精密加工
加工難易度が高い素材の微細加工技術により、生体適合性が高い医療用メスの提供が視野に!
岐阜県
カイインダストリーズ株式会社
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 生体適合性材料(チタン合金)のマイクロフォージングによる鍛流線で刃先を強化した医療用メスの開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
手術式の低侵襲化への要望に対応して、生体適合性に優れ、手術式や手術部位に合わせた多様な形状で微細なメスを高精度、低コストで供給することを目的とする。具体的には、鍛造加工により最終に近い形状をつくり、表面処理技術とあわせて鍛流線を刃先に生かすことでチタン合金などの材質であっても鋭利な刃先の強度を上げることができる、手術の低侵襲化を実現する医療用微少メスマイクロフォージング技術を開発する
開発した技術のポイント
手術方法の低侵襲化に伴って微小化や多様化する形状に対応した、眼科手術用、動物手術用、歯科手術用などに使用されるマイクロメスを低コストで加工する微小メスマイクロフォージング技術を開発する
(新技術)
鍛造加工により、鍛流線で刃先を強化し、刃部の表面処理と合わせて鋭利な刃先加工が可能となる
(新技術の特徴)
チタン合金等、耐食性と生体適合性のある材料に対して、刃こぼれしないように組織を繊維化(鍛流線)させ、刃先の強靱性を高められる
具体的な成果
・鍛造工程の研究
‐鍛造加工品の刃先部に鍛流線が確認され、加工硬化による強度の上昇を確認した
・刃部の表面処理研究
‐表面処理技術によるチタン合金の硬度上昇と刃先の鋭利化を確認した
・生体適合性評価
‐チタン及びチタン合金製医療用メスの細胞に対する親和性及び免疫系細胞に対する反応性を確認した
研究開発成果の利用シーン
・生体適合性が求められる医療用刃物等の受託加工
・安価かつ微小で高精度な医療用刃物
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サポイン事業終了時点では実用化できておらず、現在、補完研究にて実用化に向けた残課題の解決活動を行っており、平成25年度中には川下業者にサンプルを提出し、機能評価を行う予定である
製品・サービスのPRポイント
生体適合性材料の加工技術の確立により、医療用メスの利用シーンを拡大
・従来の加工技術は刃先の強度が不十分であり、刃欠けの心配があったことから、医療現場で利用が進む上での懸念がある
・今回開発した刃先加工技術によって、従来は利用を控えていたシーンでの利用が可能になる
高精度な医療用メスの低価格化を実現
・従来の刃先加工はコストがかかっていた
・新技術による刃先加工によって、生産性が向上し、低価格での高精度医療用メスの提供が可能になる
低侵襲化に対応した多様なナイフの開発により、様々な手術式に対応
・従来の加工技術は、実現できなかった微小かつ複雑な形状が得られ、新しいシーンでの利用が可能になる
今後の実用化・事業化の見通し
・本研究による刃部加工技術は医療分野だけでなく、高機能なカミソリ、包丁、ハサミ、工業用刃物、食品加工用刃物などその他の刃物分野にも応用が可能である
・鍛造による微細加工技術は、IT分野などマイクロパーツの微小加工の可能性を示す突破口となることから、今後は微細加工技術を応用して他製品への展開も視野に入れて開発と事業化を進める予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | カイインダストリーズ株式会社 小屋名工場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人名古屋大学 工学研究科付属材料バックキャストテクノロジー研究センター 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 岐阜県産業技術総合センター 機械研究部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | カイインダストリーズ株式会社 |
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本社所在地 | 岐阜県関市小屋名1110番地 |
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