複合・新機能材料
創傷被覆材や美容用フェイスマスク、化粧品等様々な用途での活用が見込まれる微細繊維複合不織布を開発
愛媛県
シンワ株式会社
2020年4月8日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 天然高分子原料を使用した微細繊維複合不織布の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、低コスト化 |
キーワード | ナノファイバー、エレクトロスピニング、電界紡糸、創傷被覆材、フィルター |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療用創傷被覆材は、感染を防止し、より早く治し、より皮膚への刺激が少なく、より柔軟であることが要望されている。これに対応するには、創傷側シートにキトサン等の生体適合原料を使用し、更にナノ化することで密着性、保湿性にも優れ最良と考える。そこでナノファイバー紡糸技術を高度化し、安定で低コスト化した天然高分子ナノファイバー複合不織布の製造技術を確立する。この技術を応用しフェイスマスク、生分解性フィルターの研究開発も行う
開発した技術のポイント
安全かつ高性能な医療用品・美容用品に資する不織布を開発
・天然高分子ポリマーの作製キトサン原料から高分子溶液を調整し、紡糸の原料とする
・創傷被覆材として充分な吸水性の確保
・創傷被覆材やフェイスマスクとして適切な肌触り感、密着性を発揮
(新技術)
<天然高分子ナノファイバー複合不織布製品>
・生体親和性の高い天然高分子を用いることで、傷の治癒効果や、肌荒れ・ニキビ等の改善効果が期待できる
・ナノファイバーは比表面積増大効果をもち、肌へのフィット感を向上させることが可能
・空気抵抗が少なく、空隙率が高い構造とできるため、様々な分野への展開が期待できる
具体的な成果
・ナノファイバー不織布製品としての適切な生産技術を開発
-創傷被覆材用基材として高い吸水・保水性を持つ基材を開発
-キトサン溶液から紡糸を行う際の印加電圧、電極間距離等の条件を調整し、当初目標の3倍の生産速度を達成
-作製されたナノファイバーは、時間が経過しても平均繊維径がほぼ変化せず、ナノファイバーの水準を維持
・製品化に向けた検証テストを実施
-パイロット機によって作製したナノファイバー複合不織布は、基材不織布に比べて密着性・平滑性が高いことを確認
-美容用フェイスマスクについては、キトサンナノファイバーと基材不織布を加工することにより、従来品と同様の加工が可能
-皮膚刺激性試験を行い、肌に密着させる製品として充分な安全性を有していることを確認
知財出願や広報活動等の状況
・雑誌:「関西バイオビジネスマッチング2012にてシンワが天然物由来のナノファイバー不織布を紹介」(不織布情報、H24.3月号)
・出展:関西バイオビジネスマッチング2012(H24.2)
・出展:ANEX2012(H24.6)
・出展:ANEX2018(H30.6)
研究開発成果の利用シーン
開発したナノファイバーのシート化技術により、肌に密着する美容シートを提供できる。コスメティック分野で、化粧水の揮発を抑制して肌への保湿効果を促進したり、化粧下地として使用してシミやシワ隠しに利用できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ポイントケア用の美容シートで実用化し、2015年(H27)から販売開始。事業継続中。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・微細化→キトサンナノファイバーは平均繊維径148nm、従来の不織布の約100倍の比表面積を有しており、肌へのフィット性、密着性が高い
・低コスト→化紡糸条件によって生産性を向上させることと連続生産時の課題を解決することで、生産速度が目標値の3倍の結果が得られる
・その他→ナノファイバーを複合することで高機能化、高付加価値化した製品が得られる
今後の実用化・事業化の見通し
化粧品用途については、H27年に販売を開始。創傷被覆材やフィルター用途についても事業化に向け、研究開発を継続
・複数社の川下企業へ試作品を提供し、性能評価・耐久試験を実施してもらっている。展示会へ出展し、積極的なPR活動を行って新規川下企業との取り組みを開始している。さらなる高機能化を目指した補完研究を継続して実施している
・現在、創傷被覆材は性能試験と効果の検証について研究開発を継続している
・現在、フィルター用途は最終の商品形状で性能評価中。R2年に販売開始予定。
実用化・事業化にあたっての課題
コスト削減
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | シンワ株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人えひめ産業振興財団 |
研究等実施機関 | 愛媛県産業技術研究所 独立行政法人国立高等専門学校機構新居浜工業高等専門学校 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | シンワ株式会社(法人番号:5000-01-014672) |
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事業内容 | 不織布製品の開発・製造・販売 |
社員数 | 275 名 |
生産拠点 | 国内:愛媛県四国中央市に1拠点、香川県三豊市に1拠点海外:中国山東省に2拠点、インドネシア・スラバヤ市近郊に1拠点 |
本社所在地 | 〒799-0113 愛媛県四国中央市妻鳥町249-2 |
ホームページ | http://www.shinwacorp.jp |
連絡先窓口 | 商品開発室 主任 永峰圭 |
メールアドレス | kenagamine@shinwacorp.co.jp |
電話番号 | 0896-58-1103 |
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