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接合・実装

カーボンナノチューブ用の未来追求表面処理剤

大阪府

株式会社竹中製作所

2020年3月18日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 カーボンナノチューブ複合の高硬度・高靱性樹脂で被覆された高耐食性ねじ類の開発
基盤技術分野 接合・実装
事業実施年度 平成18年度~平成20年度

プロジェクトの詳細

事業概要

半永久構造物仕様の耐食性ねじ類を、カーボンナノチューブを複合化した樹脂薄膜で鋼材表面を被覆する方法で開発し、これを事業化する。被膜に要請される基本機能は、鋼材への長期防錆性の付与に加えて高硬度と高靱性であるが、これら既存の材料では相反的な諸機能の要請を新技術(グラフト化法)の導入で解決する

開発した技術のポイント

本研究では、数あるCNTの内、官能基を多数有する株式会社GSIクレオス製のCNT表面に各種高分子の末端を簡便かつ効果的に化学結合(グラフト化)する新技術を開発した。このグラフト化された高分子薄膜の効果により、CNTの溶剤及び樹脂中への分散性が劇的に向上し、単一粒子状ナノスケールの均一分散が実現され、当該塗膜に望ましい力学的諸特性が付与された。他方、このグラフト化薄膜は、絶縁被膜としてCNTの導電性を効果的に遮断し、CNTの粒子状分散と相俟って複合塗膜を非導電化する働きをもつことが判明した。これに弊社既存の耐食性塗膜調製技術を併用することにより、当該塗膜に高度の耐食性能をも付与することに成功したものである。より具体的な成果は以下のとおりである。また、本研究開発の成果は、りそな中小企業振興財団が主催する2009年第21回中小企業優秀新技術・新製品賞の優良賞を受賞した。
(新技術)
・衝撃特性の飛躍的向上
・金属メッキと同等の硬度を有する有機被膜

具体的な成果

・CNTを均一分散した有機被膜は従来有機被膜に対し下記の特長を有する。
-被膜硬度の向上:HK硬度20→HK80へ。(メッキで概略HK100)
-耐摩耗特性の向上:回転摩耗特性で約10倍の耐久性
-防食特性:数百時間以下→3,000時間へ。(塩水噴霧試験)
-耐衝撃性:衝撃エネルギーとして約10倍のエネルギーを吸収可能

知財出願や広報活動等の状況

特許出願数:1件、論文数:1件

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

2014年度を目標に、耐食性ねじとして現状2億円/年の3倍の市場拡大を、ねじ以外の環境分野や複合塗料組成物として2014年度6億円の市場規模への成長を目途として事業化を行う。環境分野としては、耐摩耗要求市場・航空機等基幹産業分野等が具体例である。

実用化・事業化にあたっての課題

先端技術であるCNT複合膜の市場開拓において、まだまだ、研究製品の市場開拓が課題である。めっきに近い機械的強度を有した有機被膜の需要開拓。それが最大の課題である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社竹中製作所
事業管理機関 株式会社竹中製作所
アドバイザー 京都大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社竹中製作所
本社所在地 〒578-0984 大阪府東大阪市菱江178