複合・新機能材料
フィルタ素材に用いる耐性に優れた近赤外線吸収色素、可視領域波長選択吸収色素
兵庫県
山陽色素株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 耐性の優れた新規な光選択吸収色素の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、情報通信、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 輝度向上、コントラスト向上、色再現性向上 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
プラズマ、液晶、有機EL等の薄型ディスプレイには、その画質向上のため、近赤外線吸収、可視選択吸収色素によるカットフィルターが求められる。現在使用中の機能性色素は、各種染料が多く使われているため、耐熱性、耐光性等諸耐性で問題がある。そこで、これら波長特性、耐性課題を解決し、ディスプレイの高効率化、高精細化、高機能化の実現のため、新規な分子構造、結晶構造の機能性色素を開発する
開発した技術のポイント
耐性の優れた近赤外線吸収色素、可視域波長選択吸収色素の開発
・耐性の優れた近赤外線吸収色素の開発→可視域(380~780nm)に吸収帯がなく、近赤外域(780~1100nm)に吸収帯を有する
・耐性の優れた可視域波長選択吸収色素の開発→吸光の最大吸収波長が500±10nm、および580±10nm
(新技術)
<新規色素搭載のPDP前面フィルター>
(特徴)
・光学特性、耐性を解決
・幅広い使い方が可能となりコスト低減、環境負荷低減が可能
具体的な成果
940nmの長波長領域に吸収帯を持つ近赤外線吸収色素を合成
-新規なスクアリリウム系近赤外線吸収色素として、755-875nmに吸収極大を持つ新規な非対称型ビススクアリリウム色素の合成に成功
-さらに、非対称型ビススクアリリウム色素の合成法を応用することで、940nmの長波長領域に吸収帯を持つものが得られた
-新規なフタロシアニン系色素としてその半分の構造(1/2PC)にあたるジアリルアザジイソインドリルメテン系色素の基本骨格の化合物の合成に成功、さらに官能基の導入で吸収極大波長を約100nm程度の長波長化が可能
・可視域波長選択吸収色素の開発
-チオフェン系スクアリリウム色素の複数の合成から、580nmでの吸収極大値に適した大波長の新規色素構造が得られた
-酸を加えて生成するトリカチオンやベンゼンスペーサーを持つ環拡大ロザリを示し、メソ位の芳香族置換基を変化させることにより、目標の570~590nmに吸収極大をもつ新規色素の候補を提案
知財出願や広報活動等の状況
特許:「光波長選択吸収色素」(特願2010-156039)
研究開発成果の利用シーン
・近赤外線吸収色素は、PDPの全面フィルタ等に組み込まれ、そこから発生する有害近赤外線をカット
・可視域波長選択吸収色素は、LCDやプロジェクターの光学フィルタに用いられ、光純度を向上させ、画像の鮮鋭化を実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に実用化に成功、事業化は停滞中
・近赤外線吸収色素のサンプルあり(無償)
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・新素材の実現:顔料の結晶型を新規開発し、800~1100nmに至る近赤外線領域までの吸収を可能に
・省エネルギー化、環境負荷低減:熱線遮蔽素材としての利用で、省エネ
・環境負荷低減に・精度向上:近赤外線吸収色素は、偽造防止用の特殊印刷インキに有用
今後の実用化・事業化の見通し
近赤外線吸収色素、可視域吸収色素共に、計画を変更し開発を継続中
・近赤外線吸収色素は、当初計画のPDP関連とは異なる分野への展開を目指した研究を継続中、川下企業で性能評価を実施
・カラーフィルター用の可視域吸収色素は、LCDや有機ELの光源変更による要求波長の変化が急なため、それに対応した波長特性色素の開発に変更して研究を継続
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 山陽色素株式会社 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
研究等実施機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 国立大学法人神戸大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 山陽色素株式会社(法人番号:2140001058922) |
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事業内容 | 有機顔料、加工顔料、機能性顔料の製造 |
社員数 | 377 名 |
本社所在地 | 〒670-0966 兵庫県姫路市延末81 |
ホームページ | http://www.sanyocolor.jp |
連絡先窓口 | 技術開発部新事業開発グループマネジャー橋野宏樹 |
メールアドレス | hasino@sanyocolor.jp |
電話番号 | 079-292-3366 |
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