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研究開発された技術紹介

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立体造形

3次元MEMS技術で、主にロボットのケーブル間同士を連結する微細な同軸コネクタを開発し、ロボットの小型軽量化と高速作動性能に寄与する。

東京都

合同会社シナプス

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 レーザー露光技術によるロボット向け超微細MEMSコネクタの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 ロボット、情報通信、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)
キーワード ロボット、MEMS、リソグラフィ、レーザー、同軸ケーブル
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

今後の日本の産業を支える複雑で多機能なロボットには、微細なコネクタとケーブルで配線処理したシステムが欠かせない。本研究では3次元MEMS技術で、主にロボットのケーブル間同士を連結する微細な同軸コネクタを開発し、ロボットの小型軽量化と高速作動性能に寄与する

開発した技術のポイント

本研究開発では、細線同軸ケーブルタイプのコネクタを基本として、MEMS技術で、それよりはるかに小さい超小型構造のケーブル間接続コネクタを開発した。
研究で重要であった技術は以下の5点である。
・コネクタの凹凸端子の立体的形状加工
・端子の接続の電気的信頼性確保(=端子素材の硬さ、バネ性、表面性情)
・挿抜に耐える機械的耐久性確保(=構造、端子強度、剛性など)
・同軸ケーブルの垂直アセンブリ加工方法
・多彩な動きに耐えうる接続固定方法

具体的な成果

・レーザー露光技術を用いて、縦横高さ1mm以下の超微細MEMSコネクタを開発した
・Φ0.3mmの極細同軸ケーブルをコネクタにアセンブリし、ケーブル&コネクタモジュールを完成させた
・レーザーリソグラフィにより、高アスペクト(アスペクト比2以上)高精度(7μm)加工技術を確立した
・高強度、高靱性のNi電鋳素材を開発し、本コネクタに適用し、高サイクル信頼性のMEMSコネクタを完成させた
・本開発で試作したケーブル&コネクタモジュールを東大石川妹尾研のロボットに装着し実用化可能性を確認した
・MEMSコネクタの大型シートから製造する、量産製造と自動検査技術を確立した

知財出願や広報活動等の状況

・特許出願
‐2016年出願 垂直型MEMSコネクタ
‐2018年出願 水平型MEMSコネクタ
・国内学会
‐「スルファミン酸ハイスピード浴を⽤いて電気めっきしたニッケル膜の機械的特性に及ぼす電流密度の影響」(2018)
・国際学会
‐「Micro-Mechanical Properties of Defect-Free Nickel Electrodeposited at a High Growth Rate toward MEMS Devices」(2018)
‐「Effects of Current Density on Mechanical Properties of Electroplated Nickel with High Speed Sulfamate Bath」(2018))

研究開発成果の利用シーン

・高屈曲耐荷重ケーブル&コネクタ
・力覚センサー(特にロボット指先)
・ドローン・MEMSコネクタ ・半導体ソケット
・ロボットハンド
・統合ロボットシステム 

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

今年度開発結果より、量産化に向けた大型シートでの加工が可能であることがわかり、今後量産化と低コスト製造が可能であることがわかり、実用化一歩手前まで来ることができた。具体的にはMEMSコネクタに関しスマホ用で試作依頼を受け開発試作を行っている。またロボット用としては半導体試験装置メーカーから試作依頼を受けている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・レーザー直描による超微細加工のMEMSパーツができることがわかり、今後の微細電子部品作製において極めて有意義な加工法を開発した
・世界一小さいロボット用の同軸ケーブル&コネクタモジュール開発に成功し、ロボットの小型軽量化と俊敏な動きのできるロボット開発に貢献できることが分かった
・量産レベルでの製造に、量産レベルでの自動検査装置を導入し、低コストで信頼性の保証できるコネクタ製造技術開発を可能にした

今後の実用化・事業化の見通し

現状では本開発品のMEMSコネクタの販売実績はないが、ロボット以外の分野でスマホアンテナのケーブルコネクタ、内視鏡カメラのコネクタ、半導体試験装置のコネクタなど引き合いがあり試作を始めている状態である。いずれの分野も、小型薄型で超微細な本MEMSコネクタの利用が期待される分野であり、今後市場が期待される分野でもある。本試作で実績を出し、将来ロボット分野で製品販売で貢献したと考えている

実用化・事業化にあたっての課題

大型シート製造時の量産プロセスに関しては、まだ課題が残り検討の必要がある。

事業化に向けた提携や連携の希望

本研究開発で得られたレーザー露光技術を応用したスマホ用MEMSコネクタや半導体ソケットの試作依頼を受け、大手コネクタメーカーと共同で開発を進めている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アルファー精工 営業技術部
合同会社シナプス 立川研究所
事業管理機関 株式会社キャンパスクリエイト
研究等実施機関 国立大学法人東京大学 大学院情報理工学系研究科 システム情報学専攻
国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院 フロティア材料研究所 未来産業技術研究所
国立研究開発法人産業技術総合研究所 製造技術研究部
アドバイザー 山一電機株式会社 CS事業推進グループ グループ長 古畑 俊之、株式会社菊池製作所  ものづくりメカトロ研究所 RT開発グループ部長 小笠原伸浩、公益財団法人神奈川産業振興センター 事業部ゼネラルマンージャー 安田誠

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 合同会社シナプス(法人番号:9012403002407)
事業内容 業種:電子部品・デバイス・電子回路製造業 事業内容:電子部品の研究開発・電磁解析・シュミレーション  
社員数 3 名
本社所在地 〒183-0011 東京都府中市白糸台3-16-6 武蔵野台グランドハイツ806号
ホームページ http://synapse-2015.com/
連絡先窓口 立川研究所 前田 龍
メールアドレス ryumaeda5635@ozzio.jp
電話番号 090-6023-1179