バイオ
使いやすいネギ属野菜向け微生物防除剤の開発
福岡県
中村産業開発株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 化学農薬の代替となるバチルス属菌株の選抜及び複合化技術を用いたネギ属野菜向け微生物防除剤の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、農業、産業機械、食品、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 微生物防除、重要病害、省力化、有機栽培、安全安心 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
国内出荷額第1位であるネギ属野菜の栽培では、病害回避のため化学農薬が多用されている。川下企業や農家では、化学農薬に替わる安全・安心な防除剤の開発を切望している。本事業では、環境や人体に安全なバチルス属菌株を用いて、ネギ属野菜の主要7病害を一製剤で防除でき、化学農薬以下の低価格で提供可能な新しい微生物防除剤を開発する。開発剤は農薬使用にカウントされないため、有機農業の推進に多大な貢献が期待できる
開発した技術のポイント
本事業では、バチルス属菌株を用い、ネギ属野菜の主要7病害を1製剤で防除可能な微生物防除剤を低コストで開発することを目指した
(新技術)
・有効微生物の複合化
・安全性の高いバチルス属菌を使用
・新規抗菌ペプチドの作用と推定
・安価なバイオマス培地を開発
・微生物を死滅させない造粒法
・強固で崩壊性に優れた剤型
(新技術のポイント)
・ネギ属野菜主要7病害に対応可能
・安全性を確認
・抗菌メカニズムを解明
・既存の微生物防除剤より安価で提供可能
・既存の散布装置に対応可能
具体的な成果
・ネギ属野菜主要7病害それぞれに有効な菌株を最終的に複数得ることに成功した
・選抜菌株の安全性は基本的に担保された
・抗菌物質の関与が示唆され、いずれも細胞膜に作用することがわかった
・高濃度で培養可能な、安価なバイオマス培地を開発した
・比重0.5付近の粉体を材料として、圧壊強度の平均1kgf以上、水和崩壊速度0.01g/sで水和剤化可能、かつ各種散布装置で散布可能な粒剤を開発した
知財出願や広報活動等の状況
特許出願準備中
研究開発成果の利用シーン
・微生物防除剤
・植物活性剤
・土壌改良剤
・肥料
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
粉の試作品について、タマネギ乾腐病の公的な圃場試験に於いても、目標を達成する素晴らしい成績を収める事が出来た。また、防除効果以外にも、生育につて有効な機能が示唆されている。薬害も確認されておらず、一般農家を通じた圃場試験に於いても、好評を頂いており、事業化へ着実に邁進していると確信している。しかしながら、権利関係の取得が遅れており、有料化にはもう少し時間を要す状況である。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・1剤でネギ属野菜主要7病害に対応可能
・安全・安心で信頼性の高い製剤
・既存の散布装置で使用可能
・有機農業で使用可能
今後の実用化・事業化の見通し
・まず粉剤製品の無料サンプルを出荷し、圃場試験で一定の評価が得られた後、順次有料化していく予定。粒剤製品については、コスト面の課題解決を図りながら製品化を目指す
・開発製品は、本事業で対象とした作物や病原菌以外にも効果を示す可能性が示唆された。また、本事業で蓄積した粒剤化に関するノウハウは、自社各種製剤への応用が可能である
実用化・事業化にあたっての課題
造粒装置が高額となり導入の目処が立っていない為、造粒品での事業化が停滞している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 中村産業開発株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 中村産業開発株式会社(法人番号:2290801016809) |
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事業内容 | 建築・土木・設備や内装の施工 |
社員数 | 16 名 |
生産拠点 | 福岡県田川市に1つのバイオ関連生産工場を保有 |
本社所在地 | 〒826-0041 福岡県田川市大字弓削田80 |
ホームページ | http://www.nk52.com/nk52/top.htm |
連絡先窓口 | 三田光章 |
メールアドレス | m-mita@nk52.com |
電話番号 | 0947-44-1818 |
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