デザイン開発
非接触給電技術の開発によりシェアサイクルの普及に寄与
埼玉県
株式会社ベルニクス
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | スモールモビリティ、電動アシスト自転車用非接触給電技術の開発 |
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基盤技術分野 | デザイン開発 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、ロボット、産業機械、小型電動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | ワイヤレス給電、非接触給電、電動アシスト自転車、スモールモビリティ |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
株式会社ベルニクスの電源設計で培った高効率化、小型化の技術と、非接触給電の分野で先端を走る埼玉大学・金子研究室のトランス設計技術により、50W~500Wクラスの非接触給電モジュールを、ユーザビリティの高い製品実現に必要な周辺技術を含め開発します。汎用性の高い技術ですが、まずは、既に強い要望を頂いている電動アシスト自転車の分野から、その後、Eバイクや電動カート等のスモールモビリティ分野で事業展開を進めます
開発した技術のポイント
非接触給電モジュールの開発において以下の点を改善した
・インバータ部の共振を自動調整することで、位置ずれに対しても安定的に非接触供給ができる
・従来の機構構造的なものとは別に通信により受電モジュールを認識
・高感度の検知コイルを設けることで、送電に影響を与える異物を検知し、送電停止を行う
・人が触れることが出来る部分の漏洩磁界を27μT以下とし安全性を向上
具体的な成果
・位置ずれ、給電距離の変動に対する安定動作
‐ギャップ変動(10~20mm)において、効率低下10%未満を達成
‐自動周波数補正機能による力率80%以上を達成(ギャップ変動時)
・給電対象物の認識技術の高度化
‐汎用RFIDを採用。導入コストを抑え、誤認識防止を達成
・異物検出技術の高精度化
‐サーチコイルと温度センサによる異物検出を採用
・機器への搭載を考慮した安全性の確保
‐アルミシールドを採用し、漏洩磁界を抑制する構造の検討により、27μT未満を達成
・容易に使用できる非接触給電標準モジュールの製品化
‐試作モジュールを作成し、効率低下抑制および漏洩磁界を満足した
研究開発成果の利用シーン
開発した非接触給電技術により、スモールモビリティ、電動アシスト自転車への非接触給電できる技術を提供することができる。
また、サポイン事業での開発技術をさらに発展させ、大電力化や送電距離の延長化などにより、ユーザーが求める非接触給電技術を提供することができる。
電動車いすやキックスケーター、有線では接続できない、回転部(重機のアーム等)といったシーンでの利活用が可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サポイン事サポイン事業で開発した技術をベースにワイヤレス給電を検討している会社へアプローチを掛けている。
現在、いくつかの見積、試作検討の依頼が来ており、順次対応している。
まだ、正式受注に至った案件はなく、これから増加していくものと考える。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
充電方法の無人化が達成され、シェアサイクル等の低コスト運営が可能
今後の実用化・事業化の見通し
・シェアサイクルへの販売
現在、さいたま市で設置計画されているコミュティサイクルに対して、2019年度内に500台をワイヤレス化予定(現行品)で進めている。また、川越市でのコミュニティサイクルへ200台程度の導入も決定している
・電動2輪車への展開
送電電力を上昇させることで対応が可能と考えている
・標準品の開発(その他市場への展開)
本研究により確立した、トランス形状、長距離給電、通信技術等を用いた非接触給電モジュールを開発し、ラインナップ化することで、様々な組み合わせによる、顧客に合った製品提供が可能となる
・特注品の受注
本研究により確立した、技術を用いて、非接触給電を必要とする各メーカーへ売込を行い、製品の開発委託や、共同研究などを行う。顧客要求では、バッテリー機器への充電に非接触給電を組み合わせる要求が多数有る。バッテリーメーカーとコラボレーションして、「非接触充電対応バッテリー」という形で、非接触だけでなく、システムとして販売していく
実用化・事業化にあたっての課題
本事業では、従来の給電方法を改善する開発を行ったが、今後、様々な市場への展開を検討するため、現状の50Wよりも大きい電力帯に向けた製品化を進める必要がある
・大電力化にあたって、トランスの発熱や漏洩磁界の増加が懸念事項となる。
放熱機構の検討や漏洩磁界を抑制する形状の検討を実施する
・ソレノイドタイプやコの字タイプ、円形、それぞれの大電力版のトランス量産検討。大電力化に向けては、形状が複雑になる。より量産に向けたトランス製法を模索する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ベルニクス |
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事業管理機関 | 国立大学法人埼玉大学 |
研究等実施機関 | 株式会社ベルニクス 国立大学法人埼玉大学 |
アドバイザー | 日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社、株式会社アイジュ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ベルニクス(法人番号:3030001007567) |
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事業内容 | 285 ユニット部品製造業 |
社員数 | 66 名 |
本社所在地 | 〒336-0024 埼玉県さいたま市南区根岸5-7-8 |
ホームページ | http://www.bellnix.co.jp/ |
連絡先窓口 | 開発部 次長 大森浩史 |
メールアドレス | ohmori@bellnix.co.jp |
電話番号 | 048-864-7815 |
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