立体造形
電子ビーム積層造形技術と精密切削加工技術による宇宙機器としての使用可能精度を有しかつ高機能部品を設計可能な製造技術
茨城県
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 電子ビーム積層造形法と精密切削加工技術の融合による衛星用スラスタ部品の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
衛星用二液式スラスタ部品である噴射器、ノズルについて、溶接を排除した一体成形かつ低コストが実現できる製造技術に対し川下産業の強いニーズがある。当該研究開発では株式会社コイワイの有する電子ビーム積層造形技術、株式会社由紀精密の有する精密切削加工技術をベースに、JAXA、早大、東北大の技術・知見を結集し、宇宙機器としての使用できる精度を有しかつ高機能部品を設計可能な製造技術を確立する
開発した技術のポイント
JAXAが次世代の衛星スラスタとして設計している極めて複雑な推進剤流路を有する部品をEBMで試作
(新技術)
耐熱性、高精密性が要求されるスラスタのような極めて複雑な推進剤流路を有する部品を電子ビーム積
(新技術の特徴)
国内スラスタ性能を飛躍的に高め、国内メーカーが参入するための凌駕する技術となる
具体的な成果
・各種基礎試験片(疲労試験片等)および実機形状模擬供試体(噴射器、ノズル)を製造した
・試作を通して製造技術を改善するとともに、噴射器およびノズルの製品化に向け、重要な各種の品質保証データを取得することができた
・ノズルについて、本開発により技術の大幅な向上を達成し製品化の目途を得るに至ったことから、今後は実際の開発を通じて、品質保証技術のさらなる向上により受注拡大が見込まれる
・噴射器には技術課題が多く残り、製品化に向けて流路内面の研磨技術等の新たな研究が必要となる
・性能確認試験、材料の疲労試験および残留応力計測試験を通して、本技術のスラスタへの適合性を示す品質保証データが取得できた
研究開発成果の利用シーン
軌道変換、姿勢制御に使用される二液式スラスタ用噴射器およびノズル(Ti-6Al-4V製)
実用化・事業化の状況
製品・サービスのPRポイント
人工衛星の軌道変換、姿勢制御に使用される一液及び二液式スラスタ用噴射器およびノズル(Ti-6Al-4V製)について、溶接を排除した一体成形かつ低コストが実現できる製造技術
今後の実用化・事業化の見通し
・電子ビーム積層造形により作製する造形品には残留応力の蓄積が懸念されていたが、次破断による測定を行い、残留応力の定量評価により実用上問題ないことが判明したことから、製品実用化への目途が立った
・事業化に当っては、非破壊検査を中心とした品質保証方法の確立が必要である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社コイワイ 本社 |
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事業管理機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究等実施機関 | 株式会社由紀精密 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 学校法人早稲田大学 国立大学法人東北大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
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事業内容 | 政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関、同分野の基礎研究から開発・利用 |
本社所在地 | 〒305-8505 茨城県つくば市千現2-1-1 |
ホームページ | http://www.jaxa.jp/ |
連絡先窓口 | 升岡正 |
メールアドレス | masuoka.tadashi@jaxa.jp |
電話番号 | 050-3362-3317 |
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