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研究開発された技術紹介

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精密加工

高度な切削加工による砂型製造技術により複雑形状を持つ回転体鋳造を実現!

岩手県

株式会社小西鋳造

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 複雑形状を持つ回転体鋳物用砂型の製造技術の確立
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(使用機器削減)
キーワード 砂型切削、5軸マシニングセンタ、インペラ
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ポンプの羽根車などの形状が複雑な回転体は切削加工での製造が難しく、砂型による鋳造で作られる。砂型は木型を利用して作るのが一般的だが、近年のCAE解析によって設計される、より複雑な形状を持つ羽根車などには対応が難しい。ロストワックスや砂型積層造形などの技術も一長一短があり、新しい砂型製造方法の開発が必要になってきている。そこで、5軸加工機を用いた高度な切削加工技術により砂型を製造する技術を確立する

開発した技術のポイント

・木型を用いず直接加工データを作成し製造するため、木型に起因する形状の制約や形状誤差が無く、精度の高い鋳造品(形状精度±1mm、表面粗さRz100μm)の製造が可能となった
・3DCAD図面から直接砂型を加工するため、納期・コストの短縮につなげる
・製品の設計変更やモデルチェンジなどに対しても加工データを修正するだけで済むため、費用・時間を最小限にし、かつ速やかに対応できる

具体的な成果

・木型では作製できない砂型を作製
‐5軸マシニングセンターを使用して砂型の加工を行うことにより、木型では作製不可能な複雑な形状の砂型を作製可能
・形状精度±1.0mm以内の実現
‐加工に適した鋳物砂と樹脂を選定
‐砂型加工に適した加工条件を選定し、ツールパスを作成
・表面粗さRz100μm以下の実現
‐加工により安定した表面粗さを実現
‐塗型処理を行い、Rz100μmを達成

知財出願や広報活動等の状況

・展示会用のサンプルを作製し、4つの展示会に出展した
‐第15回日本加速器学会年会・企業展示
‐とうほく・北海道 自動車関連技術展示商談会 in デンソー
‐第50回管工機材・設備総合展
‐とうほく・北海道 自動車関連技術展示商談会
・特許出願
‐「鋳物用砂型の製造方法」
‐「砂ブロックの製造方法」(特願2019-023646)
‐「鋳造用砂型の製造方法および鋳造用中子」(特願2019-051994)

研究開発成果の利用シーン

開発技術により、
①汚水ポンプの羽根車製造において形状精度が向上する。
②多数個取りの品物について、個数や鋳造方案を容易に変更することが可能であることから、量産の効率が上がる。
③新規の製品について、新たに木型を作る必要がなく、初期費用を抑え納期を短縮することができる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・展示会用のサンプルを作製し、4つの展示会に出展した。合計172名に対し研究内容をPRすることができ、試作品の製造方法として認識してもらうことができた
・ユーザからのヒアリングにより、機械部品だけでなくプレス金型や荷電粒子加速器の測定器に使用する小型の導波管など新しい分野でのニーズを確認することができた

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

砂型を切削加工によって作製することで、形状精度±1.0mm以内、表面粗さRz100μm以下の鋳造品の製造が可能
木型が不要であるため、初期投資を抑え納期を短縮することが可能

今後の実用化・事業化の見通し

砂型切削における工具摩耗とその影響について補完研究中。
既に製品の一部を砂型切削にて作製。今後も新規の製品などを中心に砂型切削の割合を増加させていく。
展示会等へ出展しPRを図る。

実用化・事業化にあたっての課題

・砂型積層造形法や金属積層造形法と比べ、若干形状精度が劣ることから、これらの方法と同等の形状精度を達成する
・砂型の切削加工における工具寿命など、量産を円滑に進めるための研究を進める

事業化に向けた提携や連携の希望

サポイン成果の展示会への共同出展など

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社小西鋳造
事業管理機関 地方独立行政法人岩手県工業技術センター 企画情報部
研究等実施機関 株式会社小西鋳造
地方独立行政法人岩手県工業技術センター 素形材プロセス技術部
アドバイザー 国立大学法人秋田大学 大学院理工学研究科物質科学専攻材料理工学コース 麻生節夫 教授、国立大学法人岩手大学 大学院機械社会環境システム工学専攻 水野雅裕 教授、秋田県産業技術センター 内田富士夫 主任専門研究員、古河機械金属株式会社 渡邉珍彦 様、伊藤忠セラテック株式会社 鋳造材料販売総括部 営業サービス担当 安川昇吾 様

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社小西鋳造(法人番号:7400001006866)
事業内容 2253 鋳鋼製造業
社員数 30 名
生産拠点 津軽石工場(岩手県宮古市津軽石13-365-5)
本社所在地 〒027-0053 岩手県宮古市長町二丁目8-7
ホームページ http://www.konishicast.jp/kigyou.html
連絡先窓口 株式会社小西鋳造 
メールアドレス konishi@konishicast.jp
電話番号 (0193)64-2389