精密加工
イオンビームで刃先を表面処理 超平坦鏡面の切削工具刃先で切削速度は30%以上に向上
大阪府
株式会社ナカキン
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | イオンビームを用いたアルミ鋳造合金用切削工具のナノスケールでの表面処理による切削性向上 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 切削工具、アルミ製品加工 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車部品等のアルミニウム化が進む中、本研究では切削工具刃先のイオンビームスパッタリングによるナノ表面処理の最適化及び切削油温度管理によって、アルミ鋳造合金の溶着を抑制し、高速・高精度切削を可能にするとともに、刃先の長寿命化を実現する技術を開発する。これによりアルミニウム合金の効率的な切削とコスト面でのメリットを生み出し、アルミニウム化の更なる促進に貢献する
開発した技術のポイント
研磨技術と切削油管理により、超平坦鏡面で切削速度を40%向上させる切削工具刃先を開発
・イオンミリング処理により超平坦鏡面を実現する→
現状のRa>50nmからRa<10nmへ
・イオンミリング条件を確立し、アルミ鋳造合金の切削速度向上を実現する
→切削速度を30%上げた条件で、従来の切削工具と同等以上の耐久力
・水溶性切削温度と切削性の関係を把握し、更に切削速度を向上させる
→切削速度10%向上
(新技術)
・刃先の研磨方法
‐イオンビームによる研磨:Ra<10nm
‐切削速度30%向上
・切削油温度管理
‐切削時の刃先摩擦熱を切削油にて冷却し、溶着を防止
‐切削速度10%工場
↓
切削温度40%向上
具体的な成果
・イオンミリング処理の条件を確定し、ナノスケールでの鏡面化を実現
‐入射角10°、処理時間10分で、チップ刃の超硬合金Ra20nm、DLCコーティング材Ra30nmを達成
‐粗度100nmの超硬ドリル刃ならびにDLCコーティングドリル刃にミリング処理を施し、粗度を40~15nmへと向上
・チップ刃複数本同時のイオンミリングにより処理費を軽減
‐イオンミリング処理費用を1本当たり約3,200~4,000円に低下
・切削条件30%アップ比較で耐久性の高さを立証
‐DLCコーティングドリルの耐久テスト後、イオンミリング未処理刃具では刃先粗度400nmに対し、処理刃具では100nmを実現
知財出願や広報活動等の状況
・出展:中小企業総合展(H22.11/H23.5)
・雑誌:中小企業魅力情報発信(H23.2)
研究開発成果の利用シーン
イオンミリング処理によりナノレベルまで鏡面化した切削工具刃先を開発し、アルミ鋳造品の切削性向上を果たす
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
試作機・サンプル等はなし
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:アルミ鋳造合金の効率的切削によるアルミ製品の低コスト化
今後の実用化・事業化の見通し
切削工具形状などによりイオンミリング処理効果のバラツキがあるため、実用化に対して更なる検証が必要
実用化・事業化にあたっての課題
イオンミリング処理刃物の効果安定性の検証が必要
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナカキン 本社工場 |
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事業管理機関 | 一般財団法人素形材センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナカキン(法人番号:9120001057333) |
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事業内容 | 金型・鋳造技術をベースに、軽合金事業部、金型事業部、産業精機事業部の三事業部を柱として事業展開。軽合金事業部では主に自動車エンジン部品用アルミ鋳造品の鋳造から加工までの一貫生産、金型事業部では自動車エンジン部品の鋳造に使用する金型の設計・製作、産業精機事業部ではサニタリーロータリーポンプを主力商品として、設計から製造、販売まで一貫して実施 |
社員数 | 390 名 |
本社所在地 | 〒573-0137 大阪府枚方市春日北町2-10-5 |
ホームページ | http://www.nakakin.co.jp |
連絡先窓口 | 技術部鋳造技術課課長 森下佳樹 |
メールアドレス | yoshiki.morishita@nakakin.co.jp |
電話番号 | 072-859-9901 |
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