複合・新機能材料
核酸医薬による難治性疾患治療を実現化するための高性能ハイブリッド型ミセルの開発
千葉県
ナノキャリア株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 核酸医薬送達を高精度化する細胞内バリア突破型ナノ粒子の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | ナノDDS、核酸医薬、がん治療、高分子ミセル |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
究極の薬効物質とも言われる“核酸医薬”の実現に最大障壁であり続ける“細胞内バリア”を突破できる革新的機能材料を開発し、低分子医薬への適用実績を重ねてきた当社技術“高分子ミセル型薬物送達システム”による蓄積知見と進化的に融合させ、核酸医薬送達精度を飛躍的に高めたハイブリッド型ミセル製剤を創出する。これを用いて難治性疾患治療の実現可能性を示し、「核酸医薬」の実用化に必要な解決策を製薬企業に提供する
開発した技術のポイント
・血中で分解され、血中から排泄されやすい核酸医薬を生体内で安定に保護し、目的の治療箇所に集積させる。
・標的の疾患細胞に核酸医薬をより多く届ける。
・標的細胞の細胞質にきわめて効率よく核酸医薬を到達させる。
・役割を終えたキャリア分子は生分解性を有し、細胞毒性が極めて低い。
・DDSキャリアによる全身毒性リスクが低い
具体的な成果
・細胞内バリアを突破するハイブリッドミセルにおいて、機能性素子の改良により、世界トップクラスの細胞内バリア突破能力を獲得
・新開発した機能性素子は細胞毒性、蓄積毒性、全身毒性が極めて低い
・新開発機能性素子のスケールアップ合成を実施確認
・最小で70nmのハイブリッドミセル化に成功
・表面電位(ゼータ電位)を<±2mVに制御することにより、血中半減期延長に成功
・上記のハイブリッドミセル化により社内従来比40倍の細胞活性を達成
・上記ハイブリッドミセルの調製・精製に関しスケールアッププロセスに目途
研究開発成果の利用シーン
・既存医薬で治療が困難な、難治性がん患者に、新たな治療選択肢を提供する。
・核酸医薬で難治性疾患の臨床展開を目論む製薬企業に、核酸医薬の薬効を大幅に高める技術として技術を提供する。
・核酸医薬の試験・研究用試薬として科学研究に貢献する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
核酸医薬単独では臨床治験を開始できるまでの決定的な薬効を示すデータが取得できておらず、なおも研究開発の継続を必要としている
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・ナノ粒子製剤(ハイブリッドミセル)技術を用いて「核酸医薬」を‘がん’に効率よく届け、さらに細胞内利用率を飛躍的に高めたことにより、革新的な治療形態としての「核酸医薬」の可能性を大きく拡大する。
今後の実用化・事業化の見通し
・医薬品事業に関しては、臨床開発費に多額の費用が必要となるため、開発資金の潤沢な大手製薬企業との提携、ライセンス契約を目指している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ナノキャリア株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ナノキャリア株式会社(法人番号:5040001067344) |
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事業内容 | 医薬品の研究及び開発 |
社員数 | 31 名 |
本社所在地 | 〒277-0871 千葉県柏市若柴226番地39中央144街区15 |
ホームページ | http://www.nanocarrier.co.jp/ |
連絡先窓口 | 総務人事部 藤本 浩治 |
メールアドレス | fujimoto@nanocarrier.co.jp |
電話番号 | 04-7197-7621 |
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