表面処理
レーザ溶融技術やニッケルが露出しないメッキ技術を利用した砥粒固着技術を開発し、高能率で患者への負担を低減する骨切断用ワイヤや骨穿孔用工具を実現!
石川県
株式会社村谷機械製作所
2020年3月25日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 患者の負担を低減する脳神経外科手術用ダイヤモンド砥粒コーティング工具の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(機能性界面・被覆膜による生体親和性の付与及び向上)、環境配慮 |
キーワード | 脳外科手術、メッキ技術、生体親和性、骨穿孔用工具 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
脳神経外科手術での頭蓋骨切除には、砥粒をコーティング(以下、固着)した穿孔工具や切断用ワイヤが使用され、砥粒固着に金属アレルギの原因となるニッケルメッキを使用していることや、加工能率が低いことなどが問題となっている。そこで、本研究開発では、レーザ溶融技術やニッケルが露出しないメッキ技術により砥粒を固着する技術を開発し、高能率で患者への負担を低減する骨切断用ワイヤや骨穿孔用工具を製品化する
開発した技術のポイント
脳神経外科手術での頭蓋骨切除に使用されるダイヤモンド砥粒を固着した骨切断用ワイヤや骨穿孔用工具について、加工性能や人体に対する安全性の向上を目的とし、以下を達成した
・骨切断用ワイヤの細線化と砥粒固着条件の最適化および表面からのニッケル溶出抑制
・骨穿孔用工具の中空化と砥粒のニッケルフリー固着技術の開発
具体的な成果
・表面ニッケルフリー骨切断用ワイヤ製造技術の開発
‐φ0.18mmのステンレス線を芯線とし、ニッケルメッキを用いた電着にて砥粒を固着する骨切断用ワイヤ製造技術を開発した
‐切れ味を制御する砥粒固着技術を確立し、Userの好みに合わせたワイヤの製造を可能にした
‐表面に金メッキを施すことにより、ニッケルの溶出を防止するワイヤの製造を可能にした
・ニッケルフリー骨穿孔用中空工具製造技術の開発
‐レーザ照射によって台金を溶融し、砥粒を埋め込むニッケルフリーの砥粒固着技術を開発した
‐ニッケルフリーの骨穿孔用中空工具や、骨や歯を細かく削るためのニッケルフリーのダイヤモンドバーの製造を可能にした
知財出願や広報活動等の状況
知財出願
「砥粒付工具、砥粒付工具の製造方法及び砥粒固着方法」(特願2018-167864 ,出願日:2018年9月7日)
「穿孔ドリル及びその操作制御装置」(特願2018-212711,出願日:2018年11月13日)
研究開発成果の利用シーン
人体に影響を与えない材質やプロセスによる工具母材表面にダイヤモンド砥粒を固着する処理技術を利用した、加工代が小さくて加工能率が高く、人体にとって安全な「骨切断用ワイヤ」や「骨穿孔用工具」を開発
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
医療認可取得のための対応を行っている。
認可取得後は医療系の展示会に出展し、販路拡大を狙う。
また、アドバイザーを通じて関係学会にて展示を行うとともに、医療機関への販売を計画している。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
加工代が小さく加工能率が高い、人体にとって安全な「骨切断用ワイヤ」や「骨穿孔用工具」の製造を実現
今後の実用化・事業化の見通し
・医療機器認証
‐骨切断用ワイヤおよび骨穿孔用中空工具については単回使用を想定しており、クラスⅡの医療機器として申請を実施し、製品化を行う
‐ワイヤホルダはクラスIの医療機器として申請を実施し、製品化を行う
・事業化体制及び販売戦略
‐製品の製造については、株式会社村谷機械製作所が中心になりながら、事業参画企業の協力を得て行う
‐製品販売については、特定の医療機関については株式会社村谷機械製作所が直接行う。それ以外の多くの医療機関については、取引実績がある医療機器商社に販売協力を依頼し、拡販を目指す
‐関連学会でのPRや各種展示会への出展、HPへの掲載など積極的な営業活動を行う
‐本研究開発したレーザ溶融は医療器具のみならず、ガラスやセラミックス、CFRP(炭素繊維強化樹脂)など工業用新素材を加工する工具の製造技術としての適用可能性もあり、広く応用展開を図る予定である
実用化・事業化にあたっての課題
医療認証への申請
事業化に向けた提携や連携の希望
申請書の整備をするための支援
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社村谷機械製作所 製造部 製品開発課 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 |
研究等実施機関 | トーメイダイヤ株式会社 株式会社木村精工 学校法人金沢工業大学 石川県工業試験場 |
アドバイザー | 富山大学 赤井卓也、 木島整形外科 北岡、 大阪大学接合科学研究所 阿部信行、 東北大学院 厨川、 ケイアンドケイジャパン株式会社 久保田博南、 冨木医療器 浅井一倫 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社村谷機械製作所(法人番号:5220001007001) |
---|---|
事業内容 | 工作機械・産業機械の製造、販売 |
社員数 | 60 名 |
本社所在地 | 〒920-0209 石川県金沢市東蚊爪町1丁目32番地 |
ホームページ | http://muratani.co.jp/ |
連絡先窓口 | 製造部 製品開発課 能和功 |
メールアドレス | nowa@muratani.co.jp |
電話番号 | 076-238-5115 |
研究開発された技術を探す