-MEMSミラーの形状最適化を行い、ミラー面積とトーション幅の最適形状を確立した。
-レーザ加工により半導体と特性が同等な低コストMEMSを開発した。
-MEMSミラーを球面状に配置し、無レンズ化した・測定精度確認と改良。
*MEMS技術を応用した静電気センサアレイの製品化は未定。
□静電容量結合方式センサの開発
-MEMS型のような可動部を持たない静電容量結合方式センサを開発し、これを搭載した静電気可視化装置を開発。
(開発機種)
・用途に応じた4種類の製品で展開中。(ハンディ型、ライン型、スクエア型、個別型)
・複数モードの表示形式(数値表示、濃淡表示、グラフ表示)での帯電分布表示が可能。
知財出願や広報活動等の状況
□知財出願
日本特許・実用新案出願:5件
米国特許:1件
韓国特許:1件
□広報活動等
・近畿経済産業局 関西ものづくり新選2014 選定製品 「静電気可視化モニタ―」
研究開発成果の利用シーン
□静電気帯電状況のモニタリング装置
各タイプの静電気可視化装置を提供。
可搬型(ハンディタイプ)、常設型の1次元ラインセンサ型、2次元スクエア型、個別センサ型の静電気可視化モニタリング機能の提供。
□活用イメージ
静電気が問題を起こす状況としては、帯電箇所へのゴミ等の不要物の付着あるいは放電によるダメージがある。その状況を事前に検出し、対応を施す事で 静電気での問題は回避可能である。静電気の発生状況の計測し、問題が起きる前での対応を効率よく行うためのツールとして活用可能である。
静電気も問題と思われる場所に持参して計測、また起きやすい場所への常設して計測等、用途に応じた製品を選択する事も可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・事業化を2段階に考え、まず本研究の副産物として製作した簡易型で製品化を行い、既に販売を行っている。
・簡易型の製品を展示会に出展したり、論文発表を行って普及活動を行っており、結果、市場の評判は上々である。
・営業と技術との連携を密にして、ニーズが高い開発品を補助金等を活用して、製品種類の拡充等を進め、事業を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
□静電容量結合方式センサ製品
商品名:静電気可視化モニター (e-Scope (イースコープ) : HSK-5000シリーズ)
(特徴)
・アレイ配置した8個のセンサエリア内を同時測定し、静電気分布をリアエルタイムの把握可能。
・赤、緑2色のLED点滅により一目で静電気が視える。
・専用ソフトでリアルタイムモニタリング。(数値表示、濃淡表示、グラフ表示)
・お客様のニーズに応じたセンサ数や長さでの特注対応が可能。
今後の実用化・事業化の見通し
□静電結合方式センサ製品の新たな市場への展開、製品ラインナップ拡大を進め、市場拡大を目指す。
(1)静電気の問題はこれまで関わった半導体業界以外にも展開可能であり、各種展示会等を通じて、市場拡大を進める。
(2)上記活動を通じて得られたお客様との連携を図り、自社ブランド製品のみならず、他社製品への組み込み等を含め、応用市場の拡大も目論む。
(3)センサーサイズの縮小化開発を進め、帯電分布検出精度の向上を図る。
(4)装置の無線化開発を進め、より幅広い用途に活用できる製品を目指す。
上記の活動を通じて、事業拡大を進める。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 阪和電子工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人わかやま産業振興財団 |
研究等実施機関 | 学校法人近畿大学 和歌山県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 阪和電子工業株式会社(法人番号:1170001002738) |
---|---|
事業内容 | 各種半導体評価用測定機器及び検査機器の開発製造・販売、エレクトロニクス制御機器の開発及びOEM製作 |
社員数 | 52 名 |
本社所在地 | 〒649-6272 和歌山県和歌山市大垣内689-3 |
ホームページ | http://www.hanwa-ei.co.jp |
連絡先窓口 | 開発部 部長代行 松井信近 |
メールアドレス | nmatsui@hanwa-ei.co.jp |
電話番号 | 073-477-4435 |
研究開発された技術を探す