文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. サイズ可変式非対称型高周波スネア

立体造形

サイズ可変式非対称型高周波スネア

長野県

株式会社八光

2020年3月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 サイズ可変式非対称型高周波スネアの研究開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高性能化(サイズ可変による手技の効率化)
キーワード 精密加工、金属接合、塑性加工
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成28年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本特定研究開発は、産学連携による医療機器の開発に豊富な経験を有する大阪大学が、もっとも一般的な内視鏡用処置具のひとつである「高周波スネア」を、射出成形、圧延、伸線、溶接等の技術を有するものづくり企業と連携してゼロから作り直すことにより、臨床現場の普遍的な課題を根本的に解決するとともに、これを広く海外へ展開させることで、輸入超過が続く我が国の医療機器分野の国際競争力を飛躍的に高めることを目標とする

開発した技術のポイント
技術のポイント

最も一般的な医療用処置具の一つである高周波スネアを、医療機器の開発に豊富な経験を有する大阪大学と、射出成形、圧延、伸線、溶接等の技術を有するものづくり企業とが連携して、ゼロから作り直すことにより、臨床現場の普遍的課題を解決する

(新技術のポイント)
・正円を保持でき、切除範囲が適切であり、患者への負担が少ない。
・無段階のサイズ変更が可能であるため、交換が不要になり、手術時間とコストの節約になる

具体的な成果
成果(全体)

・サイズ可変式機構の立体設計
3次元CADを用いて、高周波スネアの先端ループを正円形状に維持しつつ、スネアの収納および展開を繰り返しても、ねじれることなく無段階でループ径を調節でき、かつ既存製品と比較した場合の操作性の差異を低減した新たな機構を立体設計した
・サイズ可変式機構の試作
立体設計したサイズ可変式機構の妥当性をベンチトップで検証し、最終的に軟性内視鏡の鉗子口に挿入できるまで外筒の細径化を図った
・操作部の立体設計
3次元CADを用いて、サイズ可変式機構を動作させる手元操作部を立体設計した
・操作部の試作
立体設計した手元操作部を3次元造形および射出成形にて製作した
・サイズ可変式非対称型スネアの全体試作品の製作
これらを組み合わせた全体試作品を製作し、スネアリングの繰り返し動作に問題ないことを確認した

知財出願や広報活動等の状況

「内視鏡用スネア」 特許
出願番号 2016-018568
出願番号 2017-232377
出願番号 201710063752.6(中国)
出願番号 15/421546(米国)

研究開発成果の利用シーン
利用シーンのイラスト

主に、軟性内視鏡下における、高周波スネアを用いた大腸ポリープ除去術に利活用することができる。高周波スネアをサイズ可変式にすることにより、様々なポリープサイズに対して、ひとつの高周波スネアで対応可能となる。このため、異なるサイズの高周波スネアの入れ替えが不要になり、手術時間の短縮につながる。
また、医療機関において、従来さまざまなサイズの高周波スネアを在庫としていたが、これを削減することができる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業化に至っていない。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

スネア展開形式を非対称型とすることで、引き絞りの過程でも「正円」形状を維持することができる。これにより、ポリープ切除時に長軸方向の過剰な組織切除を回避し、また様々な大きさのポリープに1本の処置具のみで対応できることとなり、コスト面、在庫管理面の課題をも解決する

今後の実用化・事業化の見通し

本事業により高度化された技術により、目標としていた形状及び構造を実現した試作品を製作した。他社既製品との性能評価において同等の評価が得られたが、大型動物を使用した非臨床試験において、安定的な評価が得られず、実用化には至っていない。今後も自主的な開発活動は継続し、目標達成を目指す。
一方、派生技術を応用し、類似製品の実用化及び事業化を目指して、開発活動を実施中。令和2年春頃、販売時に必要な薬事申請を行う予定。

実用化・事業化にあたっての課題

大型動物を使用した、より臨床に近い状態において安定した評価を得られることが必要。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社八光 メディカル事業部 生産本部 商品開発部
事業管理機関 国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座
研究等実施機関 トクセン工業株式会社 ライフサイエンス事業室
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 消化管内科

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社八光(法人番号:9100001006341)
事業内容 医療機器製造販売
社員数 350 名
生産拠点 長野県千曲市に本社工場を保有
本社所在地 〒389-0806 長野県千曲市大字磯部1490
ホームページ http://www.hakko-medical.co.jp/
連絡先窓口 商品開発部 吾妻聖臣
メールアドレス masaomi_agatsuma@hakko.co.jp
電話番号 026-275-0121