立体造形
放射線によるがん治療において線量分布検証作業を容易に行うことができる三次元ポリマーゲル線量計
群馬県
株式会社柴田合成
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高精度放射線治療における三次元ポリマーゲル線量計の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高精度放射線治療の現場では、患者への治療前に行っている線量分布の検証(三次元線量分布計測)に要する時間の短縮、コストの低減、さらに計測精度の向上が課題である。これらの課題を克服した高精度線量評価システムを提供するために、立体造形に係る技術(プラスチック材料の成形技術と金型技術)を高度化し、感応精度の高いゲル材料、及びゲルを保持するための薄肉型枠から成る三次元ポリマーゲル線量計を開発する
開発した技術のポイント
ポリマーゲル線量計は、全体が透明で、照射部分のみが白濁するので目視で線量分布を立体的に把握でき、線量分布の「見える化」を実現する
(新技術)
白濁の基となるモノマーの種類の選択し、全体が透明でありながら、照射部分のみが白濁するポリマーゲル線量計を開発する
(新技術の特徴)
30分で完了する読取システムを加えて、線量分布の「見える化」を実現できる
具体的な成果
・サンプル品は完成、実際に放射線治療機を使った照射試験を行い、読取システムも完成し、三次元のデータ化、映像化に成功し、精度の面ではほぼ目途がついた
・ポリマーゲルの感応精度は、精度±2%以内を達成・ゲルの均一性は、厚さ±5%,密度±2%、照射3段、試験片数100個で確認し達成
・積層樹脂枠は、容器厚さ2.4mm、限界肉厚1.2mm、不良率10%で50~60%の達成度
・30分で完了する読取システムを開発・二次元線量読取システムの開発:読み込みから線量表示までを一貫でできるソフトを完成
・ポリマーゲル線量計の評価:治療実機による検証を実施
研究開発成果の利用シーン
・ポリマーゲル線量計
‐全体が透明で、照射部分のみが白濁
‐線量に応じて白濁度が増し、スキャンすることによって照射部分の線量を得られる
・新規シート状線量計
実用化・事業化の状況
製品・サービスのPRポイント
放射線技師、医学物理士、医師および患者にとって“より安全”かつ“より安心”な治療を提供でき、放射線治療の高信頼性を実現
・凹凸のある患者体表面に密着し貼り付け可能
・実際の放射線量を得ることにより、治療計画との整合性を検証でき、治療精度の向上と安全性が向上できる
今後の実用化・事業化の見通し
・有料のサンプル出荷は平成30年度末から開始する予定であり、平成29年12月まで照射試験でデータを収集し、翌6月までには試験検証に限ったサンプルとして販売を開始する
・これと共にポリマーゲル線量計用読取システムの販売も行う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社柴田合成 |
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事業管理機関 | 株式会社柴田合成 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究センター 群馬県立群馬産業技術センター 学校法人智香寺学園埼玉工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社柴田合成 |
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事業内容 | プラスチック製品の金型製作・成形・組立 |
本社所在地 | 〒375-0055 群馬県甘楽郡甘楽町小幡270-3 |
ホームページ | http://www.shibatagousei.co.jp/ |
連絡先窓口 | 企画部 高岡登志仁 |
メールアドレス | takaoka@shibatagousei.co.jp |
電話番号 | 0274-74-2146 |
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