情報処理
呼吸データより居眠り等を感知し、自動車、鉄道の安全運転をサポート
香川県
株式会社ミトラ
2020年3月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 圧電フィルムセンサーを用いた高精度呼吸モニタリングシステムの開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 健康促進、介護、高齢化、2025年問題、2045年問題 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現在、大量輸送機関等の運転手の居眠り検出や健康状態を把握することは非常に重要になっている。しかし、これらをリアルタイムで把握することが非常に重要であるにも関わらず、現在のところ検知するセンサーが存在しない。そこで運転手の負担が少なく、非侵襲に近い呼吸センサーによりアルタイムに呼吸状態を正確に測定する装置を開発し、自動車等運転中の運転手および乗客の安全確保に資する
開発した技術のポイント
運転手の負担が少ない、非侵襲に近い呼吸センサーを開発する
・運転手の居眠りやその予兆、睡眠時無呼吸症候群の有無を把握する高精度の呼吸モニタリングシステムを構築
→センサー:装着時の違和感がなく外れにくい、高出力で合理的なサイズ・形状
→システム:居眠りや睡眠時無呼吸を判定できる信号処理方法の確立
(新技術)
<圧電フィルムセンサー>
(システムの開発)
・センサーからの波形情報を数値化し記録
・上記の操作・表示機能を制御
・取得データから運転中の振動のノイズを除去
・記録された呼吸情報を一括管理
(センサの開発)
・装着時に違和感なく、合理的なサイズ・形状
・外れにくく、ずれにくい構造、装着方式
・圧電フィルムセンサーの高出力化を検討
具体的な成果
・センサーの開発
-センサーフィルムの選定、取付機構の試作、センサーケースの試作等を行い、十分な感度を有し、長時間の装着に耐えられる呼吸モニター用センサーを完成させた
・システムの開発
-制御ソフトウェア及び信号処理ソフトウェアを開発した
-基本波、第2高調波、第3高調波の振幅等に着目した判定アルゴリズムを検討し、フィールド試験での使用を考慮した判定ソフトウェアを開発した
・フィールド試験と改善
-KKR高松病院の協力を得て、病院で実際に睡眠時無呼吸症候群の検査に使用している終夜睡眠ポリグラフ検査と、開発したセンサー信号を組み合わせた呼吸センサー評価試験を実施した
-医学的な根拠に基づいた覚醒時や睡眠時等状態での呼吸波形の測定を実施し、実際の無呼吸状態(酸素飽和度の低下時)において、開発したセンサーが同様の呼吸波形の変化を示すことを確認した
-睡眠時無呼吸判定システム及び居眠り検知システムの実用化に向け、今後さらなるデータ蓄積と分析が必要となるが、本フィールド試験によりその基礎を構築した
知財出願や広報活動等の状況
香川高等専門学校が有する特許
○基本特許
・特願2005-167753(特許4045344 (平19.11.30))
体動検知センサー及びそれを用いた体動モニタリングシステム
○関連特許
・特願2006-301272(特許4895017 (平24.1.6))
体動検知センサー及び体動モニタリングシステム
・特願2008-014853(特許5299663 (平25.6.28))
体動検知センサー及び体動検知方法
・特願2008-014866(特許5180599 (平25.1.18))
睡眠状態の判定方法及びシステム
○最終センサー形状の出願(出願中)
・特願2016-176147
体動検知センサー
(本出願はPCT出願、台湾出願済)
研究開発成果の利用シーン
衣服の上からでも呼吸や心拍の測定が可能であるため運動しながらの状態把握が簡単にでき、健康促進のために推奨されている「歩行又はそれと同等できついと感じない程度の30~60分の運動」等の体調確認(動機付けや認識)、転倒等を含む高齢者の異常時通知等に利用できます。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
呼吸・心拍・加速度・位置情報の取得ができるウェアラブル機器として、高齢者の健康促進及び見守りサービスを高松市等の自治体へ提供ができるように事業化を進めています。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
高齢者の見守りだけでなく、その一歩先をゆく健康促進にも利用できるサービスです。
高齢者は、「自分の事は自分でする」「子供の世話になりたくない」等の自立を願っていますが、具体的に何をしたら良いのかが分からず「心配してもしょうがない」と考えることをやめる事が多くなります。そのため、余力がなくなり手遅れになる前に、介護の必要はないものの将来的に要介護状態になる可能性がある人に対して、自身の心拍等のバイタルを把握できるサービスを提供し、推奨されている心拍を目安とした適度な負荷のかかった運動(ウォーキング等)を行うことで、年齢とともに弱くなっていく心身の機能を維持し、自治体の医療費・介護費の削減を目指すことができます。
また、日頃から心拍を測定しておくことで体調不良や疲労の把握ができるだけでなく、「がんより悪い」と言われる心不全の予後における悪化を繰り返さない管理もでき、転倒を含む万が一の事態には通知機能を活用し、周辺に光や音で知らせるだけでなく家族等へ通知することも可能です。
今後の実用化・事業化の見通し
2020年の実サービス開始に向けて、サービス内容の検討(向上)とあわせて機器の小型化等を進めています。
実用化・事業化にあたっての課題
通信インフラを含む利用料金等の低価格化
事業化に向けた提携や連携の希望
データ利活用事業者(収集したデータによるサービス幅の拡大)やサービス連携可能な事業者
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ミトラ |
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事業管理機関 | 株式会社テクノネットワーク四国 |
研究等実施機関 | 独立行政法人国立高等専門学校機構詫間電波工業高等専門学校 四国計測工業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ミトラ(法人番号:4700-01-004762) |
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事業内容 | ソフトウェアの企画・開発・販売、ネットワークシステムの設計及びハードウェア並びに周辺機器の販売、インターネットを利用した各種情報処理サービス、ホームページの企画立案・制作・管理 |
社員数 | 50 名 |
本社所在地 | 〒761-0301 香川県高松市林町2217-15香川産業頭脳化センター406 |
ホームページ | https://www.mitla.co.jp |
連絡先窓口 | 事業開発部開発2課氏永朋希 |
メールアドレス | iot@mitla.co.jp |
電話番号 | 087-869-8288 |
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