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精密加工

(当初)高硬度な多結晶シリコンインゴットを効率よく切断する超薄型ダイヤモンドバンドソー/金型・自動車・土木等市場の要求により工具の耐久性・精度・効率性と新しいニーズへの対応性

神奈川県

エヌシーダイヤモンド株式会社

2020年3月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 (当初)シリコンインゴット等切断用超薄型ダイヤモンドバンドソーの開発 / 当初想定のソーラーパネル市場の低迷で同技術を用いた工具による市場開拓に変更し、それによりまた必要技術の開発で対応。
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 建築物・構造物、半導体
産業分野でのニーズ対応 高性能化(耐久性向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 溶着工具、研削火花低減
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

当初のソーラーパネル市場の低迷から基本的には同技術を利用して金型加工・ファインセラミックの加工・コンクリート建築物の固定アンカー用穴加工・鋳物製品の仕上げ加工等は商品としては出来上がっている。ただ例えば鋳物のグラインダーでの使用は一部の会社からは一定の量の受注があるが、電気グラインダーそのものがダイヤモンド工具に適した条件を備えておらず、このような壁は他の分野でも同様である。事業として成功しているというには会社の売り上げの一翼を担う程度の額が必要であり、量と額が見込めるコンクリートを対象にしたアンカー用の工具の試験・開発もその一つとしてこの数年関わっている。

開発した技術のポイント

ダイヤモンドとも台金とも反応することで強く固着する工具の開発
・固着には特殊元素を配合したロー材を使用
・ダイヤの突出をコントロールし均等配列させる
・ダイヤの把握力を強くすることでダイヤモンドの脱落を防ぐ                                               
・真空炉の熱処理が高温になるため熱ひずみが少なく尚且つロー材となじみの良い材質の台金の選択

具体的な成果

・基台及びロー材を開発
・基台材質は、従来試験してきたSS材、SC材からSUS材(SUS303、SUS304)およびSCM材等に使用できるものを増やした。
・強靭なダイヤモンド砥粒の選定(高温での破砕値の高いもの)
・ダイヤモンドの配列は、最も良い切削性が得られた配列の角度及び間隔のものを採用
・CBN砥粒にも応用できるロー材を開発

知財出願や広報活動等の状況

展示会
2010年 テクニカルショウヨコハマ
2013年 ものづくり中小企業
2014年 サポーティングインダストリー採択企業展示会
2017年 テクニカルショウヨコハマ

研究開発成果の利用シーン

・鋳物製品の加工では従来の砥石をダイヤモンド工具に替えることにより工具交換時間の短縮と工具費の節減となり、一部ではロボットによる加工に採用されている。
・発電所・石油基地等では、現場での電気グラインダーによる研削作業で火花の発生する従来型の砥石を変えることにより大幅に火災の発生する機会を減らすことが出来た。砥石に比較して火花の数の少ないことと発生する火花の温度が低いとことによるもので、人命救助の点で東京消防庁の都市型事故・災害の工具として評価された。
・工具として耐久性・耐摩耗性に優れておりコンクリート用アンカーの精度を要する穴加工に使用されることで高強度アンカーの開発のための工具として採用された。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

高速道路での天井板落下事故等ではアンカー強度の低下が一因とされている。強度を維持するための高強度のアンカーの開発に工具供給の立場で参加しており、コンクリート躯体に精度の良いアンカーの抜けにくい穴用の工具は試験を終えており、アンカーの認可を待つところまで来ている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・一般的には電着では難しい大きい砥粒(例えば#16)の固着、あるいは#100以下では寿命が望めないものも溶着では可能である。
・一つの台金に異なる大きさの砥粒を固着することもできる、また砥粒の配列が異なるものも製作できる。
・電着に比較すると工具寿命は長く,鋳物では加工の自動化も可能である。

今後の実用化・事業化の見通し

鋳物の中でも鋳鋼品の研削にはダイヤモンド使用の可能性の目途は全く立っていない。また同じく一般的に言われる難削材も同様である。 今後CBN等の砥粒による工具の試験を始める予定。CBNについては使用される砥粒も金属も非常に高価であるといった価格面で大きなデメリットがあったが、ダイヤモンドと同価格で製品化できる見通しがある。        

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 エヌシーダイヤモンド株式会社
事業管理機関 よこはまティーエルオー株式会社
研究等実施機関 マーブルワークス株式会社
国立大学法人横浜国立大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 エヌシーダイヤモンド株式会社(法人番号:6020001041721)
事業内容 ダイヤモンド工具製造・販売
社員数 4 名
本社所在地 〒246-0002 神奈川県横浜市瀬谷区北町13-24
ホームページ http://www.ncdiamond.co.jp
連絡先窓口 木澤眞一
メールアドレス kizawa@ncdiamond.co.jp
電話番号 045-924-4577