接合・実装
ナノ秒領域の応答速度を実現する高速光モジュールの統合設計技術
千葉県
株式会社トリマティス
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 電気光学材料から電子回路システム設計まで垂直統合した光モジュール化技術の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 情報通信 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 電気光学効果、光通信、光減衰器、光モジュール、光レベル制御 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
光通信網の進展に伴い、様々な電気信号処理を行う際の遅延や莫大な電力消費が問題となっており、川下産業では光信号のないまま処理を行うシステム開発を進めている。このようなシステムでは、効率よく高速に処理を行う光モジュールが必須である。本事業では、高速応答な光学材料の開発及び材料設計と光学、電気、実装設計の境界領域を網羅した総合設計技術開発によって、従来ミリ秒領域の応答の光モジュールをナノ秒領域まで高速化する
開発した技術のポイント
光学材料開発等、光モジュールの高速化に向けた統合設計技術の開発
・光モジュールの応答時間→500ナノ秒以下・ビットエラーレート→10-9以下
(新技術)
<高速光モジュール(ナノ秒領域の応答速度)>
(特徴)
・材料自体の応答が速い(ナノ秒領域)
・各技術を統合した統合設計技術により境界技術領域を網羅するため、ナノ秒領域の高速設計が可能
・材料開発を取り入れるため、様々な機能の光モジュールへの応用が可能
具体的な成果
・透過率94%、応答時間210ナノ秒の材料を開発
‐PLZTとは全く別の化合物により、高速応答、かつ光学的に使用可能(透明)な材料を開発
‐圧電材料PmN-PTにより、透過率94%、応答時間210ナノ秒を実現
・光モジュールの応答時間210ナノ秒を実現
‐光デバイス素子実装方法を検討し、減衰量ダイナミックレンジ50dBを駆動電圧範囲15Vで実現
‐部品周波数特性の個別評価を行い、高周波シミュレーションの再構築を行うことによる独自の高周波実装技術を確立し、光モジュールとしての応答時間210ナノ秒を実現
・ビットエラーレート10以下を達成
‐各光モジュールの実システム評価を実施、エミュレーション方法を確立し、その方法による評価結果、オートレベルコントローラ挿入により、ビットエラーレート10-10以下を達成
‐電子回路設計に際して必要となる材料の評価項目を抽出
・PmN-PTセラミックの応答特性評価結果
~駆動回路の応答を含んだモジュールの応答でも210ナノ秒の応答時間を実現~
・ビットエラーレート(BER)測定結果
~XFPの最小入力パワーがIEEEで-14dBm以上と規定されていることから、この範囲において、BER値が10-10以下となっている~
知財出願や広報活動等の状況
出展:Interopto2010(H22.9)、FOE2011(H23.4)
研究開発成果の利用シーン
光通信の際、電気信号に変換せず光信号のままで切替・処理を行う光モジュールを高速化する高速光可変減衰器を開発高速光可変減衰器は、光通信ネットワークに用いられる光増幅器、光送受信器の高性能化に利用可能さらに減衰特性、光レベル制御機能を利用して光通信ネットワークの特性試験(減衰・瞬断試験)にも利用可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に事業化に成功
・高速光可変減衰器販売中
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
省エネルギー化:電気ルータの消費電力を削減
光信号のままで切替・処理を行う光モジュールを提供することで、全光通信ネットワークを構成することができ、省エネルギー化を実現
今後の実用化・事業化の見通し
他分野での応用展開に向け、開発を継続
・本事業で250nsの高速応答に成功し、光通信用途以外の分野への展開の可能性があることから、さらなる高速化について、開発を継続
・高速化の為の素子制御方法について見通しが得られている
・光通信用途では、将来的システムへの適用が想定されているが、導入時期は明確ではない。他分野への展開のため、市場調査を進めている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社トリマティス |
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事業管理機関 | 株式会社HVC戦略研究所 |
研究等実施機関 | 学校法人公立千歳科学技術大学 学校法人龍谷大学 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社トリマティス(法人番号:9040001030892) |
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事業内容 | 光高速制御技術・統合技術(高速光デバイス技術及び高速制御回路技術)を駆使した製品の開発、設計、製造及び販売 |
社員数 | 11 名 |
本社所在地 | 〒272-0023 千葉県市川市南八幡4-2-5いちかわ情報プラザ407 |
ホームページ | http://www.trimatiz.com |
連絡先窓口 | 執行役員野田健太 |
メールアドレス | noda@trimatiz.com |
電話番号 | 047-379-4400 |
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