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立体造形

高圧水素用金属材料(HRX19等)のシームレス管を用いた、樹脂に比べ「ブリスタ破壊」などの懸念がなく、長寿命の耐水素脆性金属材料によるフレキシブルホースの研究開発

北海道

トーフレ株式会社

2020年4月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 耐水素脆性金属材料による水素ステーションのディスペンサー用フレキシブルホースの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、環境配慮、低コスト化
キーワード ディスペンサー用フレキシブルホース、水素ステーション、耐水素脆性金属材料製フレキシブルホース、燃料電池自動車(FCV)、シームレス管
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

燃料電池自動車(FCV)に水素を充填する現状のディスペンサー用樹脂製ホースは、充填圧力82.0MPA対応、500回充填に到達した時点で交換を必要とするが、市場では充填圧力の高圧化(国際基準87.5MPA)及び長寿命化が求められていることから、耐水素脆性などに優れる高圧水素用金属材料(HRX19等)のシームレス管からフレキシブルチューブを成形する技術を開発する。

開発した技術のポイント

・燃料電池自動車(FCV)に水素を充填する現状のディスペンサー用樹脂製フレキシブルホースは、500回充填または使用開始後1年で交換が必要な消耗品であり、市場では充填圧力の高圧化及び長寿命化が求められている
・そこで本事業では、樹脂に比べ「ブリスタ破壊」などの懸念がない、耐水素脆性金属材料によるフレキシブルホースの研究開発を行った。当該材料を用いたフレキシブルホースの開発ならびにシームレス管からの成型は、当社含め業界初めての試みである

従来技術と開発技術の概要
具体的な成果

・「HRX19(R)」の成型に向けた最適形状の追求
‐応力-ひずみ曲線を-40℃~+70℃の温度域で取得したほか、疲労試験等を実施し、材料物性値を解明した
‐これにより、耐圧向上策の一つであるチューブ肉厚の増加ならびに内外径変更等のシミュレーション精度が向上し、最適形状の導出が可能となった
・「HRX19(R)」を用いたフレキシブルチューブ成型加工技術の開発
‐5段階ダイス成型機や水圧式チューブ圧密装置の開発等により、加工技術の高度化を実現し、最適なチューブ成型技術を確立した
‐シームレスパイプから3mの長尺フレキシブルチューブ製作に成功し、国内市場における破壊圧力280MPaを上回る破壊圧力322MPaの結果を得た
‐今後、国際規格である破壊圧力385MPaを達成すべく研究開発を継続する

HRX19(R)のS-N曲線
ベローズ管内圧によるベローズ管内の最大円周方向応力の変化
試作に成功したフレキシブルホース
研究開発成果の利用シーン

従来の樹脂製ホースに比べ充填圧力の高圧化及び長寿命化を実現できるステンレス材料「HRX19(R)」製フレキシブルホースを開発し、水素ステーションのディスペンサー用フレキシブルホースとしての利用を目指す。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現在、約100箇所の水素ステーションが整備されており、水素・燃料電池戦略ロードマップでは、2020年に160箇所、2025年には320箇所の普及目標が示されている。ただし、既存水素ステーションのディスペンサー用ホースは樹脂製であり、金属製のフレキシブルホースは実用化されていない。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造

製品・サービスのPRポイント

耐水素脆性金属材料「HRX19R」のシームレス鋼管から水素ステーションに用いられるディスペンサー用フレキシブルホースを開発し、既存樹脂製ホースと比較して高圧化や長寿命化、コスト低減を実現する。

今後の実用化・事業化の見通し

本研究開発案件については、サポイン事業終了後も室蘭工業大学と協力し事業化に向けて開発を継続する。具体的には、シームレスパイプの板厚増加(t0.5→t0.6)やチューブ内径を小さくすることにより国際規格である385MPaを目指し破壊圧力の向上を図ることに加え、ホースのつかむ箇所を樹脂で被覆し充填しやすくするなど商品化に必要となる事項についても検討していく。

実用化・事業化にあたっての課題

作製したフレキシブルチューブは国際規格385MPaの破壊圧力には到達できなかったため、今後も継続して開発を進める

事業化に向けた提携や連携の希望

水素ステーション用ディスペンサーを製造する川下メーカーと引き続き連携し、事業化を目指す。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 トーフレ株式会社 室蘭研究所
事業管理機関 公益財団法人室蘭テクノセンター
研究等実施機関 国立大学法人室蘭工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 トーフレ株式会社(法人番号:1120001067967)
事業内容 金属製フレキシブルホースの製造
社員数 230 名
生産拠点 トーフレオメガフレックス(株)(山口県)、ミツワ・ウェルドテック株式会社(滋賀県)、特扶利五金制品(上海)有限公司
本社所在地 〒541-0053 北海道大阪市中央区本町1丁目6番16号
ホームページ https://www.tofle.com/
連絡先窓口 設計部次長 野崎 武雄
メールアドレス nozaki@tofle.com
電話番号 0838-54-5680